功夫電影専科

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『霊幻勇士VS黒魔術/シャインゴースト』

2008-02-24 23:33:22 | カンフー映画:珍作
「霊幻勇士VS黒魔術/シャインゴースト」
羞羞鬼/九月初九之重見天日/九月九日之重見天日
Shy Spirit/Shyly Spirit
1991(1994?)

●方々でこの作品は「駄作だ」と一様にこき下ろされている。理由は様々だが、ひとえに本作がキョンシー映画として売られたところが不味かったのだろう。
本作のパッケージには堂々と林正英(ラム・チェンイン)のポートレートが使用されており、『霊幻道士』のような作品を予感させるものだが、劇中にキョンシーは全く登場せず、林正英も冒頭のみの登場で、オマケに役柄は道士でもなんでもない。これではキョンシー映画ファンからブーイングを食らうのも納得だ。しかし、本作は決して駄作と切って捨てる作品ではないのだ。
鍾發(チュン・ファト)と陳龍の道場は犬猿の仲。鐘發の息子・倪星(コリン・チョウ!)と、陳龍の息子・曾志偉も、愛しいヒロインを取り合う間柄だった。ところが、ある日曾志偉がヒロインの入浴シーンをノゾキ見していたところ、天井が抜けてヒロインと激突!曾志偉は無事だったが、哀れヒロインはそのまま亡くなり、幽霊(入浴中に死んだので素っ裸のまんま!)となってしまった。
曾志偉が逃げるところを目撃していたヒロインの母は、警察の馮淬帆(フォン・ツイフェン)に訴えるが、陳龍から金を掴まされた馮淬帆は逆に鐘發へ銃口を向ける始末。困り果てた倪星たちだが、霊幻道士でもある鐘發が、さまよっているヒロインの幽霊を発見する。なんとかヒロインを生き返らせようと奮闘する倪星たち。しかし、曾志偉の悪友である霊幻道士かぶれの程守一も、幽霊になったヒロインの存在を知っていた…。
先に言及したとおり、本作は(総評すると)あまりいい作品ではない。事情をよく知らないまま曾志偉に加担した狄威(ディック・ウェイ)や馮淬帆はまだ許せるとして、最後の最後まで倪星を殺害しようと企んだ曾志偉はかなりの外道だ。それらの連中に対して何の天罰も無いまま終わってしまっているので、見た後も居心地の悪さを感じられずにはいられない。
だが、本作は動作片として見る分には十分面白いのだ。
ビデオがリリースされた当時、全く無名だった倪星の『レッド・リベンジ/復讐の罠』と並ぶ日本公開作であり、武術指導はなんと羅鋭(アレクサンダー・ルー)が変名で担当。おかげで作中のアクションは、やたらめったら濃い内容になっている。狄威や陳龍はほとんど動かないものの、その分倪星と鍾發が活躍しており、特に陳龍と仲違いしているという『鬼打鬼』を髣髴とさせる設定の鐘發も見逃せない。
アクション以外には、エッチな場面(苦笑)などもあったりして、意外と飽きさせない掘り出し物的な一品。やっぱり映画というものは、ちゃんと見てみないと解らないものだと改めて思い知った次第です。それと、劇中のBGMが『パトレイバー』だったり『逆襲のシャア』だったりしますが、それについてはご愛嬌ということで…(笑

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