指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

ナチズムの傷跡

2022年11月03日 | 政治

今回のウクライナ戦争では、ウクライナとロシアが、互いのことを「ナチス一味」と批難し合っている。

ウクライナがナチスとは思えず、元スパイのプーチンとその周辺の権力のロシアの方が、ナチスに近いと思うが、いずれにしても、ナチスという言い方は、最大の侮蔑表現だと思う。

いまだにと思うが、私も欧州におけるナチズムの痕跡の大きさに驚いた経験がある。

 

                        

それは、19991年夏、パシフィコ横浜がオープンしたとき、横浜市国際室の主催で、国連ピースメッセンジャー都市会議が行なわれた。

担当したのは、上野課長で、その下は、横浜市役所で知らない者はいなかった南学係長である。

私は、この時、1月から3月まで、富士の宮の国際貿易研修センターで英語の研修を受けていたので、戻った時には多くの業務が決まっていて、私が担当したのは、国連から来た事務次長サフロンチャク氏をアテンドすることだけだった。

その前年に、参加都市誘致のために私は、当時ハンブルクにいた横浜市の新井成一さんと一緒に欧州都市を廻った。

ローマ、フィレンチェ、ウィーン、マドリッド、リスボンの各都市である。

そして、この時分かったのは、彼らは大体が労働党か社民党だが、おそらくはユダヤ系だった。

さらに、簡単に言えば、国連ピースメッセンジャー都市というのは、欧米の「反ナチズム運動」だと言うことだった。

だから、各都市方来た首長らは、市役所の金ではなく、その地域の反ナチスのユダヤ系グループの金できているということだった。

いかに、欧米での戦時中のナチズムの傷跡が大きかったかを物語るものだろう。