ゴエモンのつぶやき

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エコキャップNPO理事長の懺悔と弁明 寄付金どこに消えた?

2015年05月27日 01時05分13秒 | 障害者の自立

「途上国へのワクチン支援になる」というキャッチコピーで広がったペットボトルのキャップを集める活動は、小中学校や幼稚園などが参加する国民的運動になった。

 ところが、キャップを集めるNPO法人「エコキャップ推進協会」が1年以上にわたってワクチン寄付をしていなかったことが発覚し、大騒動になっている。怒りの声が巻き起こるなか、渦中のNPO理事長が取材に応じた。

「キャップを集めてくださった皆さんには、説明不足を率直にお詫びしなければなりません」

 そう語るのはエコキャップ推進協会(エコ推)の矢部信司・理事長だ。2007年8月に設立されたエコ推は、ペットボトルのキャップを全国から集め、リサイクル業者に売却。その利益を途上国の子供たちのワクチン代として、JCV(世界の子どもにワクチンを日本委員会)という別のNPO団体に寄付してきた。

「ペットボトルのキャップを集めて世界の子どもたちにワクチンを届けよう!」というフレーズは世間に広く浸透し、これまでに約123億個のキャップが回収された。

 ところが今年4月になって、エコ推が昨期(2013年9月~2014年8月)、約9000万円の収入があったにもかかわらず、JCVに1円も寄付していなかったことを朝日新聞が報じた。今期もJCVに寄付はなく、「ワクチン寄付はなかった」と新聞・テレビが大きく報じ、インターネットなどでは「国民の善意をネコババした」と大批判を浴びた。

 最大の疑問は「9000万円はどこに消えたのか」だ。矢部氏が答える。

「決して私腹を肥やしたわけではありません。昨期は1900万円を障害者支援事業に充てました。主に『エコステーション』を設置する事業で、各地の障害者施設と連携してキャップの洗浄・異物除去などをやってもらい、障害者の雇用を生み出すプロジェクトです。

『キャップをワクチンに』というフレーズを先行させましたが、団体設立当初から障害者の自立支援事業をやってきましたし、定款にもそう書いています。今回の報道が出る前から、HPで昨期は障害者の雇用創出・自立活動を集中的に展開したことを告知していました。しかし、全国の皆さんにご理解いただくには、周知が全く足りなかった」

 昨期に限らず、エコ推がワクチン支援以外の寄付も行なってきたことは事実である。東日本大震災の時には計4000万円を被災県に寄付している。だが、1900万円が障害者支援に使われたとして、残り約7100万円の使い途は何だったというのか。

 矢部氏は人件費が約3900万円かかったと話す。

「スタッフは13人いて平均年収は300万円に届かない状況です。恥ずかしいことに私が2012年に理事長になる前はもっと酷く、30代の男性が交通費込みで月収14万円というブラック職場で、辞めていく人も多かった。雇用保険も社会保険も整備されていなかった。スタッフの待遇改善が必要だったわけですが、彼らが責められていることも申し訳ない」

 その他に事務所家賃などの管理費に約3200万円が充てられたという。

※週刊ポスト2015年6月5日号


「聞く・話す」議場で実演 北区の聴覚障害議員支援

2015年05月27日 00時59分17秒 | 障害者の自立

 北区議会は25日、全国で初めて議場で導入する聴覚障害者向け支援システムの実演を報道陣に公開した。パソコンやタブレット端末を活用し、音声と文字を変換する仕組みで、聴覚障害のある議員が「聞く」「話す」ための環境を整える。耳が不自由な斉藤里恵議員(31)が本会議に初めて出席する26日の臨時会を前に、職員らが議長や議員と書かれた札を下げ、システムの運用方法を説明した。 (中村信也)

 実演されたのは、議長の開会あいさつ、書記の報告、一般質問と答弁の計約十分間。聴覚障害のある議員席にはパソコンとタブレットが置かれており、議長らが発言すると、音声が文字に変換されてタブレットに表示された。表示は横三十字、八行の設定で、発言に間が空くと改行される。

 障害のある議員役が発言する場面では、パソコンを持って演台へ。事前に入力された「区議会議員は区民の代弁者」という文章が音声に変換され、議場に流れた。

 区議会事務局は変換の精度を上げるため、人名や地名、議会用語など約三百の単語をソフトに登録してあり、事前のテストでは音声認識の精度は90%以上だったという。

 ただ、誤って変換されてしまうケースもある。この日は書記が区長の招集告示として、「東京都北区長/記/一つ/日時…」などと読み上げたうち、「記」が「軌」と誤って表示された。単語を間を置いて読むと誤変換が生じやすくなるという。音声と文字表示の時間のずれにより、採決時に起立するタイミングを逸しないかとの懸念もある。

 担当者は「ひどい誤変換がある場合は障害のある議員に伝えたり、採決時にサポートしたりすることを考えている」と話している。

パソコン操作で質問する聴覚障害のある区議役の北区職員=北区議会で

2015年5月26日    東京新聞


点と線、繊細な筆遣い 障害持つ佐藤さん、四日市で31日まで /三重

2015年05月27日 00時55分10秒 | 障害者の自立

 知的障害を抱えながら作画に励む佐藤慎也さん(39)=四日市市塩浜=の個展が、同市山田町の小山田美術館で開かれている。点と線を駆使し、精巧に描かれたアクリル画などが来館者の目を引いている。

  佐藤さんは幼少の頃から、好きな乗り物を描き始めた。小中学生時代、市内の障害者施設に入所していた間も、絵画と触れ合った。愛知県春日井市の職業訓練校を卒業し、現在は四日市市内の温泉施設に勤めている。

 就労後の一時期、ふさぎ込んで筆をおいたこともあったが、父稔さん(74)の誘いで四日市港へ写生に出かけてから、再び創作意欲が出てきたという。

 展示会は5回目。今回は「点と線 空間の時間」と題し、アクリル、水彩画など50点余を出品した。このうち、アクリル画の近作は電車や動物、花、風景などを自ら撮った写真やスケッチをもとに、点と線を組み合わせた繊細な筆遣いで表現している。中学時代や20代の作品もあり、成長の軌跡をたどれる。

 稔さんは「人との対話は苦手だったが、個展を開くようになって性格も明るくなった。近年は描写も細密になってきた」と話した。

 31日まで、入場無料。午前10時〜午後4時(31日は午後3時)。

〔三重版〕   毎日新聞 2015年05月26日