「デス・マッチ」
原題:DEATH MATCH
製作:1994年
●イアン・ジャクリンとニコラス・ヒルは腕自慢の親友同士で、定職に就けず浮ついた生活を送っていた。そんな暮らしをイアンは終わらせたかったが、あくまでニコラスは金儲けに固執しており、2人は喧嘩別れとなる。
取り残されたニコラスは、マフィアの大物であるマーティン・コーヴが主宰する格闘大会に参加。しかし「負けて殴り殺されろ」と強要され、それに反対したことで制裁を受けてしまう…。
親友からのSOSを受け取ったイアンは、新聞記者のレニー・アマンと協力して捜索を開始する。やがて2人はマーティンの格闘大会へと行き付き、これに参加してニコラスの行方を追う事となった。
ベニー・ユキーデ(本人役)から指導を受け、順調に勝ち星を重ねていくイアン。そこにマーティンが現れ、自陣に引き込もうと接触してきた。イアンたちは敵の悪事を暴くため、連中の本拠地に潜入を試みようとする。
だが、重要な書類を奪ったはいいものの、たちどころに居場所がバレて捕まってしまった。大型船に幽閉されたイアンは脱出に成功し、仲間を助けに向かうが…?
本作は裏社会の格闘大会を描いた、よくあるタイプのマーシャルアーツ作品です。しかし主役のイアンを筆頭に本物の格闘家が多数登場し、格闘スターも何人か出演しているのがポイント。その顔ぶれはなかなかのものでした。
『レイジング・サンダー』のマシアス・ヒューズ、『ブレード/妖剣伝説』のスティーブ・ヴィンセント・リー、『バトル・ファイター』のジョージ・リベロ、『Weapons of Death』のエリック・リー、そして我らのユキーデまで(ジェット・センターも登場)!
ところがこの手の作品の通例なのか、ラスボスのマシアスと主人公に修行を施すユキーデ以外は扱いが悪く、まともなアクションひとつすら見せていません。
思わせぶりに登場するスティーブは戦わないどころか本筋に絡んでこないし、ジョージは登場してすぐ蜂の巣に。エリックにいたっては単なるホテルの受付係という有様です(涙
一方、ストーリーは単調ですが登場人物はそこそこ個性的で、特徴的なWヒロイン(やり手の記者のレニー&強くてボーイッシュな少女)にも目を惹かれました。
しかしレニーは色々な過程をすっ飛ばして主人公と恋仲になり、ボーイッシュ少女はあっという間に出番が激減。こちらも格闘スターと同様に、料理の不味さが目立っています。
なんだか嫌な予感がしてきましたが、格闘アクションに関しては全体的に平均以上のレベルを維持。登場するファイターたちはそれなりに個性があるし、イアンも所々で切れのいい蹴りを放っていました(ニコラスの方が動けていましたが)。
ところが格闘大会でのイアンは積極性に欠けていて、どの試合も一方的に叩きのめされた後で逆転勝ちを得るという、かなり味気ない内容となっています。
実は彼は過去に対戦相手を死なせてしまい、戦いに対してトラウマを抱いているという設定があるのです。おかげで試合はしょっぱくなり、勝ったとしても落ち込んでばかり。これでは盛り上がるものも盛り上がりません。
製作サイドとしてはドラマに深みを与えたつもりでしょうが、実際は完全にアクション演出の重荷となっています。なお、トラウマを克服するようなイベントなどはなく、後半からイアンは普通に敵を殴ったり殺したりしていました(爆
ラストバトルの展開もなんだかなぁという感じで、2度にわたるイアンVSマシアスは格闘大会というイベントから逸脱し、勢いのあった前半からは想像できない規模にダウンしています。
ストーリーは特別ダメというわけではないし、アクションの質も全体を通してみれば悪くないのは確か。ただ、キャストの扱いやファイトシーンに対する配慮が圧倒的に足りておらず、様々な面で「惜しい」と思わせる作品でした。
原題:DEATH MATCH
