日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 ロンドンのテロから間もないので「爆発」なんて不謹慎と言われるかも知れませんが、あっちはあっち、こっちはこっちです。不謹慎というならニュース番組で多用される「ロンドン」という単語につい反応してしまい、

「ロンドン・ロンドン・愉快なロンドン・楽しいロンドン・ロンドーン・ロンドーン」

 と思わず口ずさんでしまうこと。やはりこれに勝るものは無しだと思うのですが、誰も知らないCMでしょうし、まあいいです。

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 週末なので気楽にやらせて頂きます。

 私は遼寧省は瀋陽で起きたあの大立ち回り、「官」を相手に一歩も退かず、逆に相手を撃退せしめた「李某」の孤軍奮闘と幕引きの鮮やかさが未だに忘れられないのです()。あの火炎瓶男、続報は未だにないのですが、どうしているのでしょう(あの事件は「官」が全く横暴ではない珍しいケースでしたね)。

 その火炎瓶男のエントリーに「在中国2」さんがコメントを寄せて下さったのを御記憶の方も多いかと思います。

「中国の新聞の社会面を見てるとしょっちゅう、火薬工場や、爆竹工場の事故。また普通の民家の大爆爆発のニュースが出ています。もしかしたら日本よりも簡単に一般人が手にすることができるのかもしれませんね。鉄道や長距離バスに乗るときもちゃんとに持ち検査(※1)があるし、、、。」

 そうなんです。ちょっと前だと「爆弾をしかけた」とのイタズラ電話や恐喝が多かったのですが、最近はどうも爆発事故が多い。事故なのか事件なのかわかりませんが。

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 という訳で、7月に入って以来国営通信社の電子版「新華網」で報じられた「爆発」ネタを集めてみました。

 ●花火・爆竹満載のトラックが爆発、京瀋高速が8時間閉鎖される(2005/07/05)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-07/05/content_3176671.htm

 ●秦皇島・新開河港でタンカーが爆発、3名負傷(2005/07/08)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-07/08/content_3194028.htm

 ●山西省◇陽市で民家が爆発、1死7傷(◇=さんずいに分、2005/07/15-16)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-07/15/content_3224916.htm
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-07/15/content_3225512.htm

 ●長春でアパート爆発、7名死傷(2005/07/21)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-07/21/content_3247055.htm

 ●西寧の住宅街で爆発、1死4傷(2005/07/22)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-07/22/content_3250977.htm

 ●太原西山児童公園で爆発1死26傷、2階建ての建築物跡形もなし(2005/07/22)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-07/22/content_3251391.htm

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 とりあえず6件ありました。見落としもあるでしょうし、「新華網」はどうしても全国ニュースに偏ります。その中の「地方頻道」をのぞけばもっと見つかるのでしょうが、これは時間的に無理。せめて地方の事件・事故も丹念に拾い上げる「捜狐網」(sohu.com)や「新浪網」(sina.com)もチェックできればよかったのですが。

 さて、このうち「事故」と断定されているものは西寧の住宅街と太原の児童公園での爆発で、いずれもガス爆発とされています。残りのケースは調査中で、長春のアパート爆発は当初ガス爆発ではないかと言われていたのが、これはどうも違うと専門家から指摘があり再調査中。

 花火と爆竹合計20トンを満載したトラックの爆発は火薬の変質か何かだと思われますが、とにかく鮮やかだったようです。それがまた深夜の時間帯で、轟音とともにパンパンパパーンと弾けつつ、七色の光が夜空に次々とスパーク。原文では「美麗景色」となっています(笑)。爆発音で飛び起きた周辺住民はときならぬ花火大会に何が起こったのかわからぬまま空を見上げていたそうです。幸い死傷者なし。

 そういえばこれに似た事件が旧正月のころありましたね()。

 ●ロケット花火?が花火屋に飛び込んで誘爆が誘爆を呼び、虹色に輝きつつ店鋪大爆発
 http://news.sohu.com/20050208/n224274902.shtml

