グラフィックディレクター 大里早苗 ブログ

東京港区のデザイン会社、グラフィックメイトの代表を務める大里早苗のブログです。

「奥付」 制作者にとっても大切です

2023-06-23 14:05:21 | 記念誌・年史のあれこれ
東京港区の編集もできるデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
奥付をご存じですか。奥付とは、本の本文が終わった後や巻末に記載されている本に関する情報です。

奥付には、多くの場合次のようなものが記載されています。

・タイトル
・版数
・刷数
・著者名
・発行者
・発行所
・発行年月日
・印刷所
・ISBNコード
・著作権表示

以前は定価が書かれていることがほとんどでしたが、最近は消費税が変動するせいか、定価はカバーや表紙に表示されていることが増えたように思います。その方が取り替えがしやすいからでしょう。
こんなふうに、奥付とは出版物に対する責任を明確に示すための重要な部分です。そして読者が出版物に関する情報を得るためにも役立ちます。
版数や刷数が多ければ、その書物が人気があることの目安にもなります。

当社で制作する年史や社史にも奥付を掲載することが多いです。もちろんクライアントさんの意向を踏まえてですが、大体の場合は「入れましょう」となります。書物に対する責任を明記することは大事なことだと思っています。


▲巻末に掲載されている奥付


奥付は制作側にとっても大切です。
印刷所や製本所についての記載があることで責任の所在がはっきりしますし、ときには仕事につながることもあります。
当社も「○○○社さんの社史を見て連絡しました」というお問合せをいただくことがあるんですよ。
むしろ制作側にとっては自社の仕事をアピールする大事な場面なのかもしれません。

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グラフィックメイトでは社史・年史・記念誌制作についてのご相談を受け付けています。
オンライン相談は初回無料(30分程度)/メール相談無料。
まずはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

●こんなこともご相談にのります。
 社史年史ってそもそもどうやって進めれば良いかわからない
 ○周年までに制作したいけれど、間に合う?
 社員みんなで作る方法はある?
 社員はあまり関われないけどどこまでやってもらえる?
 社史年史の有効な使い方は?
 他社さんの見積額や進行について適切か知りたい
 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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年史制作 何はなくとも「期間」と「予算」

2021-11-05 16:10:47 | 記念誌・年史のあれこれ
東京港区の編集もできるデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
グラフィックメイトは年史、記念誌の制作を手がけて54年。さまざまなタイプの年史、記念誌を制作してきました。年史・記念誌の制作でまず考えなければならないのが「期間」と「予算」です。

期間を決める条件には、次のようなものがあります。

・創業からの年数は?
・初めての年史制作か、2回目以降か?
・何年分をまとめるのか?
・総ページ数は?
・資料は整理されているか?


とは言え一般的に大きく影響するのが、年史を配布する記念式典などの日程が決まっている場合です。動かせない締切に向かって、上記の条件をクリアしていく必要があります。
締切がまだ決まっていなくても、できるだけ早い始動を。締切が決まってしまっているなら、一刻も早い始動が必要です。

次に予算です。予算によって、制作できる社史・年史の仕様、部数が決まってきます。
制作工程は次のようなものがありますが、そのうちどこまでを自分たちで行うのか、どこまでを依頼するのかによって費用は大きく変わってきます。

編集、取材、原稿作成、撮影、表・グラフ・年表の作成、
誌面のデザイン・レイアウト、校正、進行管理、印刷、製本

ページ数や、どんな仕上がりの型にするか。判型と言われるサイズの選択や、どのような用紙を使用するかという点も予算に影響してきます。
いくつもの要素が複雑に絡みあっていますので、編集・デザイン会社や印刷会社に見積り依頼をされることをお勧めします。

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 ○周年までに制作したいけれど、間に合う?
 社員みんなで作る方法はある?
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年史制作の手順

2021-09-24 11:45:08 | 記念誌・年史のあれこれ

東京港区の編集もできるデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
グラフィックメイトは年史、記念誌の制作を手がけて54年。さまざまなタイプの年史、記念誌を制作してきました。
写真集のような年史、雑誌のような年史、小説のような年史。組織内の多くの方を巻き込んで楽しく作った記念誌もあります。書籍や冊子の形のものばかりではなく、電子書籍やDVDに収録したものもあります。いろいろな形の年史、記念誌がありますが、年史制作の基本的な手順をご紹介します。

1 編集体制づくり、基本方針の検討
  ・社内スタッフを募ったり外部スタッフの採用で編集体制を整えます。
  ・どのような社史・年史にするのか編纂方針を明確にします。

