都知事選の開票が午後8時に始まると同時に、出口調査にもとづき、小池百合子が1位、石丸伸二が2位、蓮舫が3位と各メディアが報じた。この結果は1週間前から予想がネット上で広がっていたから、驚きはしないが、がっかりするものだ。何にがっかりするかというと、小池や石丸に票をいれた東京都民にである。
石丸の選挙演説を聞くと、ビジネス界出身だから自分が経済のことが一番分かるとの一辺倒である。顔の表情をつくって、人をバカにしたり、媚びを売ったりしている。アメリカの元大統領トランプの演説パターンと同じである。バカにする、媚びを売ることで、劣等感に満ちた人の心をとらえるのである。
小池は、自分は実績があるのだ、他の候補者と別格だ、と言う態度をとることで、権威に弱い層を確実に確保した。
私は、蓮舫を国政のイメージでバカにしていたが、今回、選挙演説を聞くと生真面目なのにびっくりした。とにかく真面目なのである。開票後のTBSテレビの記者の談話を聞くと、投票日直前に新宿に集まった大観衆のうち、はじめて蓮舫の演説を聞くのは1割もいなかったという。これは、同じ人が演説を聞きに集まっていることになる。すなわち、固定ファンにしか蓮舫の声が届いていない、ということを意味している。
蓮舫は都知事選では挑戦者である。立憲民主党とか共産党とかの政党の支援を信じるのではなく、自分で支持を貪欲に集めるべきだった。
神宮の森を切ることに蓮舫が反対したが、蓮舫が負けると、都民が神宮の森を切ることに賛成したと見なされる。小池が、関東大震災で日本人が朝鮮人を虐殺したことに、都として反省の意を示さないとか、高校の都支援の枠から朝鮮学校をはずしたことを、蓮舫は批判した。蓮舫が負けると、都民がこれらの差別を支持したことになる。
蓮舫が石丸までに負けると、都民は金持ち優先で弱者やマイノリティ叩きを支持していると誤解される。しかし、蓮舫が悪いのではない。都民が悪い。
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