「ニンジャファイター 機密ファイル奪回作戦」
THE THUNDERING NINJA
1986(1985?・1987?)
▼その昔、フィルマークという会社があった。フィルマークはIFDという会社の子飼いで、そのIFDは巨龍などの韓国功夫映画を適当にゴッドフリー・ホー名義で売り出していた粗悪な会社であった。フィルマークを語る上で外せないのはやはり大量のニコイチ作品だろう。当ブログでも『Ninja Empire』などを紹介しており、本作もまたジミー先生の主演作へ強引に忍者を挟み込んだ代物である。
最初に断言しておきますが、本作は下記のストーリーそのままで進んでいきます(そのため、今回のレビューはムダに長いです)。しかもこれはフィルマーク作品ではまだマシな方。そのニコイチっぷりがどれほどのものか、解くとご賞味下さい…。
■冒頭、白昼堂々どこかの狭い公園でタイトルにもある機密ファイルの取引をしている男達がいた。だが、その場に突然ニンジャが現れ、一方の白人らを全員切り伏せ取引相手の中国人はファイルを持って何とか逃げおおせた。
ここは世界征服を狙うニンジャ組織の本部(というわりには"忍"の文字が書かれた掛け軸が飾っているだけで非常に地味)。実は機密ファイルを持って逃げた中国人は組織の手の者だった。が、ファイルはニセモノであり、ボスは配下の龍飛(ロン・フェイ)ら麾下組織に奪回作戦を命じた。
その一方で、龍飛組織は職を探しているジミー先生を仲間に引き入れていた。
ジミー先生は父と仲違いして家出してきた身であり、姉の家に居候していたのだ。早速ジミー先生は龍飛から、組織に金を支払わない大尽に警告してくるように命じ、ニンジャ組織の手の者が見張る中、ジミー先生は大尽の取り巻きのチンピラをのし上げ見事取り立てに成功する。
ところが、ジミー先生を見張っていたニンジャがようやく登場した主人公のスチュアート・スティーンに目撃される。アジト(どっかの庭園みたいなとこ)になんとか逃げ帰ったニンジャだが、やっぱり責任を持って殺される。
ある夜、一人の男が家へと帰宅すると、見知らぬ男達が居間に居座っていた。
彼らはある盗難事件の捜査を打ち切れと警告しに来た組織の者だった。男が断ると彼らはおとなしく立ち去るが、息子が自分たちの組織に入ったと告げた…そう、この組織はニンジャ組織で、男は今現在ジミー先生と断絶中の父親だった。
姉の家に本格的に住むことになったジミー先生は、その夜姉のボーイフレンドのフィリップとともにレストランへ出かけ、親睦を深める。
スチュアートはニンジャを目撃したことを気にしていた。当のニンジャ組織はジミー先生伝いにCIAが関与してこないかと危惧し、凄腕捜査官がすでに介入してきていることを仄めす。
ジミー先生は夜遅くに組織の仕事にまた荷担していた。だが今回のターゲットがか弱い女性だったことを知って思わず助けに入り、仲間をぶちのめした。
「名乗るほどの者ではない」と格好良く立ち去るジミー先生がなかなか素敵だ。
しかしニンジャ組織はこの反目を重く見て、龍飛組織にジミー先生監視の命を出す。
そのころ、スチュアートが突如公園でニンジャに襲われた!ところが突然スチュアートが赤い服のニンジャに変身し、実は彼こそがCIAの捜査官だったことが解った。それを知って顔色を変えるニンジャ組織のボスだが、それもそのハズ、スチュアートとボスはかつての同僚でもあったのだ。
ジミー先生の父親はローズという龍飛の愛人と接触していた。彼が捜査に執着するのには理由があり、かつて妻がニンジャに(どういう理由かは知らないが)殺されたという痛烈な過去があった。
さて、今日も仕事のために駐車場でジミー先生は取引をしようとしていたが、そこに龍飛が彼に一泡吹かせようと向かわせたチンピラどもが現れる。通りがかりのスチュアートと見張りのニンジャが見守る中、ジミー先生は多勢に無勢でボコボコにされ、取引は失敗してしまった。
そのころ、じつはCIAの仲間だったフィリップに連絡を取ったスチュアートは、ジミー先生を泳がせてフィリップには龍飛らの監視を頼む。フィリップは白装束のニンジャとなって龍飛らがいる大浴場で彼らの話を耳にする。
「二度と失敗は許さない」と龍飛に釘を刺されたジミー先生は、さらにニンジャ組織のボス追跡を諦めるように親父に伝えろと言われる。半ばしょんぼりした様子のジミー先生。父はフィリップとニンジャ組織について話し、なにかあったらスチュアートに連絡をと言い、立ち去る。
