ゴエモンのつぶやき

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体はボロボロで家庭も崩壊…北朝鮮「負傷兵」たちの悲惨な末路

2019年06月16日 23時50分58秒 | 障害者の自立

北朝鮮では、軍に勤務中に建設現場での事故などで障害を負った人々のことを「栄誉軍人」と呼ぶ。社会的には尊敬される立場にあり、国から様々なサポートを受けられる。

(参考記事:金正恩氏、日本を超えるタワーマンション建設…でもトイレ最悪で死者続出

朝鮮労働党機関紙の労働新聞が5月16日に掲載した「敬愛する最高領導者金正恩同志が偉大なる首領様方を高く奉じ社会と集団のためにいいことをした勤労者に感謝を送られた」という記事には、次のようなくだりがある。

「社会と集団、同志のために自らのすべてを捧げることを革命的道徳、義理として持っている徳川(トクチョン)新徳(シンドク)炭鉱労働者ミン・ソン、海州(ヘジュ)銀河被服工場労働者キム・ウネ、兄弟山(ヒョンジェサン)区域新間(シンガン)3洞26人民班キム・ソンヒ、徳川市恩徳洞32人民班ヒョン・スギョン、新義州市白雲洞17人民班キム・スヒャン、碧城(ピョクソン)郡碧城邑117人民班リ・ウンミは特類栄誉軍人と真の伴侶となった」

特類栄誉軍人とは、栄誉軍人の中でも両足を失ったり下半身が麻痺したりして、簡単な労働すらできなくなった重い障害を持った元兵士を指す。障害者を社会的に排除してきた北朝鮮だが、栄誉軍人だけは特別だ。

(参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故

それもそのはずで、安全対策の欠如のために、軍が動員される建設現場ではしょっちゅう事故が起きている。そのうえ負傷者に対する配慮もないとなれば、軍そのものの維持が難しくなる。

前述の記事は、思い障害を持った栄誉軍人と結婚した女性らを持ち上げるものだが、実際は嫌々ながら結婚させられ、DVに苦しめられた挙げ句に離婚するケースも少なくないようだ。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の黄海北道(ファンヘブクト)の情報筋は、松林(ソンリム)でそのような事例が増えているとして、次のように伝えた。

「最近、松林で特類栄誉軍人と結婚して家庭を築いていた若い女性がほとんど離婚したり夫を捨てて家を出て行くことが多く、栄誉軍人の生存権が脅かされている」(情報筋)

規定通りなら、栄誉軍人の家庭は国から特別配給対象に指定され、生涯に渡ってコメや物資を優先的に配給してもらえ、医療や子どもの教育でも優遇されることになっている。しかし実際のところ、すべては空約束なのだ。配給はほとんど行われず、困窮している人が少なくない。

「離婚して出ていく女性たちは、栄誉軍人の夫の世話が負担で市場で商売をすることもできず、餓死の危険が迫りギリギリの選択をしているのだろう」(情報筋)

そして当局は、女性を半ば騙して特類栄誉軍人と結婚させている。情報筋は、昨年松林で特流栄誉軍人と結婚した30代女性をその例に挙げた。

貧しい村の出の彼女に党幹部が近づき、「成分(身分)のいい特類栄誉軍人と結婚して都会に住めば、子どもたちの将来も問題ない」と縁談を勧めてきた。北朝鮮でも特に貧しい農村部では、女性たちは日々の糧を得るために都市部に出て売春をするしかないような現実が、いまだにある。

(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

そのうえ、「特類栄誉軍人の面倒を見るのが愛国者、時代の美しい花、忠誠者の中の忠誠者」などと社会的に持ち上げられていることもあり、女性は結婚してしまった。

ところが、嫁ぎ先には食べ物もまともに配給されず、夫はたびたび暴力を振るった。女性はそれに耐えかねて家を飛び出してしまった。

平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、新義州(シニジュ)には栄誉軍人に設計、統計などの専門知識を教え幹部に育て上げる栄誉軍人学校があると紹介しつつも、「卒業後、栄誉軍人は栄誉軍人工場、あるいは一般的な工場、企業所の幹部として配属され出世できると思っていたが、実際はカネとコネがなければ入学すらかなわない」と実情を語った。

高級幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)を親に持つ栄誉軍人は、国の全面的なサポートを受けて成功できるが、カネもコネも持たない栄誉軍人は極貧の生活を強いられ、その鬱憤から妻や家族に暴力を振るい家庭が崩壊する事例が増加し、深刻な社会問題となっている。

当局は、栄誉軍人を含めた朝鮮戦争に従軍した「戦争老兵」に配給する食糧を、国民から供出させ、批判を浴びている。金正日政権時代よりは待遇が改善したとは言え、おそまつなことには変わりない。

(参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路

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留置17日間「まるで介護」 76歳、車椅子の万引容疑者

2019年06月16日 23時32分16秒 | 障害者の自立

 車椅子に乗った76歳のおじいちゃんを、体格のいい男が3人がかりで階段の上げ下げをする。脳梗塞を患い、足はほとんど動かすことができない。おむつを着け、トイレも入浴も男たちに“介助”をされていた。

