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グラフィックディレクター 大里早苗 ブログ

東京港区のデザイン会社、グラフィックメイトの代表を務める大里早苗のブログです。

国際福祉機器展

2024-10-03 15:57:37 | デザインいろいろ
東京都港区六本木の【「見えにくい」をなくしたいデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、印刷物などのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。その一環として音声コード Uni-Voice(ユニボイス)も導入。音声コード作成も承ります。

H.C.R.2024 第51回国際福祉機器展&フォーラム」が東京ビッグサイトで開催されています。今年も足を運んでみました。会場では点字会場マップ、手話通訳、ガイドヘルパーの用意もあると案内されていて、さすが福祉機器展だな、と思いました。


▲会場の総合案内所


まず向かったのは「モノづくり アートづくし ラボラトリー」と題してイベントを開催しているシブヤフォントラボさんのブース。
3Dプリンターと伝統工芸がコラボしたモノづくりや、オリジナル作品の体験コーナーなどもありますが、アート鑑賞の体験がとても面白かったです。
これは障がいのある方のアートを、初対面の数名で一緒に鑑賞して意見を言い合うというもの。
一つの作品を立ったり角度を変えたり、近づいたり離れたりしながら2分ほどじっくり鑑賞。2分というと短いようですが、美術展などで人が一つの作品を鑑賞する時間は30秒ほどだそうです。その4倍の時間を見ていると、全体の印象だけでなく「これはなんだろう?」「ここはなぜこうなっているんだろう?」「この色にはどんな意味があるんだろう?」というように、作品を深掘りして観ることができます。

2分たったところでそれぞれが「気づいた点」を3つ挙げます。
それがみんなバラバラでびっくり!
じっくり観たつもりでも「そこには全然気づいていなかった!」ということもたくさんあって、人は見ているものが全然違うんだな、と実感、とても貴重な体験ができました。


▲右はシブヤフォントラボの雨木さん。絵は障がいのある方の作品


その後は「見えにくさを抱える人の生活に役立つ製品と工夫」セミナーに参加しました。
見えにくい方のスマホ設定の仕方や、役立つアプリを使い方も含めて紹介いただきました。インストールしたものの使い方がわからずそのままになっていたアプリも使い方がよくわかりました。
最近当社が導入を進めているNavilensのご紹介もありましたが、その読み取りの速さに会場の方は驚いていました。見えにくさを抱える人のためのセミナーながら手話通訳があったのもさすがです!

視覚情報をデザインするグラフィックメイトは、音声コードなど役立つツールをご提案しながら、見えにくい方への情報提供について今後も考えて参ります。

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ラジオで聴くロービジョン

2024-09-25 12:38:55 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木の【「見えにくい」をなくしたいデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、印刷物などのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。その一環として音声コード Uni-Voice(ユニボイス)も導入。音声コード作成も承ります。

新聞を見ていたら「知っていますか? ロービジョン」という記事に目が留まりました。9月23日に文化放送でラジオ放送される番組の紹介記事でした。
そもそもロービジョンとは?
国立障害者リハビリテーションセンター病院のWebサイト「眼科(ロービジョンクリニック)」によれば、

ロービジョンとは、何らかの原因により視覚に障害を受け、「見えにくい」「まぶしい」「見える範囲が狭くて歩きにくい」など、日常生活で不自由がある状態のこと

だそうです。
「視覚障がい者」と聞くと、「全く見えない人(全盲)」と思われることが多く、私自身そう思っていました。でも実際には「視覚障がい者」と言われる人の1~2割が全盲の方で、8割~9割はロービジョンだそうです。
番組ではそういった「ロービジョン」と言われる方の困り事の声や、さまざまな見え方の紹介がありました。

例えば「交通バリアフリー法」によって音響式信号機の設置は増えたけれど、風雨によって音が聞こえないこともある。また夜間は近隣住民への配慮で音を切っているところが多いといった話がありました。
ロービジョンにとって最も重要なのは「移動のための情報収集」とのことですが、公共のものだけでは情報不足で、それぞれがさまざまなサポート機器を使って移動の工夫をしていることもわかりました。

…などなど私があれこれ書くよりも、ぜひ番組を聴いていただきたいと思います。

今回の放送は「知っていますか?ロービジョン~0と1の間」のVol.5で、radikoアプリのタイムフリーでは放送日から1週間は聴取可能です。また文化放送では「文化放送ロービジョンプロジェクト」というサイトがあり、過去の放送をPodcastで聴くことができます。
まずは知ってみることから始めませんか。

