9月9日(金)
昨日は雨の一日だった。ムシムシする家の中に居てもつまらぬから映画館へ出掛けた。ポイントが溜まっていたから今日はタダで鑑賞できる。主演の大竹しのぶや豊川悦司、尾野真千子、余貴美子など芸達者な俳優さんが出演している「後妻業の女」という映画が面白そうなので観る事にした。
以前、木嶋佳苗という女が、結婚を餌に何人もの中高年独身男性を殺して財産を奪うという犯罪があったのを覚えておられるだろうか。これはその事件を連想させるような映画です。
木嶋佳苗みたいな悪女を大竹しのぶが演じる。30年以上前、彼女が映画「あぁ野麦峠」で見せた可憐で健気な美少女の姿は何処へ行ってしまったのか。今は強欲な悪女役がドツボにはまって流石に名女優と感心する。
この悪女、豊川悦司演ずるインチキ結婚相談所長と組んで、次から次と金持ちの色ボケ爺さんを騙くらかし殺めて彼らの財産を横取りする欲深な悪党共だ。被害者の爺さん役を津川雅彦や森本レオ、伊武雅刀などの芸達者が演じ、その愚かさが同じ中高年として身につまされホロ苦く笑わせる。
その他にも泉谷しげる、柄本明、笑福亭鶴瓶、長瀬正敏等の個性派俳優が出演、ストーリーはテンポ良く、最初から最後まで「笑いあり、怒りあり、愚かさあり」で久々に見所満載の映画だった。
最後はこの悪女、自分の不良息子に殺されかけたのを警察のパトカーに救われる。そして悪党共は警察に逮捕されたか否かの結末がハッキリせぬままジ・エンドとなった。「悪がのさばるのか、それとも断罪されるのか、その結末は観客の想像力にお任せする。」というのが、制作した監督の意図なんであろうか。この映画実に面白かった。特に中高年にはお勧めです。