2 スケジュールの作成
 ・刊行予定日から逆算して制作スケジュールを作成します。

3 編集方針決定、仮目次作成
 ・刊行目的などから編集方針を決定し、仮目次を作成します。

4 資料収集、取材
 ・執筆のための詳細資料を集めます。
 ・必要に応じて取材や撮影を行います。

5 素年表作成
 ・執筆や編集の基礎資料となる素年表を作成します。

6 原稿執筆
 ・資料や取材に基づき原稿を作成します。

7 原稿チェック
 ・編纂の責任者に目を通してもらい必要に応じて修正します。
 ・固有名詞や日付などの内容や表現もチェックします。

8 デザイン・レイアウト
 ・決定した文章や写真でデザイン・レイアウトをします。
 ・表紙デザインのほか、グラフや表の作図なども行います。

9 カンプチェック、校正・校閲
 ・原稿のチェック、デザインやレイアウトの確認をします。
 ・一冊を通して内容や日時などの整合性が取れているかなども確認します。

10 印刷・製本・配布
 ・印刷用のデータを作成し印刷、製本を行います。
 ・どのように配布するか、事前に計画を立てておきましょう。

グラフィックメイトでは、お客様のご要望に応じてどの段階からでもお手伝い致します。進行管理やアドバイザーとしてのお手伝いも可能です。
年史や記念誌は「こうであるべき」という決まりはありません。最近ではマンガやイラストなどビジュアル重視のものも増えています。「老舗企業が作るもの」「大会社が作るもの」と思い込まず、「我が社らしい」年史、記念誌を作ってみませんか。

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グラフィックメイトでは社史・年史・記念誌制作についてのご相談を受け付けています。
オンライン相談は初回無料(30分程度)/メール相談無料。
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 ○周年までに制作したいけれど、間に合う?
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世界のブックデザイン2018-19

2019-12-16 05:20:04 | デザインいろいろ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
12月14日(土)から、印刷博物館・P&Pギャラリー「世界のブックデザイン2018-19」が始まりました。それに先立ち13日(金)には内覧会とレセプションが行われ、私も出席させていただきました。


▲「世界のブックデザイン2018-19」


会場には「世界で最も美しい本コンクール」の入選図書をはじめ、ドイツ、オランダ、中国…など7カ国のコンクール入賞図書など170点が展示されています。見た目の美しさだけでなく、本の内容との整合性や本を手にした時の風合いなど、さまざまな観点から選ばれた素晴らしいブックデザインの数々です。それらを実際に手にとって触って、その感触を感じることができます。
技術的にも優れた本が展示されていて、特殊な製本方法の本、特色7色刷りの本…など大変興味深いものでした。



デザイン関係の方だけでなく、本好きの方にもおすすめです。

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納品完了!

2019-04-05 13:55:17 | 小さな会社のひとりごと
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
新年度初の納品が完了しました。業界団体さんが毎年発行されるガイドブックです。
製本不備などもなく、きれいな仕上がりでホッとしました。


▲製本不備などもなくカドまできれいに仕上がっていました


近年、配送料や用紙の値上がり等があり印刷物制作のコストもアップしがちですが、紙(冊子)のほうがわかりやすい、伝わりやすい、ということもまだまだたくさんあります。
今年度も業界のみなさまに活用していただけますように!

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中綴じ製本は4の倍数

2019-01-15 13:09:38 | PTA広報委員の覚え書き
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
PTA広報誌の見積のご相談がありました。
「年4回の発行でA4サイズなんですが」
「ページ数はどのくらいですか?」とお尋ねすると、
「そうですね…号によって変わるんですが、とりあえず10ページで見積もってください」とのお返事。

PTA広報誌などは通常「中綴じ」という製本方法になります。ページ数の少ないものに向いているうえ安価です。開いた状態の紙を重ねていくので、ページ数は4ページずつ増えることになります。


▲中綴じ製本は4の倍数でページが増えます


そういう事情をご説明し、今回は12ページでのお見積もりをさせていただくことになりました。
中綴じの場合、「あと1ページ増やしたい」と思っても4ページを増やさねばならず、印刷・製本コストにも関わってくるのでご注意ください。


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[世界を変えた書物]展

2018-09-21 10:36:49 | 小さな会社のひとりごと
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
上野の森美術館で『[世界を変えた書物]展』が開催されています。書籍の造本設計、デザイン、レイアウトを仕事としている身としては、以前から気になっていた展示会なのですがなかなか足を運べずにいました。土曜、日曜は大変混雑しているとのことだったので、近くで打ち合わせの予定があったのをこれ幸いと、その帰りに思い切って寄ってみました。


