日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 前回の最後の方でもちょっと触れましたが、28日の外交部報道官による記者会見で、

「提灯持ちのような質問をしている阿呆な記者、日本人だと思うのですが誰だか知りたいものです。早くもチナブタと阿吽の呼吸じゃないですか。」

 と書きました。チナブタとは劉建超外交部報道官のことで、どうも私は彼のルックスを生理的に受け付けられないようです。別に彼が何をしたという訳ではないんですけど、やっぱり少しダイエットした方がよろしいかと。

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 前任者の章啓月女史は悪くなかったです。いや熟女がいいとかそういうことではなくて(笑)、彼女が報道官を務めていた時期の大半は胡錦涛政権が現実的かつ慎重な対日路線を維持していた時期で、外交部報道官が「靖国神社」を口にすることがタブーとされていたようなんです。

 そういう状況下で、記者が真正面から繰り出してくる靖国に関する質問を上手に回避しつつ、ときには「同じことを二度言いたくありません」と逆襲に転じたりしたので読んでいて面白かったです(※1)。

 でも、報道官としての最後の時期に日中首脳会談が行われ、そのおかげで彼女も記者会見で「靖国神社」と堂々と言えるようになりました。ストレスを散じたことでしょう。そしてベルギー大使へと転出。お疲れ様でした。

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 で、日本人記者とみられる提灯持ちのような質問に関してです。日本人と特定できた訳ではありませんが、チナブタが「中国史をよく研究されている」と褒めていることから記者が中国人や台湾人でないことはわかります。

 あとは質問の内容などからすれば日本人以外にいないのではないかと判断した次第です。ええ、これはあくまでも邪推であって、本当のところは、わかりません。

 ただ、よく言われる「御注進メディア」がその本領を発揮している実例だと私は思うのです……ではなくて私は邪推しているのです。こういうはっきりしたケースも珍しいので、一応和訳しておこうと思いました。質問だけでチナブタの回答は省きます。

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 ●日本政府はいかなる政治活動も行わないとの条件でダライラマが来年4月に訪日することを許可したとの報道がありますが、これに対するコメントをお願いします。

 ●李登輝氏の訪日について、きのう報道官は中国側が「より踏み込んだ反応を行う権利を留保する」とコメントされていますが、中国側はどういう条件下でどのような踏み込んだ反応をするつもりなのか教えて下さい。

 以上はごく当たり前の質問です。媚中記者、あるいは御注進記者がしゃしゃり出てくるのはこの後です。折角ですからアカい字にしてあげましょう。

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 ●来年は第二次世界大戦の戦勝60周年で、中国も抗日戦争あるいは反ファシスト戦争の戦勝60周年だとしていますね。戦争が終わってもう60年になろうというのに、戦争が残した問題、例えば強制労働や慰安婦、七三一部隊の細菌戦などの問題については未だ未解決です。第二次世界大戦の戦勝60周年に際して、日本がどのような措置によってこれら残された問題を解決することを中国側は望みますか?

 はい、来ました。これが日本人記者のものであるという邪推を前提にいえば、この記者は「第二次世界大戦の戦勝60周年」と口にした時点で日本人であることを捨てています。「終結60周年」でいいのではないでしょうか。加えて強制労働や慰安婦、七三一部隊ですか(笑)。これらの件に関しチナブタに大いに語ってほしい、どうか語って下さいと半ば腰を浮かせて(空気椅子状態)、期待の眼差しで報道官を見つめる記者の姿が目に浮かびます。

 もう一丁。これも日本人記者のものであるという邪推を前提にいえば、まさに御注進発言です。


 ●来年は日中1894-1895年戦争(日清戦争)の110周年、まさにこの戦争で中国は台湾を日本に割譲しなければならなくなりましたね。かつまた1915年の対華21カ条の要求受け入れからは90周年になります。1940年、すなわち65年前には、日本が偽満州国を建国しています。そして半世紀の長きにわたる日本の対中侵略から、すでに60年になります。来年中国側はこの記念日を利用することはあるでしょうか。今年の日中関係は経済こそ順調そのものでしたが、政治面では摩擦が繰り返されました。中国側は来年どのような必要な措置で日中関係を改善しようと考えていますか?