当社 グラフィックメイトではロービジョンの方にも伝わりやすい印刷物を制作しています。

グラフィックメイトでは、音声コードの作成や音声コード付き印刷物の制作を承っています。お気軽にご相談ください。

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地域共生社会促進助成事業 活用のススメ

2024-09-04 18:05:58 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木の【「見えにくい」をなくしたいデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、印刷物などのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。その一環として音声コード Uni-Voice(ユニボイス)も導入。音声コード作成も承ります。

世田谷区では「商店等における地域共生社会促進助成事業」として、障害のある方が商店や事業所等を利用しやすくなるための物品購入や物品作成する経費を助成する事業が行われています。

●物品の購入
上限は7万円。「段差解消用簡易スロープ」「筆談ボード」などの購入が対象です。

●物品の作成
上限は5万円。「点字メニュー」「写真付き音声コード入りメニュー」「コミュニケーションボード」などが対象です。


▲世田谷区の「商店等における地域共生社会促進助成事業」のリーフレット


世田谷区のWebサイトには、本事業の実績一覧も掲載されています。
それによると平成30年度の助成対象物品は、「簡易筆談器」と「段差解消用簡易スロープ」が圧倒的に多くなっています。
令和元年度になると「点字メニュー」がちらほら出てきて、令和2年度以降、実績の公表されている年度では半数以上が点字メニューです。令和5年度の実績に至っては80%以上!

いくつか推測されることはありますが、ドラマの影響もあるかもしれません。

『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール』 2021年(令和3年)10月〜放送
『ラストマンー全盲の捜査官ー』    2023年(令和5年)4月〜放送

案外『ラストマン』効果かもしれませんね〜。時期的にも。

事実はわかりませんが、ここで気になるのは「点字」の識字率。
点字の識字率は視覚障がい者の10%程度と言われています。子どもの頃から全盲で盲学校に行かれた方は点字も難なく読めるようですが、中途失明の方が点字を習得するのはなかなか難しいそうです。特に高齢になってから点字を覚えるのは困難であるにもかかわらず、高齢になってから失明する方が多いのが現実。ロービジョン(弱視)の方も点字を使える方は少ないと聞きました。

ということは「点字メニュー」より、「写真付き音声コード入りメニュー」のほうがより多くの方に有効だと思うのです。
音声コードがあれば、全盲の方もロービジョンの方も音声でメニューを聞くことができます。また学習障がいの一つである読字障害の方にも有効です。

本助成金は、「メニュー」という言葉のせいか飲食店や理美容店の利用が多いようですが、福祉作業所や不動産業、アパレル関係の事業者さんも利用されています。柔軟に幅広く考えて良いのではないでしょうか。
多様なお客様をお迎えする小売店の皆さん、「写真付き音声コード入りメニュー」もぜひご活用ください。

グラフィックメイトでは、音声コードの作成や音声コード付き印刷物の制作を承っています。お気軽にご相談ください。

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新たなご縁をいただいた2023年でした

2023-12-29 11:51:56 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木の【「見えにくい」を解決するデザイン会社】グラフィックメイトの大里早苗です。グラフィックメイトでは、印刷物やWebサイトなどのメディアをユニバーサルデザインでご提案しています。音声コード Uni-Voice(ユニボイス)へのご対応もしています。

2023年、いろいろなご縁をいただいた一年でした。
SNSからのご縁の方に実際にお目にかかれたり、その方がまた別の方をご紹介くださったり、
交流会で知り合った方と別のイベントで再会して話が膨らんだり、そこからさらにご紹介をいただいたりもしました。


ビジネス交流会で知り合った、シブヤフォント認定ファシリテーターの雨木さん(左)。第50回国際福祉機器展&フォーラムにて。


当社としては珍しく出張もありました。11月に開催された「ロービジョンフォーラムin北九州」で、当社の音声コード付き印刷物をご紹介する機会をいただいたのです。
これは東京の「国際メガネ展 -iOFT」でご縁をいただいた一般社団法人みるみるプロジェクトさんからのお声がけ。みるみるプロジェクトさんのブースで間借り出展させていただきました。


一般社団法人みるみるプロジェクト 参与の平良さん。視能訓練士さんです。当社のニュースレターやパンフレットを置かせていただきました。


「見えにくさをなくしたい」という思いからの活動からご縁が広がっていった2023年。
お世話になった皆さま、ご縁をいただいた皆さま、本当にありがとうございました。

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一般の人、高齢者に区別しづらい色の組み合わせ

2021-07-12 11:28:07 | ユニバーサルデザイン
東京都港区六本木のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。当社はメディアユニバーサルデザインにも配慮しています。メディアユニバーサルデザインとは、色を区別しづらい方、疾患のある方、高齢の方…それぞれのハンディーキャップにかかわらず、すべての人に正しく情報が伝わるようにするという考え方です。

