猫じじいのブログ

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日米開戦の真珠湾奇襲攻撃から80年目の今年

2021-12-04 22:22:58 | 戦争を考える

今年の12月8日は、大日本海軍の真珠湾奇襲攻撃、日米開戦から80年になる。早速、きょう、朝日新聞の〈ひもとく〉に、保坂正康が3冊の本を紹介していた。五味川順平の『御前会議』、吉村昭の『大本営震えた日』、エミリー・S・ローゼンバーグの『アメリカは忘れない記憶の中のパールハーバー』である。

五味川、吉村の本は、日米開戦までの戦前の大日本政府・軍人の言動を追ったものである。ローゼンバーグの本は、日本の真珠湾攻撃が、アメリカ社会にどのように影響を与えたかを書いたものだという。

それより、私の興味をひいたのは、保坂が、取り上げないほうが良いと思うグループの本を挙げていたことだ。

① 史実のとらえ方が曖昧な書
② (民主党出身の当時の大統領ルーズベルトを批判する意図で書かれた)アメリカの共和党系ジャーナリストの書
③ 軍人の評伝
④ 真珠湾攻撃に参加した軍人の書
⑤ 歴史修正主義か謀略に加担した書。

それでは、加藤陽子の『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(新潮文庫)や『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』(朝日出版社)をどうして、保坂が選ばなかったのかが気になる。私の問いは、彼女の本は上記の5つのカテゴリーのどれかに属するのかどうかである。

本を書くのは字が書ける特権層である。本を書く人は、どうしても、歴史を上から見て書いてしまう。理系の私なんかは、非常に苦労して本を読み、苦労して文章を起こす。

もちろん、すべての知識人がエリート意識に酔いしれているわけではないだろう。戦後、東大総長になった矢内原忠雄は、戦争に反対で、東大から追放され、戦争中、新約聖書の『ヨハネの黙示録』を読み、大日本帝国政府を呪っていたという。

保坂に私の言いたいことは、知識人は私に代わって知識人を責めるべきだということである。とんでもないことが書いてある本があれば、その内容を責めるべきだということである。人を責めない、事実の歪曲を責めないということは、ものを知らない私のような人に対して、不親切である。ものを知らないから、直接的に表現しないとわからないのである。

中国との戦争、アメリカとの戦争は、しなくてもよく、するべきでなかったと、保身を考えず、直接的に書いて欲しい。

[ 追記]

きょう、本屋に行って、半藤一利、加藤陽子、保阪正康の対談集『太平洋戦争への道 1931-1941 』(NHK出版新書)が出ているのを見つけた。どうも、保坂は半藤、加藤を仲間と思っていて紹介しなかったようだ。それでも、歴史の解釈、評価という問題にかんしては、まぁまぁと言うのは避けて、キチンと論争して欲しいと思っている。



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