猫じじいのブログ

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育鵬社の『新しいみんなの公民』を検討する、その1 はじめに

2020-07-21 17:03:45 | 育鵬社の中学教科書を検討する

横浜市は2011年から全市で育鵬社の「歴史」と「公民」の教科書を使っている。その採択に中心的役割を果たした元横浜教育委員長の今田忠彦は、朝日新聞地方版のインタビューの中で つぎのように語っている。

〈(それまで)教科書調査員を務める現場の先生の各教科書への評価を、その上の教科書取扱審議会が追認し、さらに上の教育委員会が追認してきた。ですが法律上、教科書を決めるのは教育委員会であり、私はそれを実践したまでです。〉

〈(11年の)採択後、首相に再指名される前の安倍さんにパーティーでお会いし、「(06年の第1次安倍内閣のもとで)教育基本法を変えて下さったおかげで、教科書採択がやりやすくなりました」とお礼を言いました。教育の目標に「我が国と郷土を愛する態度を養う」と明確に書かれ、それに沿った教科書を選びやすくなったのです。〉

彼は、現場の先生の評価に関係なく、教育委員会が教科書を選択すればよく、選択基準は「愛国」である、と言っている。「歴史」の教科書は、事実にもとづいているかが 基準のはずであり、「公民」は自分の権利を守るための知識が書かれているかが 基準のはずだ。

「歴史」や「公民」の教科書は、「客観的権威」をまとっているので、「道徳」の教科書以上に、子どもたちを洗脳しやすい。たとえば、きのう、期末テスト対策として「公民」の教科書のドグマを まる暗記している子どもを、NPOの自習の場で、見つけた。

きょうから、育鵬社の中学校教科書『新しいみんなの公民』を検討していきたいと思う。

[追記]
8月4日、横浜市教育委員会は、2021年度から市立中学校で使用する教科書のうち、歴史と公民は育鵬社版を不採択とした。


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