▲[世界を変えた書物]展。上野の森美術館で開催中。

金沢工業大学ライブラリセンターの『工学の曙文庫』に収蔵されているコレクションから選りすぐりの稀覯本が展示されていました。『工学の曙文庫』の名が示す通り、その後の世界に変革をもたらした理学、工学の発展に寄与した名高き書物(しかも初版)が並んでいました。
「古代の知の伝承」「ニュートン宇宙」「解析幾何」「力・重さ」「光」「物質・元素」「電気・磁気」「無線・電話」「飛行」「電磁場」「原子・核」「非ユークリッド幾何学」「アインシュタイン宇宙」の12の系統に分けられかつ、それぞれのゆるやかなつながりが示唆された展示となっていました。
展示された書物の一例をあげると、ユークリッド(エウクレイデス)「原論」、コペルニクス「天球の回転について」、デカルト「方法序説」など。湯川秀樹さんのノーベル物理学賞受賞の元となった論文「素粒子の相互作用について」が製本されたものもありました。


▲ユークリッド(エウクレイデス)「原論」


▲デカルト「方法序説」


▲湯川秀樹さんのノーベル物理学賞受賞の元となった論文「素粒子の相互作用について」


ありがちな印象ですが、オリジナルの原書には“モノ”としてのまとったオーラを発しているようで、本という形に改めて好ましいものを感じてしまいました。ただ、そんな中にもふと思うことがありました。
展示された初版本は活版で印刷されているので、どんなに遡っても、グーテンベルグが活版印刷を実用化した15世紀以降に作られたものです。ユークリッドなどは紀元前の人ですから、それ以前の手稿本が残っていて、それを元に目の前の書物ができあがったということでしょう。となれば、オーラを放っているのは“モノ”ではなく、著者の知的営為なのかもしれません。そのエッセンスをいかに伝えていくかということなのでしょう。
印刷という技術によって、それが多くの人の手に届きやすくなったという歴史が今回の展示のテーマだったのですね。
この文章を読んでいただいているインターネットも、多くの人の手に様々なものを届きやすくした技術です。印刷物という物体から電子的な書物への変化も当然の流れなのでしょうね。
とは言え、人間の英知の集積は感動的なものでした。(それぞれの内容はほとんど理解していないのですが)

『世界を変えた書物』展の会期は9月24日までです。入場無料ですので、お時間をある方は足を運ばれてはいかがでしょう。

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製本不備

2018-07-23 11:20:18 | 印刷通販
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
毎月発行の広報誌制作をしています。印刷には短納期が可能な印刷通販を利用し、当社から入稿してクライアント様に直接配送してもらっています。先日制作した分がそろそろ納品されるころ…と思っていたら、クライアント様から製本不備があったというご連絡が入りました。「製本箇所が裂け、針が取れているもの、取れかかっているものが多数…」とのことでしたので、すぐにお伺いし状態を見せていただきました。


▲ホチキスの針がとれかかっています


▲納品された箱の中にはとれた針が落ちていました


その日に発送の予定で短納期印刷で進めていたのに、これでは発送どころではありません。
すぐに印刷会社に電話をしましたが電話はなかなかつながらず、Webフォームからの問い合わせメールに帰ってきくるのはもちろん自動返信メールです。ようやく電話がつながり、とにかく大至急印刷し直してくれるよう依頼しました。
印刷会社のほうでは速やかに再印刷・再納品を手配してくれたのですが、なぜこのようなことになったのかはわかりません。センサーの不調と思われる、とのことでしたが、印刷から梱包・発送まで、人の目にふれずに機械だけで進んでいくのでしょうか。何よりも、連絡がなかなかとれなかったことが大きな不安となりました。

クライアントさんからは「グラフィックメイトさんのせいではありませんから。刷り直しの対応をありがとうございました」と言っていただきましたが、発送が遅れてしまったことを大変申し訳なく思います。自分たちの努力だけでは避けられない事故ではありますが、再発防止を心がけていきたいと思います。

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配布したくなる年史

2018-04-13 09:42:56 | 記念誌・年史のあれこれ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
ある企業さんの周年史を制作させていただいていました。1年以上にわたる制作期間を要しましたが、先ごろ納品し周年記念式典で配布されました。年史はとても好評だったというご連絡をいただき、私どもとしても大変嬉しく思いました。
この年史、当初は1000部印刷の予定でしたが、途中、1200部に、1500部に…とご希望数が増えていき、最終的に2000部の印刷となりました。これは年史が完成形に近づくにつれ、トップの方があちこちに配布したくなり必要部数が増えていった結果とか。「配布したくなる年史」ができたことは、編纂委員のみなさんの奮闘があったからこそ、ではありますが、原稿作成やデザイン・レイアウトをさせていただいた当社としても本当に嬉しいことです。

