功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『歩歩追殺』

2007-10-15 23:15:35 | 女ドラゴン映画
歩歩追殺
Chase Step by Step
1974(1982?)

●主演の徐楓(シー・フォン)と王冠雄、そして脇役出演している馬場以外に知ってる顔が全然登場しない困った作品だ。徐楓と王冠雄は共に台湾功夫・武侠片で活躍するスターで、徐楓は『侠女』『用心棒ドラゴン』などの活躍で日本でも知られているが、王冠雄についてはあまり知られてはいない(実際、私も彼についてはあまり馴染みがありません)。
サーカス一座のスターである徐楓と王冠雄は、ある日役人から一枚の手紙を預かった。それによると困窮に喘ぐ町を支援するための援助金(金塊)を輸送してくれないかというもので、2人は目的地に向けて旅立つ。だが、それを奪おうと悪党が暗躍する…。
本作で新鮮だったのは徐楓だ。物語前半、客銭へと泊まった2人に妖しげな女主人が近付く(もちろん敵)のだが、それを見ていた徐楓が嫉妬に駆られてプンスカするのである。いつも無表情でムッツリとしたキャラクターを演じていた徐楓にしてみれば本作での彼女は随分と人間味の溢れるキャラを演じていて好感が持てる。
王冠雄はこの後も暴漢に襲われていた女の子(やっぱりこちらも敵)を助けたりしているので一見色男なキャラと思われがちだが、彼の行動は相手が敵だと気付いた上でのもののようである。しかし、その脇でプンプンしている徐楓が可哀想な気がするが、もっと可哀想なのは徐楓に怒りの矛先を向けられてボコボコにされてしまう敵の方かもしれない(爆
それからも送り込まれる刺客を撃破していった2人は荷物を無事に渡し終え、いったんサーカスの師匠の元に帰ってきた。だがこれもまた敵の策略の1つであり、荷物の受取人こそ本物だったが、悪党どもが騙して連れてきたようである。気になった徐楓がそこへ駆けつけて大乱闘となり、危機を察知した王冠雄も悪党どもの中へと飛び込むのだった。
功夫アクションの方は当時のものとしてはそれなりに頑張っており、加えて主演の二人がサーカス一座ということで、ロープや高い竹馬に綱渡りといった曲芸の技(さすがにワイヤーで吊っていたりするが)も交えてアクセントを付けている。各所で思いっきり『燃えよドラゴン』のBGMが使われまくってるのは制作年代を考えるとご愛嬌ですが、ラストでボスが部下より先に死ぬのはどうなんでしょうかねぇ(苦笑