monologue
夜明けに向けて
 



彼岸と此岸が重なった今、吉田等がSFと共演している歌声をわたしにアップロードしてほしくてまたアクセスしてきた。


その日、わたしはいつものように相棒中島茂男を芸術家集団がシェアする家に迎えに行った。
そしてハリウッド地区にある日系人クラブ「蝶」に到着してエンターティナーとして仕事を始めた。その頃、わたしたちは「アルバム「プロセス」の曲作りをしていて仕事で演奏しながらアレンジや演奏法を変えて煮詰めていた。客には迷惑だったかもしれない。延々と続くわけのわからないまだ曲と呼べないフレーズの繰り返しを酒の肴として聴くのだから。

そこにさっきかれらの家で挨拶した画家吉田等と庭師本間氏、大阪出身の写真家堀山氏がどやどやとやってきて客として席についた。
なんか変な感じだった。仲間たちが客として目の前に座るというのは…。かれらはピンクフロイドの「us and them」やわたしたちのオリジナルをリクエストしてしばらく遊んでいたが吉田が思いついたようにこの歌を歌いだした。堀山氏は大阪出身だしギターを弾くのは広島出身の中島だしひらめいたのだろう。あとにも先にも吉田がわたしたちSFの伴奏で歌を歌ったのはこの夜だけであった。その時のかれの歌を20数年を経た今隔り世のかれ自身のリクエストで多くの人々が耳にするというのは実に奇妙だ。こんなことがありうるのだ。
fumio 

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