岐阜・富山・長野の3県が接する県境に、三俣蓮華岳は聳えています。北アルプスの中央部に位置し、何処から登っても一日では辿り着けない奥深い山でもあります。この山に最初に登ったのは何時だったのか、明確なところは思い出せません。
昭和55年8月に裏銀座コースを縦走した時や、昭和61年8月に黒部源流部を縦走した時に、三俣蓮華岳の山頂近くを通過しているのだが、巻き道もあるので山頂を踏んだのか否かは判然としない。
確実に三俣蓮華岳の山頂は踏んだのは、平成2年8月に妻と二人で雲ノ平から槍ヶ岳まで幕営縦走した時でした。当時所属していたK山岳会の会報に、私が書いた山行記録が残されていたので下記に転載してみます。
北アルプス、雲ノ平~槍ヶ岳幕営山行
期日:平成2年8月10日~14日(夜行3泊4日)
参加者:F夫婦 2名
11日(雨後曇り)
09:20折立登山口発
10:54~11:06三角点標
13:00~05太郎平小屋
13:20太郎平キャンプ地
雨の中折立を出発、最初から雨に濡れるのは気が滅入る。しかし天気は回復しているようで、三角天標辺りから雨も止む。夕方にわか雨、雷鳴が絶え間ない。
12日(晴れ)
05:15太郎平キャンプ地
05:25~50太郎平小屋
07:38~55薬師沢小屋
10:55~11:20雲ノ平山荘
13:00~10黒部川源流
13:45三俣山荘キャンプ地
朝から素晴らしい好天、気持ち良く薬師沢を降る。黒部川に架かる吊り橋を渡ると、すぐに樹林帯の急登、背後に小さく見える太郎平小屋が同じ目線位になると、だんだん緩やかになり雲ノ平の一角に辿り着く。
薬師沢小屋の黒部川に架かる吊り橋
広々とした雲ノ平を縦断し祖父岳の山裾を巻き、黒部源流を越えて三俣山荘に到着。今日の行程はアップダウンが多くて疲れた。三俣山荘のキャンプ地は水場も傍にあり、大変気持ちの良い所。テント設営後はノンビリ周囲の景色を楽しむ。
雲ノ平(奥の山は黒岳)
雲ノ平から三俣蓮華岳?
黒部源流部付近?
13日(晴れ後曇り時々雨)
05:15三俣キャンプ地発
05:55~58三俣蓮華岳
07:37~39双六岳
08:02~11双六小屋
11:08千丈乗越
12:02~40槍ヶ岳山荘
13:02殺生キャンプ地
朝のうち霧が出て寒かったが、しばらくすると快晴になる。双六小屋までは山腹を巻く道を行き、三俣蓮華岳と双六岳はそれぞれ空身でピストンする。西鎌尾根に入ると槍ヶ岳の穂先はいよいよ高く聳え、前途は厳しい。
双六岳から丸山(中央の山)三俣蓮華岳(右奥の山)
双六岳から鷲羽岳方面
双六岳山頂
双六岳から槍ヶ岳
双六小屋上から西鎌尾根方面
西鎌尾根から硫黄尾根方面
強い陽射しとアップダウンには参るが、冷たい西風が身体を冷やしてくれる。千丈乗越を過ぎた所で、山仲間のS子さんとバッタリ出会う。奇遇を喜び再開を約して別れた。槍ヶ岳山荘は凄い混雑でキャンプ地は既に満杯、仕方なく殺生ヒュッテまで降ってテントを設営。槍を目指す登山者は凄い数で、山頂へ向かう列が夕方まで切れ目なく続いた。
殺生キャンプ地
14日(曇り時々雨)
03:45殺生キャンプ地発
04:25~57槍ヶ岳山荘
07:15~45槍平小屋
08:27~35滝谷出合
09:37白出沢出合
10:50新穂高温泉
朝一番槍ヶ岳を目指したが、濃い霧と冷たい強風、それにも増して大渋滞に登頂を諦める。飛騨沢沿いの道をグングン標高を落とし、槍平小屋を過ぎて歩き難い岩だらけの道が白出沢まで続く。ここから林道歩きとなり、約1時間余で新穂高温泉に到着した。
今回の山行はまあまあ天気に恵まれて、槍ヶ岳登頂を覗き予定通り行動できた。北アルプスは人気が高いだけに登山者が多く、特に槍ヶ岳は凄まじい混雑で、お盆休みの時期だけは二度と来る場所じゃ無いと痛感した。