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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

従業員の75%が知的障がい者の会社が教えてくれる、働くことの意味

2016年07月08日 02時07分29秒 | 障害者の自立

 キラキラした夢や大きな理想を社長がメディアで語るウラで、社員はヒーコラ言いながら働いている、なんて会社は珍しくない。そりゃブラック企業が「うちはブラックでーす」と自覚をしていたら、まずオモテに出てこないだろうけど。
 私自身、社長が書いた「一大出世モノ」や「社員もお客様も神様です!」的な話は、常にナナメから読むようにしている。だから『日本でいちばん温かい会社』(大山泰弘/WAVE出版)も、そこらの社長本とそう変わらない、手前味噌な内容にあふれているだろうと思いきや! 舞台となった神奈川県川崎市のチョーク工場・日本理化学工業株式会社は、客観的に見てもとても「温かい」会社だった。

 日本理化学工業は粉が飛ばない、炭酸カルシウムでできたダストレスチョークを製造する会社で、現在はホワイトボードなどに使えて、濡れた布で拭けば消せるマーカー「キットパス」が主力商品になっている。この会社の何がどう温かいのか? それは2016年現在、社員80人のうち61人が知的障がい者であるということだ。

 現在、民間企業の障がい者雇用率は、法にもとづく制度により2.0%(国や地方公共団体は2.3%)と決まっていて、従業員が50人以上いる企業は、100人に2人の割合で障がい者を雇用する義務がある。それに満たないと、従業員が101人以上いる会社は1人の欠員につき、月5万円を納付しなくてはならない。しかしそれでも、障がい者社員がいない会社はフツーにある。そして以前『セックスと障害者(イースト新書)』(坂爪真吾/イースト・プレス)のインタビューでも紹介したとおり、障がい者の働く場が少ないことから、性風俗が精神障がいや、軽度の知的障がいを持つ女性の受け皿になっているという現実もある。そんななか同社は、1960年から知的障がい者の雇用を続けている。

 きっかけは東京都立青鳥養護学校(当時)の先生が訪ねてきて、生徒の就職をお願いしたことだった。その時、著者で現在は同社会長の大山泰弘さんは「精神のおかしな人を雇ってくれなんて、とんでもないですよ」と断った。しかし先生の

「あの子たちはこの先、15歳で親元を離れ、地方の施設に入らなければなりません。そうなれば一生、働くということを知らずに、この世を終えてしまうのです」

 という言葉を聞いて、とりあえず2週間の就業体験を受け入れることにしたそうだ。

 その時やってきた2人の女性にシール貼りの仕事を任せたところ、昼休みのベルが鳴っても手を止めようとしないほど、熱心に取り組んでくれた。その頑張りを見ていた社員たちから「雇ってあげてください」と言われ、「社会のアウトサイダー」だった知的障がい者の彼女たちを、「同情心から」雇ったと振り返っている。

 彼女たちは毎日満員電車に乗って通勤し、懸命に仕事に取り組み、どうしても言うことを聞かないときに「施設に帰すよ」というと泣いて嫌がった。その様子を見ていた大山さんは、「どうして、施設にいれば楽に過ごすことができるはずなのに、つらい思いをしてまで工場で働こうとするのだろうか?」と、逆にモヤモヤを抱えてしまうように。しかしある日出会った禅寺の住職に

「人間の幸せは、ものやお金ではありません。人間の究極の幸せは、次の4つです。その1つは、人に愛されること。2つは、人にほめられること。3つは、人の役に立つこと。そして最後に、人から必要とされること。障がい者の方たちが、施設で保護されるより、企業で働きたいと願うのは、社会で必要とされて、本当の幸せを求める人間の証なのです」

 と言われ、胸のつかえがとれたと語っている。

 障がい者は施設にいたら、職員たちに「ありがとう」と言うことはあっても、それを言われる機会はほとんどない。健常者には当たり前の、「ありがとう」と言われる喜びのために働いているのだと気づき、積極的に採用することになった。しかし彼らは、健常者のサポートが必要になることもある。「なのに同一賃金では納得いかない」という声が社員からあがるようになり、悩んだ末に、障がい者が主体的に働ける会社作りを目指したそうだ。

