朝から、実に、寒い日だった。
我家は薄日が射していたが、安曇野は西山に近づくに従いドンヨリと・・・ そして、鐘の鳴る丘、穂高カントリー辺りは吹雪の中だった! 陶芸館から見て中腹は真っ白だ! 時折、雪が舞い降りて来る。陶芸館は、静かで高山から来ている若手陶芸家:Takaiさん一人きりだった。 そこに、老い耄れ爺が加わる。
若手陶芸家別嬪さんは、盛んに轆轤(ろくろ)を回していた。 時折覗き込むが上手だ!!! 山野草が好きで苔皿を造るようになり、嵌り込んでいるらしい!
高山の平湯から安房峠を越えここまでやって来る。
寒い寒いと話し込んでいたが、高山・平湯は、連日雪降りで30㎝もの雪の中だと言う!!! 寒い等と言ってはオレン!
先生と3人で泥ンコを捏ねる!!! 夫々に思いがある。
yは、今年、最後の泥ンコ遊びとなった。
1.5㎏近い粘土があるので、何とか消化したいと、懸命に蘭鉢を造る。 今日は、気合いを入れた所為か?6セットの蘭鉢と2つのグイ呑みを造り上げた。 焼き上がりは冬季休館の関係で来年の3月になるが、それ程急ぐ訳でもないのでその期を楽しみにしている。
グイ呑みと言えば、先日、日本酒好きの某社の社長さんに備前焼の「グイ呑み」をプレゼントした。 出来栄えは、まァ~まァ~だが、色具合がなんと言えず大変喜んで来た・・・ この方は、日本酒以外、全く、飲まないので、愛用して呉れるかも知れない?
備前焼について、少々、講釈を・・・
別嬪さん陶芸家:Takaiさんが、備前地方を旅したらしい。 その折、備前の白土と赤土を買って来た。 或る日、数人の仲間にこの備前土を分けてくれた。 丁度その時、yも居たのでお零れに肖った。 或る時、この土を捏ねて見た。 それが、このグイ呑みである。
先生から、備前焼は、釉薬を使わない!!!と、聞いた。 素焼きした作品を松や籾殻、藁等で包み、本焼きするのだと言う!!! 高温で焼くと松や籾殻、藁等の炭素成分と材料が持っている脂分が巧い具合に作品に染み込み、あの独特な備前焼模様が出るのだと言う・・・
焼く温度と被せる炭化物材料に依って色々な紋様が現れる。 老い耄れは、松根材で焼いた紋様が好きだ!!!
今日造った「グイ呑み」は、備前の土ではないが、先生の特別配慮で、これに近い釉薬を使って焼いて下さると言っていた。 先日、ある作品を見て、惚れ惚れ!!! この釉薬の登場となった。
作品の出来具合を見て、今製作中の黒焼き釉薬からの変更も考えている・・・ 何れも甲乙付け難い!!!
今年は、昨年ほどピッチが上がらなかったが、それでも70個近い「イワチドリ」用蘭鉢を造った。
2年目の今年、幾分、技が上がってきた所為か?早く造れるようになり、且つ、装飾飾りも付けられるようになり、「蘭鉢」も素朴の中にも豪華さが滲み出ている・・・ 試しに今年咲いた別嬪さんを植えて見ているが、花時、満足感が得られるか? これも楽しみの一つとなっている。。。