功夫電影専科

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『破門組』

2017-04-06 18:38:23 | 日本映画とVシネマ
「破門組」
「破門組 仁義なき戦争」
製作:2015年

●横浜で市原会を率いていた堀田真三は、敵対する山王会系田所組の組長を討つべく、組古参の幹部を差し向けた。だが、銃弾は居合わせた山王会の直参組織・藤堂組の組長に命中し、襲撃は失敗に終わってしまう。
古参幹部は自分の命でケジメを付け、組頭である原田龍二も組を守るために責任を取って、自ら破門される道を選んだ。その際、部下の川本淳市・松田優・木村圭作・宮本大誠が彼に付き従い、ここに“破門組”が結成される事となる。
 しかし藤堂組は一連の事態を利用し、堀田から横浜のシマをすべて奪い取った。九州の侠客・仁支川峰子からのタレコミで真相を知った堀田は、原田に事態の収拾を命じる。かくして、破門組による一大復讐劇が幕を開けるのだった。
田所組組長を拷問して真相を聞き出し、藤堂組の野望を見抜いた原田たちは、藤堂組若頭・大沢樹生と接触する。彼は今回の一件とは無関係だったが、筋の通らない話に思う所があったらしく、それとなく藤堂組組長の予定を流してくれた。
そんな中、原田は古参幹部の娘・中丸シオンと再会するが、彼女は父親の仇が彼であると思い込んでいた。腹部を刺され、それでも一切弁解せずに去っていく原田。そして遂に藤堂組との決戦が始まるも、そこに大沢が立ちはだかる…!

 なんとも魅力的なキャストに惹かれて視聴してみましたが、これがまた痛快な任侠アクションに仕上がっていました。内容は少数精鋭が仇敵を討つというもので、何となく『極道おとこ塾』(そういえばこっちにも松田が出演!)を思い出させます。
ただしルーチンワークの域を出ていなかった『おとこ塾』に対し、本作は敵の思惑やヒロインとの確執を交えることでドラマ面を補強。個性的なキャストを揃え、それなりに趣向を凝らしている点が伺えました。
 その一方で、原田と4人の仲間たちの関係があまり描写されておらず、「破門されてまで一蓮托生するほどの仲なのだろうか?」と思わざるを得ません。
側近だった川本、ひと悶着あった松田はまだ解るものの、木村と宮本については初登場が破門組の結成時なので、どういうった背景があるのか全く掴めないのです。最後まで組に殉じる大沢など、他のキャストの描写については良い感じなんですが…。

 そんなわけでストーリー展開にちょっとした難のある本作ですが、アクションは『武勇伝』『クローズZERO』の辻井啓司が指導しているため、ラストバトルは迫力のファイトが拝めます。
特に松田のタイマン勝負、原田VS大沢のナイフ合戦は最大の見どころで、どちらも軽快かつ伸びやかな立ち回りを披露。残念ながら格闘戦はラストだけで、川本の殺陣が一切無いという問題を抱えていますが、この2大バトルはなかなか見応えがありました。
なお、続編には『バトルロード2』の三元雅芸(!)も出ているらしく、破門組がどのような激闘を繰り広げるのか非常に気になります。こちらについては近い内に視聴できそうなので、いずれ紹介してみたいですね。

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