 彼らは饒舌に語ることはないが、たくさんの気づきを与えてくれる。まさに「無言の説法」をしてくれる貴重な存在だと、大山さんは見ている。現在、製造ラインのほぼ100%を知的障がい者の社員が担っている。文字や数字が理解できなくても、色などで識別できるように工程を工夫することで、「作業目標」という概念を彼らが受け入れられるようになったからだ。

「彼らの理解力に合わせた仕事の方法を考えてあげれば、安心して持てる能力を発揮して、生産性も決して健常者に劣らない戦力になってくれるのです。
大切なのは、働く人に合わせた生産方法を考えることなのです」

 そう語る大山さんは、とくに社員教育はしていない。ともに働き、健常者は障がい者の理解力に合わせて仕事を用意し、彼らの持つ「周りの人の役に立つことで幸せを感じる『共感脳』」を信じて、成長を待っていればうまくいくと考えているからだ。実際それはうまくいき、大山さんは「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一氏の精神を受け継ぐ経営者に贈られる「渋沢栄一賞」を、2009年に受賞するまでになった。大山さんはじめ、健常者の社員が温かく障がいを持つ社員の成長を待っていたことで、彼らもその気持ちに応えようとしたのだろう。

 本書では、日本理化学工業がどのように生まれ、どう成長していったかだけではなく、その時々における大山さんの気持ちの変化も読み取れる。働く楽しさを思い出させてくれるだけではなく、「障がい者の存在は無視できないけれど、どう付き合っていけばいいかわからない」という人にとって、気づきを与えてくれるかもしれない。

 2016年07月07日   ダ・ヴィンチニュース


バリアフリー・アプリBmaps海外へ

2016年07月08日 01時58分05秒 | 障害者の自立

米国とエクアドルで紹介  日本財団、国際組織と協定

日本財団は、バリアフリー情報共有アプリBmaps(ビーマップ)を海外に紹介するとともに、障害者を対象とした情報アクセシビリティ支援に取り組んでいる国際組織「G3ICT (The Global Initiative for Inclusive ICTs)」と共同事業を行う協定書を締結しました。今後、G3ICTと協力して情報アクセシビリティ促進に関する先進的な取り組みを進めていきます。

国際組織との調印式に出席した大野修一・日本財団常務理事
国際組織との調印式に出席した大野修一・日本財団常務理事(中央)

協定書の調印式は6月13日、米国ワシントンDCのルネッサンス・アーリントン・キャピタル・ビュー・ホテルのVIPルームで行われました。障害者支援分野における国際組織との協定書締結は、昨年12月の国際連合教育科学文化機関(UNESCO)、今年4月の世界銀行に続き、3つ目となります。

<障害者にとって不十分な情報アクセシビリティ>

アクセシビリティには、建物の段差やスロープの有無などのハード面と、必要な情報に容易にたどり着け、利用できる情報面のアクセシビリティがあります。後者の情報アクセシビリティに関しては、IT(情報通信技術)の発展が情報アクセシビリティの促進に大きく貢献してきたものの、障害者にとっての環境整備はまだ十分とはいえません。今回の協定書の目的は、障害者支援の活動を行っている日本財団と、ITやアクセシビリティに専門性を持つG3ICTのリソースを活用し、障害者にとっての情報アクセシビリティを促進するための取り組みを行うことです。調印式では、日本財団とG3ICTだけでなく、マイクロソフトなども協定を締結し、障害者の情報アクセシビリティ向上に取り組んでいくことを宣言しました。

<バリアフリー・アプリBmapsの海外展開>

障害者や高齢者、ベビーカー利用者など、外出することに不安を感じる人にとっての「情報の壁」は解決すべきテーマの一つです。日本財団は、株式会社ミライロ(垣内俊哉社長)とバリアフリー情報共有アプリBmapSを開発し、このテーマに取り組んでいます。今年4月にリリースしたBmapsは既に多くの民間企業や地方自治体と連携しています。

キト市のイベントに参加した垣内社長と大野常務理事
<キト市のイベントに参加した垣内社長(中央)と大野常務理事(後方左から3人目)

今年6月には、エクアドルの首都キト市とワシントンDC、ニューヨークを訪問しました。キト市では、現在エクアドル政府と共にBmapsを用いたプロジェクトを進めています。具体的には、10月にキト市で行われる街づくりや都市づくりに関する国連会議「国際連合人間居住計画(ハビタット3)」に向けて、Bmapsを使ってキト市のバリアフリー情報を収集しています。既に会場付近では400以上のデータ登録が完了しており、会議が始まる10月までに4,000のデータ登録を目指しています。

