指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

元は会員制クラブ 

2022年12月29日 | 横浜

先日、トークイベントをやって泰生ポーチは、管理者の杉浦君に聞いたところでは、

「ここは、元は会員制クラブだった」とのことで、天井には立派なシャンデリアが釣り下がっている。

以前、映画のトークイベントをやった関内の多目的スペースも、元は高級カラオケ店で、港湾局の好きな人に連れられて行ったことのある場所だった。

「ああ、ここに来たことがあるな」と思ったものだが、今は横浜市大のOBが運営しているとのことだ。

昔々だが、関内の西側のクラブに局の課長に連れて行かれたことがあり、非常にきれいな女性たちがいた。

                                                         

たぶん、私と同年代だったと思うが、大変に年上の女性に見えたものだ。

そこは、いわゆるピアノ・バーで、時間ごとにピアノを弾く方が来て、歌い手の伴奏をしてくれたものだ。

もっと、庶民的な場では、「流し」がいて、彼らからは、北島三郎やこまどり姉妹らが出てきたと思う。

 


「斎藤さんではないか」とのメールが来た

2022年12月28日 | 横浜

一昨日の泰生ポーチでの高橋健太郎君とのトークイベントについて、配信で見てくれた元パシフィコ横浜の白井君から、

「国際平和」としたのは、斎藤さんではないかとのメールが来た。

斎藤さんというのは、国連大使も務められた斎藤鎮男さんで、横浜での国際会議場建設の検討会議のメンバーの一人だった方である。

白井君のメールでは、「どこかの席で、斎藤さんが「国際平和」と言ったのではないか」と戸塚さんから聞いたとのことだった。

戸塚さんというのは、みなとみらいの会議場担当で、最初に庶務係長をしていた方で、私はヒアリングするつもりだったのだが、ご都合が悪くてできなかった人だが。

いずれにしても、細郷道一元横浜市長は、多くの方のご意見を聞いて、「横浜国際平和会議場」の名を決められたのだな、と改めて思った。

斎藤鎮男さんは、国際関係の著作もあるので、横浜市図書館に予約を入れた。

細郷さんにしろ、斎藤さんいしろ、この世代の方は、戦争を体験されているので、その分平和への願いは強くあったのだろうと思う。

                                                       

また、白井君は、トークの最後で話した、横浜の「中学校給食」や「花博」の話も面白かったとのことで、良かったと安心した。

本来の話題ではない、横浜市の中学校給食や花博の話題が出て、どうなのかなと心配だったが、意外にも好評だった。

高橋君、有り難う。

いずれにしてもお見えくださった皆さん、大変ありがとうございました。

 


関東は守られているね

2022年12月26日 | 都市

日本海側は、大雪で大変のようだ。

だが、首都圏などの関東地方には、大雪は少ない。

それに気づいたのは、1991年の1月から3月に、英語の研修のために富士宮にいた時のことだ。

この間、富士山が、松竹映画のタイトルのように見えるそこでは、3か月間に雪は、二度くらいしか降らなかった。

                    

雪は、富士山が防いでいて、静岡側ではなく、山梨側に降ってしまうのだ。

このように、富士山から甲州山脈、赤城山など、関東の北側には、大きな山脈がある。

これによって関東地方は、大雪の降雪を防いでもらっているのだ。

 

東京や横浜などで、雪が降るのは、まったく別の原因で、台湾付近にできた低気圧が、東に移動してきて、伊豆大島付近を通過するときである。

この時に、低気圧が、掃除機のように寒気を吸い込み、それが途中の首都圏で降りるので、降雪となるのだ。

大体、1月の15日くらいで、昔は成人式の日に良く降ったものである。

いずれにしても、関東地方はひどい降雪から守られているが、そこに江戸城を作った徳川家康は、そこまで読んでいたのだろうか。


われながら凄いと思った ビデオを編集して

2022年12月25日 | 音楽

午後は、ウォーマッド横浜の92のビデオをDVDに編集する作業をやっていたが、やはりすごいと思った。

92が一番良かったと思うのだが、それにしてもすごかったなあと思った。

                                                 

そして、31年も経っているとは!