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 どうやら破壊活動の線が濃厚、というのは5月13日、新疆ウイグル自治区のウルムチ市にある発電所で起きた石油タンクの爆発です。事件後に治安部門が調査チームを現地に派遣していることからそれがうかがえます()。

 また最近では北京で2回、怪しげな事件が起きています。

 ●手榴弾?警察がゴミ箱内の不審物を撤去――北京(2005/07/01)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-07/08/content_3190972.htm

 警察が現場近くにいた市民に離れるよう呼びかけたうえ、慎重に不審物をゴミ箱から取り出したそうです。拳ほどの大きさで尾部に金属の輪のようなものがついていたという目撃談があるため、手榴弾説が出ています。

 ●北京站西広場で爆発、爆弾の疑いも(2005/07/08)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-07/09/content_3195736.htm

 こちらは本当に爆発してしまったケース。これもゴミ箱の中に置かれていたものですが、爆発力が小さく死傷者はなし。残骸から起爆装置らしきものが発見されたことから、警察は事故ではなく爆破事件の線で捜査中とのことです。北京では実は4月にも祟文門・新世界商場で爆発物が発見されているのですが、起爆装置が当時のものと酷似していたといわれています。

 あと一昨日(7月21日)のことですが、河南省・鄭州市でも爆弾が発見されたそうです。

 http://news.tom.com/1988/20050722-2328518.html

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 書き忘れていました。前掲の山西省◇陽市の爆発は、炭坑で使用される爆薬によるものではないかと思われます。というのも同市では6月9日にも爆発事件(9死25傷)が起きており、爆発物は炭坑経営者が空家に「私蔵」していた爆薬、と報じられているので、動機は不明ながら内緒でため込んでいた爆薬だと思われます。炭坑は全国にたくさんありますから、爆薬の入手はそれほど困難ではないでしょう。

 炭坑つながりで言いますと、炭坑での爆発事故は上に掲げた7月の爆発ネタには含めておりません。炭坑事故も今月に入って大小様々な事故が発生しています。……毎月そうなのですが。

 国務院の閃淳昌・参事が7月1日、上海で明らかにしたところによると、2004年の労働災害事故による死者数(全国)は、

「一日平均370名」

 ……だそうです。「死傷者」ではなくあくまでも「死者」です。いやはやコメントのしようがありません。

 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-07/01/content_3160680.htm

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 ついでに上海の犯罪ネタを出しておきますか。今年上半期の上海における治安状況は依然厳しく、起訴件数は前年同期比で10%以上の増加だそうです。

 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-07/21/content_3247364.htm

 上海市人民検察院によると、今年上半期の犯罪の傾向としては4つの特徴があるそうです。

 ●犯罪件数の増加。逮捕者数は前年同期比で11.7%増。
 ●凶悪犯罪の増加。このうち殺人、傷害、誘拐は増加率ベスト3。
 ●事件の複雑化。傷害や殺人事件の6割は資産や経済犯罪、また民事案件のもつれによるもの。
 ●新種の事件が出現。例えば出資金を募る詐欺、知的所有権の侵害、デマ情報の発信、コンピュータを使った犯罪など。

 爆発はまだですか。証券取引所を爆破するとか爆弾を仕掛けたとかいう逆ギレ電話事件(犯人は株で大損した個人投資家)は数回起きている筈ですが。……いやいや、もちろん期待している訳ではありませんけど。

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 という訳で、中国在住のみなさん、くれぐれもお気を付け下さい。


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 【※1】私が留学していたころや仕事で香港から出入りしていた時期は、持ち物検査なんかありませんでした。ただ1989年の天安門事件後に内陸部を回った際は、宿泊する先々で必ず抜き打ちの宿泊客チェック(査房)がありました。いわゆる落ち武者狩りです。



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