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国連本部でBmapsの開発について語る垣内社長(中央)

また、ワシントンDCではM-Enabling Summitと呼ばれるITや情報アクセシビリティに関する国際会議で、ニューヨークでは障害者権利条約締約国会議が開かれた国連本部で、それぞれBmapsの紹介を行いました。

エクアドルと米国でBmapsの紹介後、企業などから積極的な海外展開を打診されるなど、注目度の高さがうかがわれました。「誰もが安心して外出できる社会つくり」に向けて、さらなるデータ登録が必要で、今後も様々な機関、団体と協力してデータの充実に取り組む方針です。


視覚障害の女性にメーク術伝授 気持ち明るく前向きに

2016年07月08日 01時47分13秒 | 障害者の自立

 目が不自由な女性たちが、自身で化粧を楽しめるよう支援する活動が広がっている。大人の女性にとって化粧はごく日常の行為。だが、視覚障害のために化粧ができず、外出をためらう人も少なくない。「きれいになりたい」という当たり前の願いがかなうことで、他者とのコミュニケーションが生まれ、気持ちが前向きになるという。

顔上げて生きる

 「メークを習ったおかげで、顔を上げて生きられるようになりました」

 大阪府東大阪市に住む松下恵さん(56)は、きれいに化粧した顔をほころばせた。41歳のとき、網膜剥離(はくり)になり、現在はほぼ全盲。「見えなくなってすぐの頃は、見えていたときの感覚で化粧をしていた。でも『口紅、はみ出してるよ』と言われて…。しばらく外に出られませんでした」

 松下さんは5年前、知人を介して視覚障害者のためのメーク術を研究する大石華法さん(50)=大阪市=と知り合った。

 美容に関わる仕事をしていた大石さんはその3年前、視覚障害者の女性との出会いをきっかけに、自ら暗闇のなかで試行錯誤し、鏡がなくてもできる視覚障害者のための化粧法「ブラインドメイク・プログラム」を考案。普及のため、平成22年に「日本ケアメイク協会」を設立し、メークレッスンを行ってきた。

 松下さんも1時間のレッスンを10回受け、今は1人でフルメークができるようになった。「9年前の長女の結婚式のときは、プロにしてもらった化粧が崩れるのが怖くて泣けなかった。でも3年前の三女の結婚式では泣きました。あの時は本当にうれしかった」

両手で左右対称に

 6月、松下さんは製薬大手のファイザー(東京都渋谷区)が開いたセミナーで、「ブラインドメイク」を披露した。化粧水などで肌を整えた後、下地を両手で温めてから顔に伸ばす。ファンデーションは大きなブラシを使い、顔の右側は右手、左側は左手で塗る。アイシャドーはそれぞれの指で、マスカラはまぶたに付かないよう、医療用のテープでガードしてから。口紅は両手の小指に取り、中央から左右に伸ばす。所要時間は15分弱だ。

 大石さんは「女性にとって化粧は自己表現。視覚障害があっても同じです。化粧をすると表情が明るくなってしぐさも変わる。相手に顔を向けて話せるようになるんです」。現在は日本福祉大学大学院で、美容が障害者の社会参加に与える影響を研究しながら、支援者らにも「ブラインドメイク」を教える活動に力を入れる。

介助者とともに

 一方、東京都内で障害者の自立支援イベントなどを手がける一般社団法人「セルフサポートマネージメント」(練馬区)も、24年から年2回のペースで視覚障害者向けのメーク教室を開催している。

 代表理事の石井暁子さん(42)は全盲だ。自宅に来ていたヘルパーの女性がメーキャップアーティストでもあったことから、自身のメークについて相談するうちに、ともに教室を開くようになった。

 6月に都内で開かれた教室には20~70代の女性とその介助者約20人が参加。しみなどの肌トラブルをカバーする方法や、今年のトレンドを反映したメーク術を学んだ。

 「年齢とともに肌は変化する。介助者には『心を鬼にして、しみの場所を教えて』と言います。メークのトレンドも季節で変わるし、みな流行も知りたいんです」と石井さん。

 夫婦で参加する人もおり、約3時間の教室が終わると、妻を外食に誘う夫もいるという。石井さんは「化粧はコミュニケーションのツール。失敗することがあっても直せばいい。外に出るきっかけになれば」と話している。

