6月3日(土)
この映画、山田洋次監督のシリーズもの作品で今回が2作目となる。去年公開した「家族はつらいよ」が実に面白かったので「シリーズ化して欲しい。」とブログに綴ったが、更にパワーアップして実現した。
映画の主人公というのは大体カッコいい人か個性豊かな人と言うのが相場だが、頑固で融通の利かぬ何処にでも居そうな年寄が主人公とうのがまずユニークなところだ。
前回の「家族はつらいよ。」では、橋爪功演じる主人公の平田周造の頑固で身勝手な性格に、妻(吉行和子)が愛想を尽かし熟年離婚寸前に至ったのだが、最後は周造が折れて何とか寄りを戻す事ができた。
これに懲りて少しは穏やかな性格になったのではと思われた周造だが、2作目になっても全然懲りておらず我儘な性格は相変わらずだ。今回は高齢者運転で周囲の者を困らせる。家族を巻き込んでのドタバタぶりは相変わらずで観客を大いに笑わせる。
しかしこの映画はお笑いだけで終わらないのである。周造と天涯孤独な彼の学友との遭遇が、身寄りの無い老人の貧困問題を考えさせ団塊世代である私の心にさざ波をたてる。
山田監督映画の好ましいのは善男善女ばかりが登場し、不愉快な思いをしないところだ。「家族につらいよ2」も笑いとペーソスの織り交ざったとても面白い映画だった。3作目~4作目と続き、最後の葬式シーンまで、橋爪功演ずる周造の奮闘ぶりを楽しみたい。