様々な思いを巡らせながら、父はジミー先生の元へとやって来た。組織の面々が見守る中、ジミー先生は捜査の危険性を示唆するが、断固として父は捜査を続けるつもりでいた。
次の日、取引失敗の方を内通者のローズから聞いたスチュアートは早速敵陣(の公園)に乗り込んで大立ち回りを繰り広げ、ザコニンジャを倒すもボスのみを取り逃がしてしまう。
ジミー先生は龍飛の命令でフィリップを消せと命ぜられる。
結局は抗えずフィリップと姉の襲撃の手引きをしてしまい、あまつさえスチュアートがまたまた見守る中、ジミー先生はフィリップに重傷を負わせてしまう(殺したと思っていたが実はあとで生きていたことが発覚)。姉の親友でもあったローズはジミー先生に警告する一方で、彼に龍飛の非道さを訴えた。しかし何よりも心配なのは、無茶をしてまでニンジャ組織摘発のために捜査を続けるジミー先生の父親だとも付け加えて。
夜のハイウェイで黄昏れるジミー先生だが、そこに以前助けた女の子が現れる(何だかジミー先生に惚れてたような仕草を見せるが、物語展開には反映されなかったようだ)。父の邸宅に入り込んだジミー先生は父の日記を読んだことで、知らなかった父の孤独さを悟った。
足踊り重く謝罪のためにジミー先生は姉の家を訪れたが、当然接触を嫌がられ、フィリップが無事だと聞きだすのみだった。
スチュアートは回復したフィリップと共に公園で待ち合わせる。ニンジャ姿で現れたフィリップは、ファイルを奪い返すための秘策を話し合った。
龍飛組織は父と関係を持ち始めたジミー先生を次第に敵視し始めた。
そして会合の場に現れ、「今度の仕事が最後」ともちかけるジミー先生に龍飛はOKサインを出すが、ローズをも裏切り者だと勘づいた龍飛は刺客を向かわせていた。命からがら逃げ出してきたローズはフィリップを頼ってジミー先生の姉の家へと行き、姉にジミー先生が危ないと伝える。
が、直後ジミー先生の父と連絡をとろうとした彼女は無惨にも敵の手にかかり大怪我を負う。フィリップは姉に、父の所へ向かうよう指示する。
ローズは瀕死の重傷を負いつつも、何とかジミー先生の父の元へ辿り着き、ジミー先生の危機を伝え息を引き取った。姉とフィリップは父の元にやって来て、ジミー先生を助けるべくスチュアートへと連絡を取る。
フィリップと合流したスチュアートは諸々の情報から取引現場を押さえ、見事ニンジャ軍団を討伐するが、またもタッチの差でボスのみを逃がしてしまう。
その夜、仕事のために倉庫へと向かうジミー先生に、フィリップは倉庫には龍飛組織が待ちかまえていることを伝えるが、ジミー先生は「自分のやった事にケジメをつける」と言い残し、フィリップに警察に通報することを頼んで去っていった。
倉庫には案の定龍飛組織の手勢が待ち受けていたが、激闘の末に龍飛を殺して警察行きとなった。
服役後、檻を挟んで対面する父と子。既に二人の関係は修復され、あとは法の捌きに委ねるのみとなった。
父と別れたジミー先生の元に今度はスチュアートが現れ、塀の中のジミー先生に代わってニンジャ組織を壊滅することを彼に誓った。その頃、ニンジャ組織は決戦に備えてどこぞの野原に爆弾を仕掛け待ち伏せする。そこに何故か何の手がかりもナシにやってくるスチュアート。
そして対峙するは全ての不幸の元凶であるニンジャ組織ボス。
因縁のニンジャ同士の決戦が、今始まろうとしていた…。
▲見ておわかりのように、話が全然つながってはおりません(行間入れてわかりやすくしてみました)。ストーリーはジミー先生ルートによる父と子の物語と、スチュアートルートのニンジャ組織捜査が同時進行し、所々でつながりを入れようとも所詮"水と油"。話にもなっていませんでした。
一応、双方の橋渡し役としてフィリップが出てくるが、スチュアートと同じ画面に移る時は白ニンジャ姿で、どう見ても別人が演じていて繋ぎ目がバレバレ。これを堂々と自社の映画と言い切るフィルマークとは一体…。新撮部分のニンジャアクションに関しては以外に悪くはないが、制作年度を考えるともうひとつ迫力不足を感じるところである。
とりあえず、余程のジミー先生ファンでない限りは見る必要のないゴミ作品。基となったジミー先生の作品もあまり面白くなさそうなのが残念だ。…ところで、もしかしてフィルマーク本社が全焼したあの事件って(以下自粛)
THE THUNDERING NINJA
1986(1985?・1987?)
