monologue
夜明けに向けて
 




吉田君、きみは死んでから一週間も放置されていたんだね。どうしてこんなところに自分がずっと寝ているのかと思ったことだろう。

シゲさんの返信によると、お母さんの話ではきみの免許の住所がお母さんのところになっていたのでLAPD(ロス市警)から電話があった時、「吉田はそこに住んでいるか?」と訊かれて、息子がなにか事件を起こして警察に追われているのかと思ってかばおうとして「いいえ」とこたえてしまったそうなんだ。
親心が身元の判明を遅らせてしまったんだね。それでLAPDが直接パトカーでお母さんのところにやってきた時検死に行ってきみの死を確認したらしい。
その時のお母さんのショックは想像するにあまりあるよ。

きみがこの世と隔り世の間でさまよっているあいだに起きたことはきみも知らなかっただろう。
やっときみの死について、
ストリートバイオレンスや酒場でメキシカンに袋叩きにあったという噂にとどまらず、実際に起きた事実に近いことが浮かび上がってきた。よかったね。
それじゃあ、また!
fumio


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