指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『第三の男』のリメイクは

2024年03月09日 | 映画

『カサブランカ』のリメイクが日活の『夜霧よ今夜も有難う』なのは有名だが、『第三の男』もリイメイクされている。

                 

赤木圭一郎主演の『霧笛が俺を呼んでいる』で、共演は芦川いづみで、赤木が横浜に探しに来る旧友で、実は悪になっている男は、葉山良二なのだ。

また、赤木の妹として吉永小百合が出ていることも貴重である。舞台は、いうまでもなく横浜と横浜港であり、芦川は、港のキャバレーの歌手で、歌を唄うのだが、ここではなぜか吹替えになっている。

主題歌はもちろん赤木が歌うがこれが実に下手で参る。

監督は山崎徳次郎で、この人は言わば職人的な監督だが、かなり良い作品を作っているが、最後は笹川財団の金で捕鯨の映画を撮って失敗したようだ。

意外なのは、脚本が熊井敬であり、私はこの人は、新藤兼人と同様、脚本はすごいが、監督はどうかなあと思われる人である。

放送大学の野崎先生の映画の解説は素晴らしかったが、この赤木映画は、ご存じないようなので、ここに書いておく。

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1 コメント

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赤木圭一郎 熊井啓 (広い世界は)
2024-03-10 11:01:57
牛原陽一の「紅の拳銃」ではヒロイン(笹森礼子)の視力は回復するが、すれ違っても赤木とは分からない。ヒロイン(バージニア・チェリル)の視力が戻り二人が幸せになる「街の灯」。熊井啓は日活の時から「社会派」だった。印象では自己中心的でスタッフ・キャストに優しくない人、おまけに酒乱?描く事件・事象にノメリコムあまり事の本質を見抜けていない気がします。演出力を落とす原因、作品の普遍性が欠けてしまうのでは。「千利休・本覚坊遺文」はカラーだがモノクロのような傑作だ。「忍ぶ川」のモノクロ・スタンダードは最高の贅沢だ。「日本列島」での芦川いづみはとても良い。ラストは芦川の最高の演技だ。

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