功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『ドラゴン特攻隊』

2007-10-21 22:24:11 | 成龍(ジャッキー・チェン)
「ドラゴン特攻隊」
迷尓特攻隊
Fantasy Mission Force
1982

●ジャッキーが『プロジェクトA』で大忙しだった頃、台湾のジミー先生に林青霞(ブリジット・リン)らと共に拉致…もとい、呼ばれて作られた戦争アクションである。この作品の発端は、羅維プロで作っていた『醒拳』をジャッキーが放りだしてGHの『ヤング・マスター』に行ってしまった事から起きたトラブルが元で、このとき羅維とGHの仲介をしたのがジミー先生だとか。ジャッキーはその後も『炎の大捜査線』でジミー先生に脅され…もとい、特別出演している。
この色々ときな臭い製作背景ゆえか、本作はジャンルも定まっていないような滅茶苦茶な内容になっている。戦争モノをベースにキョンシーが登場!アマゾネス部族が登場!鄭少秋(アダム・チェン)も登場!ジャッキー作品中1、2の怪作である『神拳』も真っ青な闇鍋っぷりだ。
武術指導は趙中興率いる趙家班。名前だけではパッとしないが、実はあの袁家班の流れを組むグループなのである。彼等は台湾を本拠として活動しており、趙中興は監督としても活躍。『ミラクル・ファイター奇門遁甲』『少女戦士88』で袁家班と共に組み、『バカ拳』などの功夫片、『幽幻道士』『新・桃太郎』シリーズといったキョンシー系列の作品で頑張っていました。スタイルとしてはワイヤーを多用したアクションが主で、本作でもそれなりの仕事っぷりを見せています。
さて、本来の主役はジャッキーではなく林青霞ら特攻隊の面々であるのは有名な話だ。拉致された4人の将軍救出のために、ジミー先生に選抜された彼らがストーリーの主軸なので、当時ジャッキー目当てに見にきたガキンチョのブーイングを喰らった事は想像に難しくない。その筋書き自体も正直面白いものではなかった…が、最後に特攻隊の面々が倒れていくとこはちょっとだけウルっときました。
それでもって凄いのはクライマックスだ。かたや袴姿に日本刀を振り回しながら車を乗りまわすサムライ、こなた白い仮面にハーケンクロイツのペイントをほどこした車で疾走する、謎の軍団が現れたのだ(爆笑)!
いつしか激戦の末に生き残ったのはジャッキーだけで、実は黒幕だったジミー先生とのラストバトルへとなだれこんだ。最後にジミー先生を爆殺(!)したジャッキーはグルだった将軍を見捨て、「将軍がなんだ…戦争反対だ!」と吐き捨てて死地を後にする。私も吐き捨てておきたい…「もう勝手にやってくれ!」、と(爆