指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

佐野周二と佐田啓二

2022年05月09日 | 映画

先日見た、『鯨と戦う男』では、佐野周二は、鯨猟の男で、やや悪役的な男だった。

彼は、川島雄三の映画『花影』でも、青山二郎をモデルとしていた骨董評論家を演じていて、寸借詐欺師で、かつての二枚目が、こんな役を演じたなと思うほどだった。

同様に、佐田啓二も、豊田四郎の『甘い汗』では、京マチ子の元恋人だが、今はヤクザになっていて、京を使って山茶花究の靴屋の店を騙し取る悪役を演じている。

ここでは、いつもは悪役の山茶花が善人で、普段は善人の佐田が悪役という皮肉な配役になっている。

また、佐田は、東宝系の『悪の紋章』でも悪役を演じている。

                 

このように、二枚目は、晩年になると、いつまでも善人役を演じるのに飽きて、悪役をしたくなるものなのだろうか。

興味深いことだと思う。

 


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