猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

神戸市の小学校同僚への暴力や嫌がらせは管理体制が生んだ歪みか

2019-10-27 22:09:02 | 教育を考える


神戸市の小学校で起きた、教師4人が同僚に暴力や嫌がらせを繰り返す事件は、正直、理解しがたい。これまで、こんなことは見たこともないし、聞いたこともない。

特に理解しがたいのは、この暴力や嫌がらせがおおぴっらに行われていたのに、だれもとめなかったことだ。

小学校というのは密室なのだろうか。子どもたちが各家庭から来ているから、親たちに話が伝わるはずである。親たちは、自分の子どもに火の粉が飛ぶのを恐れ、黙認していたのだろうか。

教師も、暴力や嫌がらせをした4人とその対象になった同僚(複数のようだ)だけでなく、どちらにも属さない教師たちがいたはずである。とめなかったということは、容認したのである。彼らは、親たちより罪が重い。

校長や副校長は教師を管理していたはずである。繰り返し暴力や嫌がらせを受けた教師は、校長や副校長に訴えたという。みんなが暴力や嫌がらせを目撃していたのだから、わからないはずはない。黙認した親たちや容認した同僚の教師より、はるかに、罪が重い。

市教育委員会にその話が伝わらないはずがない。教育委員長は神戸市長が任命した。すると、不適切な人を神戸市長が任命したことになる。校長の任命権は教育委員会にあるはずだ。

政治学者の姜尚中は「AERA」2019年10月28日号で、戦前の古参兵が新兵をいたぶり、しごき、リンチするのに似ていると言う。暴力を、将校たちは容認し、仲間の兵士は黙認していたのだ。

私の記憶の小学校では、このようなことを目撃しなかったし、聞いたこともない。私の子どもの頃は日本に戦後民主主義がまだあった。学校の教師たちは、平等だったし、仲間意識があった。

現在の小学校の教師は、上司から評価を受け、賃金格差がある。上司とは、校長や副校長や学年主任である。昔と違って、教師の中に上下関係が出来上がっている。今回の暴力や嫌がらせは、この上下関係の中で、上が下に行う形で行われている。

しかも、神戸市では、校長が自分の好きな教師を引き抜くことができるから、昔より、権力が強い。校長が新人教師を虫けらのように思っていたのだ。自分の経歴に傷つくのを恐れ、教育委員会に解決しているかのように報告したのだろう。

文部科学省が導入した教師の管理体制が、学校の教師のモラルを崩壊させたと思える。子どもたちを教える教師同士の仲間意識が崩壊しているから、暴力や嫌がらせが起きても、とめない。

本事件は、事実をちゃんと調べて裁判に付すべきである。校長も教育委員会も裁かれないといけない。