功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『武道大連合・復讐のドラゴン』

2007-10-26 22:20:26 | 倉田保昭
「武道大連合・復讐のドラゴン」
方世玉
The Prodigal Boxer
Kung Fu The Punch of Death
1972

●最近はいかがわしげな作品のレビューばかり(笑)だったので、今回は正統派な作品です。この孟飛(メン・フェイ)主演による方世玉モノである本作は、倉田さんが『小拳王』に次いで2度目の孟飛との共演作でもある。
製作した南海影業公司とはショウ・ブラザーズの下請け会社であり、張徹(チャン・チェ)もその出資者の1人であったため、本作がどこかショウブラっぽいのはそのためである。実際、この頃ショウブラにいた王清や馮克安・劉家榮といった脇役なども登場している。
孟飛と組んだ前作『小拳王』は『悪客』とのかけ持ちで撮影しており、スタッフが移行して昼は『悪客』夜は『小拳王』といった具合に撮影したという。その『小拳王』はフィリピンなど東南アジア諸国でヒットし、本作では更に好成績を記録したとか…こちらもいずれは見たいと思います。
そして、本作は父を殺された孟飛が、足技の倉田さんと手技の王清に仇討ちするため何度も挑んでは負けつつ、最後に擂台で見事に仇を討つ…という、非常にオードソックスで一切の味付けのない、ストレートな復讐劇だ。私としては孟飛作品はこれが初見となるが、デビュー間もなかったせいか、この作品で孟飛が披露するアクションはどことなくもっさりとしている。孟飛についてはこれから期待か。
その代わり、凄みがあったのがやはり倉田さんだ!この手技&足技ファイターとの対決というシチュエーションは、その後ジャッキー『Who am I?』にて再演されるのだが、ここで倉田さんは足技のみに固執せず、"足技使い"というよりも足技を重点的に使う"拳法家"として悪役・倉田保昭の魅力を発揮している。
それ以外に何があるかといえばあまり言及できない薄い作品ではあるものの、極初期の倉田さんが見られる作品として貴重かも?