monologue
夜明けに向けて
 



 情報断食 ということばがはやっている。
それはテレビ、ラジオ、インターネット、携帯電話、新聞、雑誌、などの媒体から流れ込む情報を一時的に遮断することという。
毎日一定時間、すべての情報機器と断絶して情報の断食状態とすることで、物事を自分で考え自分の頭で判断する習慣がつく。
現代を生きる人々は毎日発信される情報を知らなければ時代に取り残されるかもしれない、という不安に苛まれてとてもそんなことはできないと思ってしまう。

わたしの場合、何度か入院した時、強制的情報断食 の状態に陥った。
それでも別に時代に取り残されることはないことに気づかされた。
入院中に違う自分を発見する人もあるかもしれない。
世の中に溢れている情報の洪水の中で本当に必要なものはどれほどあるのだろう。
欲望を駆り立てるだけの情報の断食をしてみると自分に本当に必要な栄養素がわかる。
自分が生きている理由がわかるかもしれない。
舞台の陰でこのマリオネットの糸を手繰る存在に踊らされていることに気づいた時、自立が始まる。
fumio

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