「国際平和こそ、人類共通の目標であり、課題なんだよ」

2022年12月25日 | 横浜

「国際平和こそ、人類共通の目標であり、課題なんだよ・・・」

こうおっしゃったのは、横浜市長の細郷道一氏である。

横浜市都市計画局のみなとみらい担当の岡本部長と宇野課長(お二人ともすでに亡くなられている)が、国際会議場会社の名前を市長に言いにいった。

原案は、(㈱横浜国際会議場で、ICC・ヨコハマだった。

すると18代横浜市長の細郷道一氏は、

「その国際の後に、平和を入れなさい。

国際平和は、なにも左翼勢力の専売特許じゃないんだよ、人類共通の課題なんだよ」と言い、

「(㈱横浜国際平和会議場」になったのだ。

                    

今日のウクライナへのロシアの侵略や、中国習近平体制の「侵略の恐れ」をみるとき、細郷市長のレベルの高さを感じるのは、私だけだろうか。

 


トークイベントをします

2022年12月23日 | 音楽

日本で最初の国際的ポピュラー音楽フェステイバルだったウォーマッド横浜についての本が出ました。

そこで、高橋健太郎君を迎えて、トークイベントをしますので、ぜひ見に来てください。

日時:2022 年 12 月 26 日(月)18:00〜20:00(開場 17:30)
会場:泰生ポーチ1F(横浜市中区相生町 2-52)TEL090-3497-1468 http://www.taisei-po-chi.yokohama/
トーク:指田 文夫(大衆文化評論家)
               高橋健太郎(音楽評論家)
料金:1drink&書籍付き 3000 円(本代 2200 円を含む) 限定 30 名
当日 18 時〜 オンラインにて無料配信も行います。視聴ご希望の方は、マルメロまでメールを。
【お問い合わせ/予約】 マルメロ TEL:03-5627-7583 FAX:03-5627-7584 e-mail: marmeloyama@gmail.com
運営:㈱マルメロ 管理:NPO 法人横浜コミニュティデザイン・ラボ

 

 

 


悪役俳優が好き

2022年12月23日 | 映画

安部徹ら、悪役俳優が好きだ。

天津敏、吉田義男、河津清三郎、西村晃などたくさんいるが、一番好きなのは、石黒達也である。

                                                           

元は前進座で、東宝の他、大映にもよく出ていた。

有名なのは、溝口健二監督、市川雷蔵主演の『新・平家物語』での、久我美子の父親で、藤原家なのだが、出世にまったく関係せず、図書守を喜んでやっている役だと思う。

ちなみに、この映画のナレーションも石黒である。


「畳の上では死ねないぞ!」

2022年12月23日 | その他

「畳の上では死ねないぞ!」とは、かつて悪漢が脅す台詞だった。

                                               

だが、近年では病院で死ぬことが常識になりつつあったようだ。

今年、私の知り合いでは、施設に入った後、そこで亡くなったという話が来た。

これからは、「畳の上ではなく、施設のベッドで死ぬ」時代になったようだ。


食堂がなくなっていた

2022年12月22日 | その他

用があって紅葉ヶ丘の神奈川県立図書館に行った。

新装されて、9月にオープンしたとのことで、元の書庫のところに立派に建て替えられていた。

                                                 

前の本館は、再整備中で閉まっていた。

岡本真さんをはじ「神奈川の図書館を考える会」の皆さんのご努力の結果だと思う。

中身を調べるほどの滞在ではなかったので、言わないが、さすがにかって本館の地下にあった食堂、1950年代の学食のようなものがなくなっていたのは時代だと思った。

ラーメン、カレーライス、350円程度の昔の町の食堂がそこにはあった。

その分は、21世紀になっていたと言えるだろう。

だが、女性職員が制服を着ているのは、どうした理由なのだろうか。男性がどうなのかは、この日男性職員を見なかったので、分からないが。

これは、民間企業では、銀行などでも制服の廃止の動きがあるのに、ひどく20世紀的に思えた。

特別にあつらえる理由があったのだろうか、少々疑問に感じた。

 


辻さんは、ご健在らしい

2022年12月22日 | テレビ

BS12で、松本清張の『微笑の儀式』を見た。

これは、売れない彫刻家の内藤剛志が、殺された女性佳那晃子のデスマスクで作品を作って一時評価されるが、役所広司に事実を暴露されて転落するもの。

昭和30年代の厚木基地付近の風俗など結構面白かった。監督は、元松竹の長尾啓司。

最後に、死んだ内藤が住んでいた古い木造アパートが出てくる。

管理人の女性が、どこかで見たことがあるなあと思うと、辻伊万里さんだった。

                                     

1995年の作品だが、調べると辻さんは、ご健在のようで、101歳になるはず。

「辻伊万里って誰だ」

と思うかもしれないが、黒澤明の『野良犬』の最後のシーンで、ピアノを弾いている方である。


歌声喫茶

2022年12月21日 | 音楽

人は、好きずきだが、私にとって大嫌いなものが、歌声運動であり、歌声喫茶である。

                                                               