さて今回のように印刷部数が倍になるような変更は、ときとして印刷会社さんに無理をお願いすることになります。
印刷会社さんではあらかじめ印刷機の稼働予定を組んでいます。部数が増えると稼働時間(日数)を増やさねばならないので、繁忙期には機械のやりくりがつかず、増刷が困難なこともあります。製本部数も増えるので、製本日数も予定よりも必要になります。
今回は納品予定日から式典までの間に時間的余裕を見ていたことと、印刷会社さんのご尽力もあって式典までに部数増加が間に合いました。
今後も「配布したくなる年史」制作のための進行を心がけていきたいと思います。




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印刷通販6 色校正

2016-03-22 15:28:18 | 印刷通販
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
当社は一般の印刷会社さん利用の場合はもちろん、印刷通販利用の場合でも色校正をおすすめしています。

色校正とは、印刷物を作成するにあたって、実際の印刷の前に色や写真の出具合を確認する試し刷りのことを言います。色校正にはいくつかの方法があり、必要な精度や予算などによって使い分けます。

「いくつかの方法」というのは印刷会社さんによって異なりますが、大きく分けると2つの方法があります。実際の印刷と同等の仕上がりの「本機校正」と、本機校正に比べると色の再現性が低い「簡易校正」です。「簡易校正」という方法の中にはプリンタ出力程度のものから、比較的色の再現性も良いものまでいくつかの方法がある印刷会社さんが増えてきました。そのため「簡易校正」と言った場合の精度が、依頼した側と印刷会社さん側で異なることもあるので注意が必要です。

この点について、印刷通販さんは非常に分かりやすい紹介をしてくれています。通販…つまりネットからの依頼を前提としていますから、Webサイトで具体的に色の再現性の精度やコストについて説明してくれています。費用も明確なので、色校正の使い分けには大変参考になります。

色校正を納品していただくにあたって困ることがあります。「製本」です。当社のようなデザイン会社がお客様に校正を見ていただく場合は、なるべく実際の印刷物に近い状態で見ていただきたいのですが、校正紙を製本してくれるところがあまりありません。大きな紙に8ページ分、あるいは16ページ分を印刷した校正紙を製本しない状態でお渡ししても、お客様はどう見たらよいのか分かりにくいと思います。16ページ程度のものであれば当社で製本するのも可能ですが、100ページ近い冊子ものなどですと、製本も厄介になってきます。

「簡易校正」を製本して納品してくださる印刷通販があるといいのになぁと常々思っています。





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造本装幀コンクール

2014-07-03 13:42:00 | デザインいろいろ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
今年も7月2日から5日にかけて、東京国際ブックフェアが開催されています。


広い会場に無数のブースがあって、とても全部は見られません。会場案内図を見て、見たいコーナーを目指して進みます。

一番のお目当ては「造本装幀コンクール」のコーナー。造本技術・装幀デザインが優秀な本で以下の条件を備えているものが並んでいます。
・造本目的と実用性との調和がとれており、美しく、かつ本としての機能を発揮しているもの。
・編集技術ならびに表紙・カバー・本文デザインが創造性に富み、将来に示唆を与えると認められるもの。
・印刷・製本技術が特に優れているもの。
・材料の選択が特に優れているもの。
(「一般社団法人日本印刷産業連合会」の審査基準より)


入賞作品はどれも素晴らしく、それらを触ってみることができるのも嬉しいです。箔押しのもの、特殊印刷をほどこしているものなどもあり、潤沢な費用をかけられることにうらやましさも感じます。
もちろんアイデアが素晴らしいものもあり、アイスクリームのコーンとその包み紙をイメージした装幀など、「なるほど!」と思わされます。
(それだって、コストは通常より大分かかっているはずですが)

そんな中でふと手に取った一冊の写真集は、装幀もさることながら中の写真も素晴らしいものでした。奥付けを見たら、知り合いの写真家さんも参加されていました。う~ん、こんなお仕事されてうらやましい!



