monologue
夜明けに向けて
 



  3
      わざわいは、あなたがたの胸ポケットの中から。
      苦しみは、海の水から来るだろう。
      火を吹く6頭立ての戦車は、日本の国の頭の部分に攻撃を加える。
      日本の国は、大いなる虐殺の後にアジアの稲を自国に蒔く。
      日本の国は「鯨の夢」を貪るだろう。
      国賓と呼ばれる影の人々が、この国を手中に収めようとしている。

「赤い月の形としての物語」より

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この詩が1991年3月21日に発表された時だれもこの詩が2011年3月11日以後のことを指すなどとは思いもいたらなかったが今読み返せばそのまま当てはまってしまう。わざわいは、この国の胸ポケットにあたる東北地方から。そして苦しみは、海の水、すなわち津波から来た。福島第一原発は6号機まであり「6頭立ての戦車」とたとえられている。「日本の国の頭の部分」とはもちろん首都圏。
日本は「鯨の夢」再開することのない捕鯨とゲーム市場を貪り、国賓と呼ばれる影の人々が、TPPによってこの国を手中に収めようとしている。
fumio


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