 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2004-12/28/content_2389032.htm

 この発言に記者は「中国史をよく研究されていることに感謝します」とチナブタからお褒めの言葉を頂戴しています。この質問、どういう回答が返って来るか分かっていてやっていますね。しかも日清戦争だの台湾割譲だの対華21カ条だの満州国成立だの……中国がこれまで触れていない件をわざわざ「御注進」することによって話題を広げて、中国側により広い場でより過激にパフォーマンスをしてもらおうという意図がミエミエです。実に見事な予定調和、阿吽の呼吸です。

 ま、全て私の邪推なんですけどね。

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 この種の記者会見でいつも思い出すのですが、あれは確か1993年の全人代のときです。『明報』の小さな囲み記事になった実話ですが、記者会見で日本人記者(新聞名は伏せておきます)が下手糞な北京語で一生懸命質問したのです。ところが国務院報道官は困惑した表情で一言。

「申し訳ありませんが、私は広東語はわかりませんので……」

 おあとがよろしいようで……。


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 【※1】当ブログ「日中首脳会談――章啓月女史の奮闘」(2004/11/20)


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 李登輝氏のニュース、日本では自粛されてるのかどうか知りませんが、台湾のヤフーに飛べばいくらでも拾えます。一応紹介しておきます。

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 ●到着当日は名古屋駅の上にあるホテルに投宿したようですが、早くも葛西敬之・JR東海会長がお忍びで訪ねてきて密談。台湾の新幹線に関する件のようです。
 http://tw.news.yahoo.com/041228/39/1bhmc.html

 ●2日目の午前はホテルがリクエストに応えて特に用意した和風の朝食。
 http://tw.news.yahoo.com/041228/43/1bgkg.html

 ●そのあと、李登輝氏は午前中いっぱいを訪客との応接に追われたようです。訪問者として評論家の桜井よし子氏の名前が上がっていましたが、政府関係者はいなかったとのこと。
 http://tw.news.yahoo.com/041228/43/1bgkg.html

 ●その間、李登輝氏夫人と孫娘は近くの高島屋でショッピング。真っ先に11階の新星堂へ行き、CDやDVDを購入。念願だったようで、買いたいもの一覧をメモで準備してきていて、店員さんに揃えてもらったそうです。そのあとはインテリアコーナーを興味深く見物。
 http://tw.news.yahoo.com/041228/43/1bgkg.html

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 ●午後は一同揃って名古屋城や徳川家康美術館を見学。李登輝氏は京都大学在学中に学徒出陣で出征して配属されたのがこの名古屋(高射砲部隊/陸軍第10軍司令部の見習士官)ということで、天守閣に登って「この辺も変わったなあ。兵舎はどのあたりだったか」と感慨深げの様子。「この城のそばに(高射砲が)あったんだが」と探してみたりしたものの、結局はわからなかったようです。
 http://tw.news.yahoo.com/041229/15/1bkvz.html

 ●天守閣では遠くを指差して「関ヶ原はあっちだよ」と孫娘に教えて、その由来を色々説明してあげたとのこと。
 http://tw.news.yahoo.com/041229/15/1bkvz.html

 ●そのあとは徳川美術館を見学。
 http://tw.news.yahoo.com/041229/15/1bkvz.html

 なんだか自分がパパラッチになった気分になってきましたのでこの位にしておきます。でも台湾のメディアはこんな感じです。氏の日本到着前から宿泊先を突き止めて電話取材をしたり、多くのメディアが取材班を出すなどして精力的に取材しています。

 でも扱いは好意的に、何と言うか好々爺の「センチメンタル・ジャーニー」(回憶之旅)といったテイストの報道で、エピソードも微笑ましいものが多いです。

 いまヤフー台湾のニュースサイト(新聞)をのぞいたらいきなりトップページに名古屋城の写真が出ていましたし(笑)。
 http://tw.news.yahoo.com/