 ここは介護施設ではなく、福岡市南区の福岡南署。おじいちゃんは5月5日、スーパーでの万引容疑で現行犯逮捕された。世話係は署留置管理課の警察官だ。

 当時、留置場にはほかに十数人の容疑者がいた。「臭いっ」。トイレへ移動させるのが間に合わず、何度も便を漏らし、苦情が出た。桜の香りのお香をたき、消臭剤と空気清浄器も置いた。

 刑法犯の5人に1人が65歳以上の時代。軽微な罪を繰り返す累犯も少なくない。逮捕した容疑者を一時置く留置場でも、10人に1人は高齢者。警察署はバリアフリーに程遠く、1974年開設の同署も例外ではない。介助が必要な高齢者や障害者を想定していなかった、という事情もある。

 刑務所出所後に自立支援のため福祉につないで再犯を防ぐ「出口支援」は進んだ。識者は施設の充実に加え、高齢者や障害者が軽微な罪を犯した場合、捜査段階で福祉と連携する「入り口支援」の必要性を訴える。

 昨年秋に刑務所を出所、さらに罪を重ね執行猶予中に万引をしたおじいちゃん。5月16日に起訴され、17日間留置場にいた。

 「まるで介護よ。やっと終わった」。署幹部はつぶやいた。

■要介護者の留置手探り 「福祉優先で再犯防止を」

 車椅子のおじいちゃん-。この男(76)はスーパーで電動車椅子に乗り、ちくわ2本とアイス1本を持ったまま店を出たとして現行犯逮捕された。2600円所持していたが、代金397円を支払わなかった。「金を使うのがもったいない」。こう供述したという。

 男は福岡市南区の木造アパートで長年1人暮らしをしていた。7年前に脳梗塞を患い、今年に入り車椅子生活になった。言語障害もあり、要介護1の認定を受けて生活保護も受給。アパートの取り壊しが決まり、次の住まいを探していた。近所の人は「お金がないわけではない。刑務所に戻りたかったのでは…」と推し量る。

 医師の「勾留に耐えられる」との判断もあり、裁判所は勾留を決定。福岡南署は介助が必要との理由で男を「特別に注意を要する者」に指定した。留置場の1人部屋で、プライバシーのための仕切り板を外し、目が届くようにした。

 規則上、留置場は警察官しか入ることができないため、17日間警察官だけで身の回りを世話した。「車椅子の容疑者は初めて。試行錯誤だった」(署幹部)

   ◇    ◇

 容疑者を起訴するかどうかの取り調べのために身柄を一時置く留置場は、拘置所や刑務所に比べて滞在期間は短い。刑務所では、バリアフリー棟などの設備も整いつつあるが、福岡県内の警察署にある留置場のトイレの洋式率は4割台。4月に開設した行橋署もバリアフリーではない。

 県警幹部は「身体障害がある容疑者の勾留はレアケース。そのために限られた予算を使うのは現実的ではない」。九州のほかの県警も同様で「個別の状況に応じた適正な処遇に努めている」と口をそろえる。

 一方、警視庁は2017年、バリアフリーで車椅子や介護用ベッドも持ち込める「介護用留置室」を、警視庁本部に開設。ベッドはその都度レンタルし、トイレは温水洗浄便座という。青森県警では16~18年、留置担当の警察官ら計約130人が障害者支援施設の職員から介護研修を受けた。

   ◇    ◇   

 16年施行の障害者差別解消法は、警察を含む公的機関に障害を理由とする不便がないようにする「合理的配慮」を義務付けた。

 九州大の土井政和名誉教授(刑事政策)は「強制的に収容する以上は、留置場でも介護が必要な容疑者への人的配置や設備的対応を考える時期だ」と強調。

 「潜在的に介護が必要な人はもっといる。対症療法は本末転倒」。龍谷大の浜井浩一教授(犯罪学)はこう指摘する。ノルウェーでは高齢者が万引など軽微な罪を犯した場合、警察は勾留せずに医療や福祉の関係機関につないで受け皿を探すという。浜井教授は「本人のためにも新たな被害者を生まないためにも、犯罪の未然防止につながる同様の制度を作るべきだ」と提案する。

 罪を犯した障害者の支援に取り組む山西信裕弁護士(福岡)は「弁護士の要請に応じて、容疑者の接見に社会福祉士も公費で派遣する仕組みが必要」と訴える。

■勾留の要件満たさず

 警察実務に詳しいジャーナリスト大谷昭宏さんの話 男は微罪での現行犯逮捕で、証拠隠滅の恐れが低く、車椅子生活で逃亡の可能性もない。刑事訴訟法で定める勾留の要件を満たしていない。警察側は「万引の常習者で再犯の可能性が極めて高かった」と勾留の必要性を説明するだろうが、再犯可能性は裁判所が判断することで理由にならない。警察も逮捕・勾留ではなく、ケースワーカーや民生委員と連携し、地域の見守りによる再犯予防に取り組むといった福祉的な対応へと発想の転換が迫られている。

【ワードBOX】犯罪と高齢者

 法務省の犯罪白書によると、刑法犯で摘発された65歳以上の高齢者は1998年には1万3739人(高齢者の割合は4・2%)だったが、2008年は4万8805人(同14・4%)に増加。以後も高止まりし、17年は4万6264人で、高齢者の割合は21・5%と2年連続で2割を超えた。一昨年に摘発された高齢者の罪名別では万引が56・4%と最多、2人に1人は再犯だった。

2019/6/16                西日本新聞

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