功夫電影専科

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『アメリカン・キックボクサー』

2013-12-12 23:00:27 | マーシャルアーツ映画:下
「アメリカン・キックボクサー」
原題:AMERICAN KICKBOXER/AMERICAN KICKBOXER 1
製作:1990年

●キックボクシングのミドル級王者であるジョン・バレットは、祝賀パーティで傲慢なキックボクサーのバード・モリスと口論になった際、止めに入った客を突き飛ばして死なせてしまう。
事故であることを主張するジョンだが、裁判所はバードの主張を認めて有罪判決を下した。それから10ヵ月後、釈放されたジョンはジムのオーナーの口利きで審判として復帰するが、彼に代わって王座に君臨したバードはなおも挑発を繰り返していく。
 その後、ジョンは友人でキックボクサーのキース・ヴィダリのトレーニングを受け持つが、色々あって喧嘩別れに。キースは彼が不在のままバードに挑むも、あえなく返り討ちにあってしまった。
更にはパーティの席でバードとケンカになり、手も足も出なかったジョンは突如として出奔。一方、彼とバードのメイクマッチを画策する新聞記者のテッド・ルプラットは、あの手この手を使ってお膳立てを行い、2人をリングへと引きずり出した。
キースや恋人のテリー・ノートンの励ましを受け、心身ともに立ち直ったジョン。…今、彼はすべての遺恨を精算するべく、憎き仇敵との決戦に挑む!

 本作は先日『スパルタンX』を見ていて、ふと「そういえばキースの出演作でまだ見てない作品があったなぁ」と思い、中古ビデオの山から掘り出して視聴した作品です。
実を言うと購入したのは随分と前なんですが、パッケージや粗筋を見て面白く無さそうだと判断し、そのまま放置していました。そこで今回、ようやく目を通してみましたが…やっぱり面白くありませんでした(爆
 ストーリーは『ロッキー3』を意識したものですが、テンションは元の作品より大幅に下がっています。原因は湿っぽい主人公、フラストレーションの溜まる悪役サイドの2つにあると言えるでしょう。
主人公のジョンは己の感情が抑え切れず、嫉妬深いという面倒臭い性格の人物。テリーとキースが親密なのが気に食わず、トレーニングで当り散らす様はかなり小物っぽく見えます。
対するバードは生意気かつダーティなキャラであり、どこぞの3兄弟を髣髴とさせるヒールっぷりを発揮します。その言動は見ていて非常にイラつきますが、おかげでラストバトルを盛り上げるのに一役買っていました。

 しかし、もう1人の悪役であるテッドはただひたすら鬱陶しく、見ていて嫌悪感しか感じません。野次を飛ばし、敵味方構わずに相手をコケにし、記者という立場を利用してジョンを煽るなど、バード以上に悪質な存在として猛威を振るいます。
テッドの暴走は終盤まで続き、最後の最後に報いを受けるのですが、なんとパンチ1発食らっただけで終了。私はてっきりバードに殴り殺されるのだろうと予想していたので、この結末には納得できなかったです。
 格闘シーンのクオリティも無難な出来で、飛びぬけて凄いと言えるシーンはこれといって無し。登場人物のファイトスタイルはバードを除いて差別化されておらず、延々と平凡な試合が続きます。
注目のキースは序盤からジョンと、中盤でバードと戦いますが、どの勝負も決め手に欠けていて薄味に仕上がっています。ファイト・コーディネーターはジョンとキース自身が担当しているのに、このような結果となってしまうとは…。
ストーリー、アクションともにひたすら単調な便乗作。続編の『リアル・キックボクサー』で方向転換したのも頷ける出来でした。もっとも、その『リアル~』も煮え切らない出来だったりするんですけどね(苦笑

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