▼その昔、フィルマークという会社があった。フィルマークはIFDという会社の子飼いで、そのIFDは巨龍などの韓国功夫映画を適当にゴッドフリー・ホー名義で売り出していた粗悪な会社であった。フィルマークを語る上で外せないのはやはり大量のニコイチ作品だろう。当ブログでも『Ninja Empire』などを紹介しており、本作もまたジミー先生の主演作へ強引に忍者を挟み込んだ代物である。
最初に断言しておきますが、本作は下記のストーリーそのままで進んでいきます(そのため、今回のレビューはムダに長いです)。しかもこれはフィルマーク作品ではまだマシな方。そのニコイチっぷりがどれほどのものか、解くとご賞味下さい…。
■冒頭、白昼堂々どこかの狭い公園でタイトルにもある機密ファイルの取引をしている男達がいた。だが、その場に突然ニンジャが現れ、一方の白人らを全員切り伏せ取引相手の中国人はファイルを持って何とか逃げおおせた。
ここは世界征服を狙うニンジャ組織の本部(というわりには"忍"の文字が書かれた掛け軸が飾っているだけで非常に地味)。実は機密ファイルを持って逃げた中国人は組織の手の者だった。が、ファイルはニセモノであり、ボスは配下の龍飛(ロン・フェイ)ら麾下組織に奪回作戦を命じた。
その一方で、龍飛組織は職を探しているジミー先生を仲間に引き入れていた。
ジミー先生は父と仲違いして家出してきた身であり、姉の家に居候していたのだ。早速ジミー先生は龍飛から、組織に金を支払わない大尽に警告してくるように命じ、ニンジャ組織の手の者が見張る中、ジミー先生は大尽の取り巻きのチンピラをのし上げ見事取り立てに成功する。
ところが、ジミー先生を見張っていたニンジャがようやく登場した主人公のスチュアート・スティーンに目撃される。アジト(どっかの庭園みたいなとこ)になんとか逃げ帰ったニンジャだが、やっぱり責任を持って殺される。
ある夜、一人の男が家へと帰宅すると、見知らぬ男達が居間に居座っていた。
彼らはある盗難事件の捜査を打ち切れと警告しに来た組織の者だった。男が断ると彼らはおとなしく立ち去るが、息子が自分たちの組織に入ったと告げた…そう、この組織はニンジャ組織で、男は今現在ジミー先生と断絶中の父親だった。
姉の家に本格的に住むことになったジミー先生は、その夜姉のボーイフレンドのフィリップとともにレストランへ出かけ、親睦を深める。
スチュアートはニンジャを目撃したことを気にしていた。当のニンジャ組織はジミー先生伝いにCIAが関与してこないかと危惧し、凄腕捜査官がすでに介入してきていることを仄めす。
ジミー先生は夜遅くに組織の仕事にまた荷担していた。だが今回のターゲットがか弱い女性だったことを知って思わず助けに入り、仲間をぶちのめした。
「名乗るほどの者ではない」と格好良く立ち去るジミー先生がなかなか素敵だ。
しかしニンジャ組織はこの反目を重く見て、龍飛組織にジミー先生監視の命を出す。
そのころ、スチュアートが突如公園でニンジャに襲われた!ところが突然スチュアートが赤い服のニンジャに変身し、実は彼こそがCIAの捜査官だったことが解った。それを知って顔色を変えるニンジャ組織のボスだが、それもそのハズ、スチュアートとボスはかつての同僚でもあったのだ。
ジミー先生の父親はローズという龍飛の愛人と接触していた。彼が捜査に執着するのには理由があり、かつて妻がニンジャに(どういう理由かは知らないが)殺されたという痛烈な過去があった。
さて、今日も仕事のために駐車場でジミー先生は取引をしようとしていたが、そこに龍飛が彼に一泡吹かせようと向かわせたチンピラどもが現れる。通りがかりのスチュアートと見張りのニンジャが見守る中、ジミー先生は多勢に無勢でボコボコにされ、取引は失敗してしまった。
そのころ、じつはCIAの仲間だったフィリップに連絡を取ったスチュアートは、ジミー先生を泳がせてフィリップには龍飛らの監視を頼む。フィリップは白装束のニンジャとなって龍飛らがいる大浴場で彼らの話を耳にする。
「二度と失敗は許さない」と龍飛に釘を刺されたジミー先生は、さらにニンジャ組織のボス追跡を諦めるように親父に伝えろと言われる。半ばしょんぼりした様子のジミー先生。父はフィリップとニンジャ組織について話し、なにかあったらスチュアートに連絡をと言い、立ち去る。