もちろん、大好きな人もいるのだろうが、私は堪えられない。

あの歌い方、みなが心酔している姿は、気持ち悪さの極致である、私には。

この辺から、私の民青嫌いは始まっているのだと思う。

朝日新聞の夕刊に出ていた記事が、歌声喫茶なのである。


『傷つける野獣』

2022年12月21日 | 映画

私は、熊井啓は、監督としては大したことないが、脚本家としては優れているというのが私の考えである。

これも熊井の脚本で、横浜の銀行で強盗が入り、支店長が殺される。

外観は、露亜銀行で、今は某結婚式場になっている建物である。

犯人の川地民夫は、バイクで横浜駅に逃げ、特急つばめで東京駅に向かう。

警察は、彼の靴と服装を知っていて、張り込んでいるが、車内で大学生から服と靴を強奪していて、すり抜けてしまう。刑事は、水島道太郎、二谷英明、宍戸錠らである。

川地は、月島の姉の家に逃げ込む。姉は、高友子である。警察は、数年ぶりに川地が姉のところに来て、映画を見に行って、ニュース映画を見た時、急にいなくなったことを聞く。

それは、街頭録音で、いろんな人間が今必要なものを聞かれ、ある女が「それは、30万くらいの金よ」と言っている事を突き止める。

それは、言うまでもなく筑波久子で、元は川地の恋人だったが、現在は転落した女であることが一目で分かる。

彼らは、関西で麻薬の密売ルートの人間だったことがあり、それを辿って川地は関西に行き、警察官を殺して横浜に来たのだ。

そこから、新宿辺りでの麻薬ルートになり、秘密のホテルなどが暴かれる。

ガード下で、エロ写真を売っているのは、土方弘で、彼の部屋に川地は逃げ込んでいる。

もちろん、最後は無事逮捕されて一件落着。

監督の野口博史は、娯楽作専門だが、テンポがあって非常に面白い。

音楽は、松村禎三らしい。

                                               

高友子は、新東宝や富士映画にも出ていて、社長の大蔵満彦氏と結婚されているそうだ。

 

 

 


池広一夫監督の最高作は 『ひとり狼』だろう

2022年12月20日 | 映画

池広一夫監督が、93歳で、テレビの『終着駅』シリーズで、最後の作品とするそうだ。

大映時代の最高作は、1958年の市川雷蔵主演の『ひとり狼』だと思う。

 

                                               

有楽町のスキヤバシ映画で、田中徳三監督の『怪談雪女郎』との2本立てで見た。

冒頭の、ウイリー沖山の大映レコードの主題歌から始まり、最後の語り手の長門勇の

「逃げ足も早いぜ・・・」まで、非常に語り口の良い作品だった。

これは、捨て子として生まれた主人公の雷蔵が、武士の家で育てられ、その家の娘の小川真由美と恋仲となる。

もちろん、卑しい身分の雷蔵と小川真由美の結婚は認められず、「犬め」として家を出され、侠客として生きていく。

それを、長門勇と駆け出しの長谷川明男の目を通して描くという筋書きが素晴らしい。

小池朝雄らなどの、雷蔵を敵視する連中との殺陣も良い。

全体を貫く、市川雷蔵の孤独の美しさが何と言っても絶品である。

森一生監督の『ある殺し屋』、『薄桜記』とならぶ、市川雷蔵の最高作品だと思う。

 

 

 


アルゼンチンの国歌

2022年12月19日 | サッカー

ワールドカップは、アルゼンチンが優勝した。

              

私は、見ていないが、最後まで見ただろうか。

さて、アルゼンチンの国歌は世界で一番長いのだそうだ。

終わりそうになって、また始まるもので、確かに長い。

それを知ったのは、ボクシングのフライ級戦で、パスカル・ペレスと矢尾板との闘いだったと思う。

アルゼンチン、ご苦労さん。


歴史の皮肉

2022年12月18日 | 政治

岸田政権が、敵基地攻撃能力を高める防衛力増強を決めた。

これは、大問題で、戦後の日本の国是とも言うべき「専守防衛」を捨て去ることになるからだ。

だが、考えると歴史には、皮肉な事柄が起きることがある。

アメリカのベトナム戦争を止めたのは、民主党ではなく、共和党のニクソンだった。

同様に、中国との国交回復をいたのも、反共主義者のニクソンだった。

                 

右翼の安倍晋三内閣が終わり、本来は「ハト派」の岸田内閣になったと言うのに、軍拡内閣となった。

歴史は、実に皮肉なものである。