自身でスムーズにメークをする松下恵さん(左)を見守る大石華法さん=東京都千代田区

2016.07.08   産経ニュース


高齢者らの再犯防止と社会復帰、千葉地検が力

2016年07月08日 01時43分06秒 | 障害者の自立
 

 高齢者や知的障害者らの再犯防止と社会復帰の支援に千葉地検が力を入れている。

 2015年度は外部からアドバイザーを招いて態勢を拡充し、支援対象者を前年度から5倍以上に増やした。地検は「治安維持を担う地検にとって非常に大事な活動」としている。

 執行猶予付き判決を受けたり、不起訴になったりした高齢者や知的障害者らの社会復帰を手助けしようと、地検は13年、「再犯防止推進室」を設置。千葉県内各地の中核地域生活支援センターを紹介するなどしている。同センターでは、生活保護申請や居住先確保で相談に乗ってもらえる。15年4月からは非常勤のアドバイザーとして社会福祉士の大浦明美さん(58)を迎えた。

 大浦さんは県社会福祉士会理事を務め、保護観察所や自治体の福祉担当部署、福祉機関などとパイプがある。大浦さんは「関係機関とスムーズに連絡を取ることができ、福祉に携わってきた経験を生かすことができている」と話している。

 地検によると、支援の対象者は14年度の23人から15年度は118人に増えた。地検内部でメールやリポートを出して周知を図るとともに、各地の社会福祉協議会などとの会合で取り組みを説明するなど、活動PRを続けている。今年4月からは被害者支援業務と併せ、「被害者支援・再犯防止推進室」を設置し、大浦さんと検察官、事務官ら計17人の態勢を敷いた。広瀬勝重次席検事は「軌道に乗るまで時間はかかると思うが、活動の推進で再犯防止につなげたい」と話している。

2016年07月07日   Copyright © The Yomiuri Shimbun

「一定期間の地域医療従事、医師の義務に」- 市長会、障害者施策では財政措置求める

2016年07月08日 01時36分03秒 | 障害者の自立

 全国市長会は、地域医療・福祉施策などに関する重点提言を公表した。地域間や診療科間での医師の偏在を改善するため、一定の間、医師に地域医療への従事を義務付けることなどが提案されている。また、介護保険制度における低所得者保険料の軽減強化や障害者施策への財源確保も強く要望している。

 全国市長会の重点提言は、先月に開かれた第86回全国市長会議で審議・採択された各支部からの提出議案のうち、医療保険制度や介護保険制度、地域医療や福祉施策など、二十分野に関する提言を取りまとめたもの。既に同会では、すべての国会議員と関係府庁に重点提言を提出し、その実現を要望している。

 重点提言のうち、地域医療と福祉施策については、産科医や小児科医、麻酔科医などをはじめとした医師や看護師の不足や地域間・診療科間などの偏在の実態を踏まえた即効性のある施策と十分な財源措置を早急に講じるべきと指摘。具体策として、一定の間、地域医療に従事することを医師の義務とすることなどを盛り込んだ。そのほか、がん検診推進事業やワクチンの定期予防接種に対し、十分な財源措置を講じることも求めている。

■介護保険料の低所得者対策、必要財源の確保を強く要望

 介護保険制度については、低所得者の介護保険料やサービス利用料の軽減策は、「国の責任において、財政措置を含め総合的かつ統一的な対策を講じるよう、抜本的に見直しを行うこと」と提案した。特に、消費税率の10%への引き上げによる税収増で実施が見込まれていた低所得者を対象とした介護保険の1号保険料の負担軽減策については、その実施に向け、必要な財源とされる約1400億円を確実に確保することを強く求めている。

 そのほか、次の介護報酬改定で、報酬体系の簡素化や介護従事者全体の処遇改善などを実現することも要望した。

 障害者施策については、障害者の自立と社会参加に向けた施策を充実させるため、自立支援給付や地域生活支援事業、障害者通所支援事業、相談支援事業などについて、都市自治体の超過負担が生じないよう、十分な財政措置を講じることを要望。医療保険制度については、将来にわたり安定的で持続可能な制度とするため、すべての国民を対象とした制度の一本化を目指し、抜本改革を実施することなどを提案した。

2016年07月06日   キャリアブレイン