色のユニバーサルデザインというと、色覚特性の異なる方のためのものと思われがちですが、一般の人や高齢者にも区別しづらい色があります。
例えば、白地に黄色は一般の人や高齢者にとって見分けづらい組み合わせで、黄色の量が多少変わってもその違いには鈍感です。特に高齢者は明度差の少ない色の組み合わせは区別しづらくなり、黒と紺も区別が難しくなります。
一方、色覚特性の異なる方は明度差に敏感と言われており、白地に黄色は一般色覚の方と比べ見分けやすいようです。黄色の変化に敏感で、青と青緑などは区別がつきやすいようです。


▲高齢者と色覚特性による見え方の違い(例)

白内障やロービジョンの方にとっても明度差のない配色はとても見づらいようです。特に文字は背景との明度差をはっきりつけることが必要です。
*ロービジョンとは、視覚に障害があるため生活に何らかの支障をきたしている方をいいます


▲文字色と背景色の明度差が少なく、白内障やロービジョンの方には見づらい

色の選定をするにあたっては一般色覚の方、色覚特性の異なる方、高齢者、それぞれの見え方を考えて色を選定する必要があります。

グラフィックメイトでは社史・年史・記念誌ほか制作物についてのご相談を受け付けています。
オンライン相談は初回無料(30分程度)/メール相談無料。
まずはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

●こんなこともご相談にのります。
 社史年史ってそもそもどうやって進めれば良いかわからない
 ○周年までに制作したいけれど、間に合う?
 社員みんなで作る方法はある?
 社員はあまり関われないけどどこまでやってもらえる?
 社史年史の有効な使い方は?
 他社さんの見積額や進行について適切か知りたい
 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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MUDアドバイザー認定!

2020-10-28 12:39:18 | ユニバーサルデザイン
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
先日MUD教育検定を受験し、2020年10月26日付で「MUDアドバイザー」の認定を受けました!


「ユニバーサルデザイン(UD)」は聞いたことがあるけど、「メディア・ユニバーサルデザイン(MUD)」って??という方が多いかもしれません。
MUD(メディア・ユニバーサルデザイン)とは、メディアにおける以下のような手法です。

MUD協会Webサイトより
MUD(Media Universal Design)とは、さまざまな情報が高齢者・障がい者・色覚障がい者、外国人などにも、見やすく、伝わりやすくするための配慮手法です。

社会にはテレビや新聞・雑誌・書籍、WebサイトやSNSなどの視覚メディアがあふれていて、我々は情報の87%を視覚メディアから得ていると言われています。しかし視覚からの情報受信にハンディキャップのある方が、実はかなりいらっしゃるのです。

ロービジョンの方、色覚障がいのある方、そしてこれからますます増える高齢者。
難しい漢字表現では理解しにくい小さな子どもや外国の方。
そういった方たちも含めてより多くの方に、必要な情報を正確に伝えることがとても重要になっています。

デザインの仕事に携わるものとして、これらの方々にもきちんと情報を伝えたい。そのためにはどういうことに配慮したら良いの? ユニバーサルフォントを使えばそれでいいの? 色は? 文字のサイズは?
具体的な手法を模索する中、本検定を受けたことは大変勉強になりました。

今回アドバイザーに認定されたことを機に、健常者にもハンディキャップのある方にも公平に情報をお届けできるような、ユニバーサルなメディアデザインをご提案していきたいと思います。

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UDフォント

2019-07-22 13:38:47 | デザインいろいろ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
先日、「フォントを変えたら今まで文字を読めなかった子が読めた」というニュースをやっていました。そのフォントとは株式会社モリサワの「UDデジタル教科書体」。文字の読み書きに障害のあるディスレクシア、視機能が弱いロービジョンの方は、フォントによって文字が読めなかったり読みにくかったりすることがあるそうです。しかし「UDデジタル教科書体」はそういう方にも読みやすいという内容でした。

フォントはデザインにおいても重要な要素です。見出しなどは「インパクトがある」「かっこいい」という理由でフォントが選ばれることが多いですが、本文は「読みやすさ」も重要な要素です。縦線に比べ横線が細い明朝体によりもゴシック体のほうが読みやすい、ということが言われていますが、「UDデジタル教科書体」はさらに読みやすいようです。もっとも人によって読みやすいフォントは違うようで、必ずしも「UDデジタル教科書体」がいいという方ばかりではないようですが、それでも行政や教育現場でで取り入れるところが増えているようです。


▲さまざまなUDフォント


2020年のパラリンピックを控え、ハード、ソフト様々な面から「ユニバーサルデザイン」についての意識も高まってきていますし、高齢の方々にも読みやすさは求められています。デザインの仕事をしている私どもも「ユニバーサルデザイン」について考え、「UDフォント」も取り入れていきたいと思います。


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