指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『きれいな肌』

2007年04月23日 | 演劇
「きれいな肌、cleanskins」とは焼印をおされていない家畜のことで、イギリスでは2005年のロンドンでのテロ事件以後、前科のないイスラム系のテロリストのことだそうだ。
イギリス在住のパキスタン系イギリス人シャン・カーンの、日本の新国立劇場の委嘱による新作である。
イギリス北部の田舎町の公営住宅に家出した娘・中島朋子が戻ってくる。
弟・北村有起哉は反イスラム系のデモから帰ったところだったが、中島はイスラム教徒になっていた。
彼らは、イスラムとキリスト教、麻薬使用の過去、さらに彼らの父、夫につき激しく言い争う。
そして、ラストは意外な家族関係が明らかにされる。
最近、このように真面目な劇を見て感動したことは稀有なことだ。
それが、日本ではなく、イギリスの作家であるということが悲しい。
演出栗山民也。


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