私の若いときの記憶では、メーデは5月1日である。
5月の新緑のなか、全世界で働く者たちがそれぞれ集い、働くことのできる幸せを分かち合うとともに、働く者たちの権利を政府に求める日である。
ところが、日本では、現在、4月29日にメーデーの集会が開かれる。今年は岸田文雄が集会で挨拶した。
メーデーのメー(May)は5月のことではないか。全世界で、5月1日に労働者が集まってお祝いしているのに、日本だけが4月29日「昭和の日」に集まって集会を開いている。「昭和の日」は昭和天皇の誕生日ではないか。昭和天皇が癌で死んだので、名前を「昭和の日」にして、そのまま、祝祭日に残しているだけでないか。
私には違和感がある。
5月2日の朝日新聞には、5月1日にメーデーの集会があったとの記事が1つもなかった。これにも違和感がある。
YouTubeをみると、きのう5月1日に全国各地でメーデーの集会が開かれている。朝日新聞デジタルには、「大阪城公園では約2万人が集う催しがあり、格差是正やジェンダー平等の実現などを求めた」とある。
なぜ紙の朝日新聞には5月1日にメーデーがあったとの記事がないのだろうか。編集部は5月1日にメーデーが日本でも行われるということを知らなかったのだろうか。
出版社「小学館」のサイトHugKumに、「5月1日のメーデーとは?歴史や由来、日本でのメーデーを解説!子どもに分かりやすく説明しよう」という記事がのっている。
ちょっと紹介すると、
「メーデー、英語でMay Dayは直訳すると「5月の日」。もともとヨーロッパでは「夏の訪れを祝う日」とされてきましたが、19世紀の終わり頃から、労働者がその権利を求めてデモや集会を行う「労働者の日」となりました。」
「5月1日はメーデー、「労働者の日」として世界の多くの国で祝日になっています。日本ではメーデーは休日になっていませんが、会社によってはデモや集会に参加するために休みにしているところもあります。」
「1886年5月1日、合衆国カナダ職能労働組合連盟が「8時間労働」を求めてストライキを行いました。これが「労働者の日」としてのメーデーのきっかけとなりました。」
この小学館のサイトによれば、「日本労働組合総連合会(連合)」が4月29日昭和の日にメーデーを催し、全国労働組合総連合(全労連)や全国労働組合連合協議会(全労協)は5月1日の開催を続けているとのことだ。
さらに、小学館のサイトに1989年以降、統一のメーデーが日本で行われていないとある。
1946年のメーデーには、全国で100万人が参加、東京では、皇居前広場には50万人が集まったという。
連合が4月29日にメーデーを行うのは、ゴールデンウィークと重なると人が集まらないからという。しかし、4月29日からゴールデンウィークは始まっているのではないか。本当の理由は違うのではないか。
連合は左翼勢力と見られるのがイヤだからでないか。連合系組合は会社と「労使協調路線」を歩んでいる。会社が組合に代わって給料から組合費を天引きしている。連合が岸田政権にすりよることで、賃金上昇を狙っている。「物価上昇を上まわる賃金上昇」なんて実現すると思えない。賃金は分配の問題である。ゼロサム・ゲームなんだ。政府にすり寄ったからといって、分配がふえるはずがない。自民党は、選挙では、統一教会、日本会議、経済団体、商工会議と反労働者連合に支えられている。
結局、連合は、5月1日にメーデーを催さないだけでなく、自民党に利用されているお笑いものでないのか。