功夫電影専科

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『破門組II』

2017-09-29 21:40:31 | 日本映画とVシネマ
「破門組II」
「破門組2」
「破門組2 仁義なき戦争」
製作:2015年

●元山王会系市原会組頭・原田龍二は、自分に付いてきた男たちと共に「破門組」を立ち上げ、横浜を舞台に戦いを繰り広げていた。今回の仕事は、暴力団組長である父の威光を笠に着て、好き放題に暴れていた不良グループへの仕置きだ。
破門組の川本淳市・木村圭作・宮本大誠は、悪ガキどもに手痛い罰を与えると、暴力団組長の父に対し「組を解散して1億円払えや!」と恐喝。見事に仕事を完遂するが、横浜を仕切る山王会所属の組長たちは、この事態に苛立ちを募らせていた。
 山王会の首魁である藤巻潤は、市原会会長・堀田真三を懐柔して暗躍を開始する。一方、原田と中丸シオンの関係は未だに修復されず、彼女は堀田の部下・ヒロシを通じて密かに“買い物”を行っていた。
そして川本と宮本の前に藤巻が直々に現れるなど、破門組を取り巻く空気は不穏さを増していく。そんな中、堀田から新たに「中国人の悪徳不動産屋・三元雅芸を黙らせろ」との指令が下り、木村が敵地に派遣された。
 ところが、三元は不動産屋ではなく凄腕の殺し屋で、ズタボロにされた木村は悲惨な最期を遂げた。ずっと留守番だった松田優も参加し、激闘の末に敵を一掃した破門組だが、ここで逆に自分たちが標的にされていた事を知る。
これら一連の計画は、目障りな破門組を潰そうと企んだ山王会の企みであった。怒り心頭の原田たちは、かつての親分だった堀田のもとに向かうが…。

 この作品は、4月にUPした『破門組』の続編であり、その際に「いずれ紹介したい」と触れたVシネ任侠片です。実を言うと4月中に続けて記事を書きたかったのですが、思いっきり時機を逸してしまい、数ヶ月もブランクが空いてしまいました(爆
さて、前作は原田たちが破門組として決起するまでの物語でしたが、本作は彼らが辿る結末を描いています。序盤はコミカルな描写が目立ち、ダメ会長の堀田がしきりに笑いを誘うので、そこまで深刻そうには見えません。
 しかし後半から雲行きが怪しくなり始め、終盤は死屍累々のハードな展開に。ラストはいい感じにキマっていますが、一方でまさかの復活を遂げた大沢樹生が完全に放置されており(顔見せだけで出番終了)、これにはガッカリさせられました。
このほか、さんざん醜態を晒した堀田の末路や、なぜか松田の出番が妙に少ない等、いくつか思う所のある本作。ただしアクション面については、今回も辻井啓司の指導によって迫真の格闘戦が展開されています。

 不良グループを一蹴してみせる川本、懸命に三元に立ち向かう木村も見逃せませんが、やはり注目は最後の原田&松田VS三元! 邦画では意外と2VS1のラストバトルは珍しく、猛者2人に一歩も退かず立ち向かう三元の動きは、相変わらずキレキレです。
思えば、原田&松田と言えば『修羅のみち』出演組(あと監督の金澤克次も!)だし、松田と三元も『バトルロード2』で組んだ間柄。クオリティもさることながら、なかなか通好みなマッチメイクだったと思います。
 ところがこのバトル、オチが格闘アクションで一番やってはいけないパターン(劇中でも「これから良いとこじゃないか!」と怒られる始末)で超残念な事に…。個人的にはもう1つ、最後に原田VS川本で締めて欲しかったなぁ。
…と、なんだかマイナスポイントばかり書き連ねてしまいましたが、アクションもドラマも一定水準は守られているし、繰り返しますがラストバトルは手に汗握る名勝負。前作ともども、決して見て損はないシリーズと言えるでしょう。

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