適格退職年金の移行状況が先日5月28日付で、信託協会、生命保険協会
より公表され(速報べース)されました。
それによると、2008年3月末のおける適格退職年金の件数は32,825件です。
2007年3月末での適年の契約件数は、38,885件でした。この1年で6,060件
減少したことになります。
2006年度中における適年の減少件数は、7,671件
2005年度中における適年の減少件数は、6,202件
以上から、適年の移行は速度が鈍ってきているようです。
適年の廃止まで、既に4年をきっていることを考えると、上記32,825件の適年
を他の制度に移行するには、年間8,207件ずつ移行していかなければなりま
せん。このままでは、制度廃止までに移行できず、非適格の適年になってし
まう適年がかなり出ることが予想されます。
適年の加入者数でみると、興味深いことがわかります。
2008年3月末の適格退職年金の加入者数は442万人です。
2007年3月末3月末時点の加入者は506万人でした。
よって、加入者は約13%ほど減少したことになります。
しかし、件数の減少は約16%ですので、件数の減少と比べると加入者の減少
は低く、加入者ベースでみれば、適格退職年金の移行が進んでいないといえ
ます。
契約1件あたりの平均加入者数は134人ですが、適年は加入者が100人未満
の企業が多いことを考えると、加入者数が多い適格退職年金もまだ相当数残っ
ていることになります。