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 ところで、来日する際の機内では日本の記者団に日本語で応えていた李登輝氏、

「将来どういう名目で行けるか分からないが、もっとおもしろい状態になるでしょう。おもしろいビザをもらってもう少し、深く日本を見る」
 http://www.sankei.co.jp/news/041227/sha090.htm

 と、到着前から次回訪問に思いを馳せていたようですが、さすがに言うことが意味深長で凄みもありますね。

 次回といえば、香港や台湾では、李登輝氏が来年に再来日するという報道がここ数日流れています。香港は『明報』、台湾は「中広新聞網」によるものですが、どちらも元ネタは『東京新聞』です。李登輝氏に近い筋の話として、来年の春、桜の季節に東北の奥の細道などを訪ねてみたいと李登輝氏が語っていたそうです。

 ●『明報』
 http://hk.news.yahoo.com/041227/12/17yzu.html

 ●「中広新聞網」
 http://tw.news.yahoo.com/041228/4/1bf7c.html

 中国語に翻訳されていますので詳細は不明ですが、もし元ネタである『東京新聞』の記事を読まれた方は御一報頂ければ幸いです(※1)。

 それにしても「来年の桜の季節」というのは、常識的に判断してやはり2005年春、ということですよね。ダライラマとのニアミス、あるいは接触があれば面白いですね。再来日だけでも胡錦涛の顔は引きつるでしょうが、ニアミスとなればマジ切れするかも知れませんね(笑)。

 しかも桜の季節、東北巡りとなれば成田から入ってまず東京で一泊。靖国参拝があっても不思議ではないですね。そのあと奥の細道ですからまずは芭蕉庵跡とか芭蕉博物館に来るのでしょうか。おお謝天謝地、そこは拙宅からだと川を渡ってすぐなんで、これは楽しみです。名古屋には行けませんでしたが、芭蕉庵なり靖国神社での歓迎OFF会、やることになれば絶対参加したいところです。

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 さて一方の中共ですが、とうとう焼きが回ってきたようですね。反応がだんだん率直になってきました(笑)。

 ●靖国解決なしに決定せず 新幹線で中国全人代副委長
 http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2004122801003526

 素直が一番。そうあるべきです。よせばいいのに他国の内政に首なんか突っ込むからジバク状態になるんです。ジバクは自爆でも自縛でもお好みでどうぞ。

 例のチナブタ(劉建超外交部報道官)もぐだぐだ言ってましたけど、恫喝めいた言辞を弄する割にODAには未練たっぷりのようです(笑)。
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2004-12/28/content_2388685.htm

 チナブタの記者会見はこちら。提灯持ちのような質問をしている阿呆な記者、日本人だと思うのですが誰だか知りたいものです。早くもチナブタと阿吽の呼吸じゃないですか。
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2004-12/28/content_2389032.htm

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 日本のことは構ってくれなくて結構。そんなことよりまず自国民をケアしなさいよ。でないと見限られちゃいますよ。

 ●中国の水質汚濁、深刻 3億人の飲料水が不適
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041228-00000014-kyodo-soci

 ざっと3人に1人の農民が人間の飲料水としての基準に達していない「水めいたもの」を毎日飲んでいるということですね。さらに人口百万人以上の全国32都市のうち、実に30都市が慢性的な水不足で頭を痛めているというのですから、これは深刻ですよ。まさに水飢饉(※2)。

 胡錦涛、温家宝、お前ら民のために働くって偉そうなこと言ってたよな。なら御得意の科学的発展観で早いところ何とかしろ。厳命。

 ま、本当は何もしない方がいいんでしょうけどね。お楽しみはこれからです(紋切り型)。


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 【※1】メルマガ「台湾の声」あたりに出ていたのでしょうか。私はあれをうっかり見逃して削除してしまうことが多いので。

 【※2】http://news.xinhuanet.com/newscenter/2004-12/27/content_2386319.htm


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