様々な思いを巡らせながら、父はジミー先生の元へとやって来た。組織の面々が見守る中、ジミー先生は捜査の危険性を示唆するが、断固として父は捜査を続けるつもりでいた。
次の日、取引失敗の方を内通者のローズから聞いたスチュアートは早速敵陣(の公園)に乗り込んで大立ち回りを繰り広げ、ザコニンジャを倒すもボスのみを取り逃がしてしまう。
ジミー先生は龍飛の命令でフィリップを消せと命ぜられる。
結局は抗えずフィリップと姉の襲撃の手引きをしてしまい、あまつさえスチュアートがまたまた見守る中、ジミー先生はフィリップに重傷を負わせてしまう(殺したと思っていたが実はあとで生きていたことが発覚)。姉の親友でもあったローズはジミー先生に警告する一方で、彼に龍飛の非道さを訴えた。しかし何よりも心配なのは、無茶をしてまでニンジャ組織摘発のために捜査を続けるジミー先生の父親だとも付け加えて。
夜のハイウェイで黄昏れるジミー先生だが、そこに以前助けた女の子が現れる(何だかジミー先生に惚れてたような仕草を見せるが、物語展開には反映されなかったようだ)。父の邸宅に入り込んだジミー先生は父の日記を読んだことで、知らなかった父の孤独さを悟った。
足踊り重く謝罪のためにジミー先生は姉の家を訪れたが、当然接触を嫌がられ、フィリップが無事だと聞きだすのみだった。
スチュアートは回復したフィリップと共に公園で待ち合わせる。ニンジャ姿で現れたフィリップは、ファイルを奪い返すための秘策を話し合った。
龍飛組織は父と関係を持ち始めたジミー先生を次第に敵視し始めた。
そして会合の場に現れ、「今度の仕事が最後」ともちかけるジミー先生に龍飛はOKサインを出すが、ローズをも裏切り者だと勘づいた龍飛は刺客を向かわせていた。命からがら逃げ出してきたローズはフィリップを頼ってジミー先生の姉の家へと行き、姉にジミー先生が危ないと伝える。
が、直後ジミー先生の父と連絡をとろうとした彼女は無惨にも敵の手にかかり大怪我を負う。フィリップは姉に、父の所へ向かうよう指示する。
ローズは瀕死の重傷を負いつつも、何とかジミー先生の父の元へ辿り着き、ジミー先生の危機を伝え息を引き取った。姉とフィリップは父の元にやって来て、ジミー先生を助けるべくスチュアートへと連絡を取る。
フィリップと合流したスチュアートは諸々の情報から取引現場を押さえ、見事ニンジャ軍団を討伐するが、またもタッチの差でボスのみを逃がしてしまう。
その夜、仕事のために倉庫へと向かうジミー先生に、フィリップは倉庫には龍飛組織が待ちかまえていることを伝えるが、ジミー先生は「自分のやった事にケジメをつける」と言い残し、フィリップに警察に通報することを頼んで去っていった。
倉庫には案の定龍飛組織の手勢が待ち受けていたが、激闘の末に龍飛を殺して警察行きとなった。
服役後、檻を挟んで対面する父と子。既に二人の関係は修復され、あとは法の捌きに委ねるのみとなった。
父と別れたジミー先生の元に今度はスチュアートが現れ、塀の中のジミー先生に代わってニンジャ組織を壊滅することを彼に誓った。その頃、ニンジャ組織は決戦に備えてどこぞの野原に爆弾を仕掛け待ち伏せする。そこに何故か何の手がかりもナシにやってくるスチュアート。
そして対峙するは全ての不幸の元凶であるニンジャ組織ボス。
因縁のニンジャ同士の決戦が、今始まろうとしていた…。
▲見ておわかりのように、話が全然つながってはおりません(行間入れてわかりやすくしてみました)。ストーリーはジミー先生ルートによる父と子の物語と、スチュアートルートのニンジャ組織捜査が同時進行し、所々でつながりを入れようとも所詮"水と油"。話にもなっていませんでした。
一応、双方の橋渡し役としてフィリップが出てくるが、スチュアートと同じ画面に移る時は白ニンジャ姿で、どう見ても別人が演じていて繋ぎ目がバレバレ。これを堂々と自社の映画と言い切るフィルマークとは一体…。新撮部分のニンジャアクションに関しては以外に悪くはないが、制作年度を考えるともうひとつ迫力不足を感じるところである。
とりあえず、余程のジミー先生ファンでない限りは見る必要のないゴミ作品。基となったジミー先生の作品もあまり面白くなさそうなのが残念だ。…ところで、もしかしてフィルマーク本社が全焼したあの事件って(以下自粛)