素材、技術、アイデア、デザインがひとつとなった素晴らしい本の数々。「情報」を伝えるだけでない、「本」としての形にぜひ触れてみてください。




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「小口」にご注意

2013-02-27 12:34:57 | DTP覚え書き
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
「中綴じ冊子」を作りたいというご相談がありました。
中綴じ冊子は週刊誌などによくある綴じ方で、中心を針金で止める方法です。用紙にもよりますがページ数の多いものには不向きで、ネット印刷などでは64ページまでというところが多いようです。今回は80ページでのご依頼で、印刷会社さんに相談してギリギリという中で対応いただくことになりました。

「中綴じ」は全体を折り曲げた状態で断裁されます。そのため中心部と外側では1ページの広さが変わってきてしまいます。今回ご依頼のあった80ページでは3mm程度変わってくると予想されています。

これによって注意が必要なのが小口(本の開く部分)の処理。今回のお客様も、辞書にある「あ」「か」「さ」…のような小口装飾をご希望でした。

▲小口装飾の例。厚い冊子や本では重宝します。

小口の断裁量がページによって異なる中綴じでは、そのままでは小口装飾した部分のサイズが変わってしまいます。「文字が欠けてしまった」ということさえ起こりかねません。

小口装飾をやめるか冊子の綴じ方を変えるか。
中綴じは比較的安価な製本方法ではありますが、使い勝手も考慮して適切な造本計画をお勧めしたいと思います。




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社史・年史のお見積もり2

2013-01-25 16:53:40 | 記念誌・年史のあれこれ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
社史・年史制作はおおざっぱに言うと、「原稿作成」「編集・構成」「デザイン・レイアウト」「印刷・製本」という工程があると前回書きました。

まず「原稿作成」についてですが、ここでいう「原稿作成」とは文章を書くことだけではありません。

■資料整理・収集
  売上げや役員変遷ほか事業拡大の数値データの整理
  個人所有の写真借り受け、レンタルフォト手配
■取材・調査
  インタビューや座談会により過去の事実確認
  文献等による調査
■執筆
  執筆者の選定
  コラムや寄稿の人選、テーマ選択

このような「原稿を書くための準備」が多々あります。これらを誰が行うかによって、予算のかかり方が変わってきます。
社内で行うことができれば、「外注費用」としてはかかりません。しかし通常業務が忙しく、社史・年史制作にあたれる人員がいないとなると、外部へ委託することになります。あるいは社内の方が残業してこれらの仕事にあたるならば、厳密には「残業代」などがかかってきます。
また、取材・調査などはプロのほうが効率よく進められるという面もあります。

どういう仕上がりを求めているかによって、これらへの注力の仕方が変わります。求める完成形、注力の仕方、外部への発注の割合などによって、費用は大きく変わってきます。




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社史・年史のお見積もり

2013-01-23 09:42:58 | 記念誌・年史のあれこれ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
社史・年史制作についてお問い合わせいただくとき、まず聞かれるのが
「○年史だといくらくらいでできますか」。
「○年史」という年数でおおまかにでも見積もれるとお考えなのかもしれませんが、それでは全くお見積もりができません。

年史制作をおおざっぱに言うと、以下のような工程があります。
 1、原稿作成
 2、編集・構成
 3、デザイン・レイアウト
 4、印刷・製本

1~4のそれぞれの中にもさまざまな工程があります。それのどこまでを当社にご依頼になりたいのか。まずはそこからお伺いしなければなりません。逆に「いくらで作りたい」というご予算が決まっていれば、その範囲での制作・造本方法をご提案することも可能です。

1~4の中の工程について触れながら、ご予算立ての参考となるようなことを次回以降に書いていこうと思います。




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広報誌の制作15 色校正・印刷

2012-08-25 14:59:44 | 中小企業の広報誌制作
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
印刷所に回した印刷物は、多くの場合「色校正」を出してもらいます。これは文字どおり色を確認するものです。イメージどおりの濃度に出ているか、グラデーションがトーンジャンプなどせずにきれいに出ているか…など、色に関する確認をします。
もちろんデザイン会社でもカラー出力をして色を確認していますが、これはプリンターでの出力です。実際の印刷とはインクも違えば印刷方法も異なります。

最近は「デジタルコンセンサス」「カラープルーフ」などいくつか色校正の方法がありますが、本来は「本機校正」といわれる方法で校正を出したいところです。これが一番、実際の印刷に近いからです。ただ費用がかかるので、微妙な色具合を気にしないのであれば他の方法でもやむなし、ですね。
いずれにしてもこの段階で、レイアウト変更や原稿修正というほどの文字直しは避けたいものです。

色校正でOKとなったら実際の印刷に入り、指定の製本方式で綴じられて納品されます。
さて、思いどおりのものに仕上がっていますか?




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「見えにくい」をなくしたいグラフィックメイト


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