テレビの時代劇を見ているが、『剣客商売」の最初のシリーズは非常に良いと思う。
山形勲と加藤剛の親子、山田吾一の岡っ引き、その妹の関根恵子と良い役者が出ている。
この回は、夜に山形の家に行くと珍客で、6年前に共に大坂で修行した仲間の新克利。
3人は旧交を温めるが、夜中加藤が帰ると、浪人の一団に襲われる。
加藤は、これは自分ではなく新を狙ったものだと思う。
加藤と同様に町道場主に神田隆がいて、新の職の世話を依頼する。すると、道場破りの一団がきていて、中に抜群に強い浪人に滝田祐介がいる。
互いの技を見抜いた加藤と滝田は、一献傾けると、滝田は、新に遺恨を持っていて、討ち果たすために江戸にいることを聞く。
神田の道場で、新克利が技を見せるが、誰もがその凄さに舌を巻くが、その一人に庄内藩の武士の武内亮がいた。
この滝田は、すごい腕で、道場破りの浪人の一団の首領だが、労咳になっていて、もう数ヶ月の命。
凄腕の剣客と言えば、平手造酒で、ここでも滝田の名は、平山となっているのは、平手を意識しているのだろうと思う。
脚本は、井出雅人、監督は高瀬昌広の超ベテランのコンビで、非常にテンポが良い。
加藤が、滝田の体を心配するが、滝田は、どうせ長くない命なので、新克利と真剣で決闘したいと言い、加藤に果たし状を託す。
すると、なんと新は、武内に見込まれて、娘の養子縁組となる。
その婚礼の夜、加藤は一人宴席を出て、決闘の場所に行く。
そして、もちろん勝ち、滝田は死ぬ。それを見て、加藤は宴席に戻る。
そこでは、二人の婚礼の祝いが続いていたが、誰も知らずに加藤は席に着く。
果たし会いをしてきて、冷静に酒が飲めるものだろうかと思った。
西部劇の『荒野の決闘』のドグ・ホリディーは、
「人殺しをした後の興奮を冷ますために酒を飲んできたので、依存症になったのだ」と言っているが、この方が正しいように思う。
滝田祐介は、俳優座で最初にスターになった俳優だった。もちろん、テレビの『事件記者』である。
この後、仲代達矢、平幹二朗、そして加藤剛と俳優座は、多数のスター俳優を出した。
前から、私は「俳優座・オリックス説」で、このふたつは1970年代までは、日本をリードしていたが、近年はだめになった典型だと言ってきた。
今年は、オリックスも優勝したので、俳優座も良くなることを期待したい。