これは先日通院で都内へ出掛けた時の、電車内での出来事です。私が出掛ける時間帯はいつも遅いので乗客は少なく、概ね皆さん感染防止の為か座席の中央か両端に分散して座っています。
私がシルバーシートの端に座っていると、向かいの一般席の端っこにそれなりに可愛い娘さんが一人座った。そしてマスクを外すや、おもむろに小道具を取り出して化粧を始めた。
車内での化粧についてはいろいろ批判される向きもあるが、私は女性に(特に若い?)優しく寛容な人間なので、「オッ、今日のデートに備えて戦闘モードに入っているんだな」とむしろ微笑ましく眺めていた。
ところがしばらくすると彼女は化粧を止め、スっと立ち上がった。「ここで下車するのかな」と思ったら私の前を通りすぎ、シルバーシートの私の横の席へ座り直した。そして再び化粧を始めたではないか。
何だこの不可解な行動は?と周囲を見渡して、何となく事情が判明した。彼女が座っていた前の席の対面には若い男性が座っており、多分彼女はその彼氏の目が気になって私の横へ移動したのだ。
このシチュエーションを推察するに、彼女は横に座る私の事など眼中に無く、車内に架かる吊り輪や吊り広告くらいにしか思っていないという事なのか。そりゃ無いぜベイビー、確かに今では白髪頭にシワシワ顔のオッサンだけど、若い頃にゃギャルどもからキャアキャア言われた・・・事は無かったけど、それなりにイイ男だったんだぜ。
そんなおじさんの純な心を傷つけやがって絶対に許せん。・・そんな私の怒り等どこ吹く風で、化粧を終えた彼女は、とある駅でソソクサと電車を降りて行った。
その時私はすかさず、不幸の怨念が混入されたレーザービーム光線を、ドアから出て行く彼女の背中目がけて発射した。これで彼女の今日のデートは、悲惨な結果に終わるだろう。フン、ザマー見ろだ。