適格退職年金の移行プランのうち、DB=確定給付企業年金で、パッケージ
プランというのが売り出されています。
これは、「安定」、「簡単」、「低コスト」が売りのようです。
「安定」は、運用利率を低く設定していることにより、積立不足がおきにくいと
ということです。
「簡単」は、掛金建ての制度なので、制度設計が簡単ということです。
「低コスト」は、制度設計が簡単なので、当然といえば当然ですが、管理コスト
等が安く済むわけです。
先に結論を言えば、私は、このパッケージプランは、使わない方がいいと
思います。
これは、金融機関にとって都合の良いプランです。
制度設計しないで済む、手間の掛からない制度ですから。
適年の移行というのは、お金を預け替えるということとは違います。
退職金制度の仕組みを、移行後はどうするのかということを検証して、つまり
制度設計して移行することが重要なのです。
退職金制度としての労働条件を作ることなのですから。
このパッケージプランでは、適年から移行するときに、適年の年金資産しか
移換できません。ですから、あわせて保険商品の提案が行われています。
退職金規程で不足する分は、保険商品で手当してくださいと言っています。
結局、金融機関としては、簡単に適年の移行を済ませ、その上保険商品の契約
も頂戴するということです。
ですから、パッケージプランは、金融機関の側にメリットがあるということです。