製作:1994年
●イアン・ジャクリンとニコラス・ヒルは腕自慢の親友同士で、定職に就けず浮ついた生活を送っていた。そんな暮らしをイアンは終わらせたかったが、あくまでニコラスは金儲けに固執しており、2人は喧嘩別れとなる。
取り残されたニコラスは、マフィアの大物であるマーティン・コーヴが主宰する格闘大会に参加。しかし「負けて殴り殺されろ」と強要され、それに反対したことで制裁を受けてしまう…。
親友からのSOSを受け取ったイアンは、新聞記者のレニー・アマンと協力して捜索を開始する。やがて2人はマーティンの格闘大会へと行き付き、これに参加してニコラスの行方を追う事となった。
ベニー・ユキーデ(本人役)から指導を受け、順調に勝ち星を重ねていくイアン。そこにマーティンが現れ、自陣に引き込もうと接触してきた。イアンたちは敵の悪事を暴くため、連中の本拠地に潜入を試みようとする。
だが、重要な書類を奪ったはいいものの、たちどころに居場所がバレて捕まってしまった。大型船に幽閉されたイアンは脱出に成功し、仲間を助けに向かうが…?
本作は裏社会の格闘大会を描いた、よくあるタイプのマーシャルアーツ作品です。しかし主役のイアンを筆頭に本物の格闘家が多数登場し、格闘スターも何人か出演しているのがポイント。その顔ぶれはなかなかのものでした。
『レイジング・サンダー』のマシアス・ヒューズ、『ブレード/妖剣伝説』のスティーブ・ヴィンセント・リー、『バトル・ファイター』のジョージ・リベロ、『Weapons of Death』のエリック・リー、そして我らのユキーデまで(ジェット・センターも登場)!
ところがこの手の作品の通例なのか、ラスボスのマシアスと主人公に修行を施すユキーデ以外は扱いが悪く、まともなアクションひとつすら見せていません。
思わせぶりに登場するスティーブは戦わないどころか本筋に絡んでこないし、ジョージは登場してすぐ蜂の巣に。エリックにいたっては単なるホテルの受付係という有様です(涙
一方、ストーリーは単調ですが登場人物はそこそこ個性的で、特徴的なWヒロイン(やり手の記者のレニー&強くてボーイッシュな少女)にも目を惹かれました。
しかしレニーは色々な過程をすっ飛ばして主人公と恋仲になり、ボーイッシュ少女はあっという間に出番が激減。こちらも格闘スターと同様に、料理の不味さが目立っています。
なんだか嫌な予感がしてきましたが、格闘アクションに関しては全体的に平均以上のレベルを維持。登場するファイターたちはそれなりに個性があるし、イアンも所々で切れのいい蹴りを放っていました
ところが格闘大会でのイアンは積極性に欠けていて、どの試合も一方的に叩きのめされた後で逆転勝ちを得るという、かなり味気ない内容となっています。
実は彼は過去に対戦相手を死なせてしまい、戦いに対してトラウマを抱いているという設定があるのです。おかげで試合はしょっぱくなり、勝ったとしても落ち込んでばかり。これでは盛り上がるものも盛り上がりません。
製作サイドとしてはドラマに深みを与えたつもりでしょうが、実際は完全にアクション演出の重荷となっています。なお、トラウマを克服するようなイベントなどはなく、後半からイアンは普通に敵を殴ったり殺したりしていました(爆
ラストバトルの展開もなんだかなぁという感じで、2度にわたるイアンVSマシアスは格闘大会というイベントから逸脱し、勢いのあった前半からは想像できない規模にダウンしています。
ストーリーは特別ダメというわけではないし、アクションの質も全体を通してみれば悪くないのは確か。ただ、キャストの扱いやファイトシーンに対する配慮が圧倒的に足りておらず、様々な面で「惜しい」と思わせる作品でした。
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