80ばあちゃんの戯言

聞いてほしくて

アルツハイマー病を予防する方法(2)

2014-01-21 18:46:44 | 健康
NHK テレビ NHK スペシヤル よりの抜粋

さあ、敵の正体はわかってきました。ここからは具体的な

攻略法を紹介していきましょう。その1は、イギリスの大学

が開発したLMTXという薬です。アルツハイマー病の患者

ローズ・ジョンソンさん(79歳)はその薬の臨床試験に参加

しています。LMTXのターゲットは神経細胞の止めを刺す

にっくきタウ、そのタウを薬で叩こうとしているのです。

ローズさんが発症と診断されたのは、68歳の時、その5年後

から開発中の薬を飲みはじめました。現在発症から11年、

寝たきりになってもおかしくないときです。



ケイト・ ロウ 医師(ローズさんの主治医) 

 ”最初にローズさんの診察をしたとき、今後、食事、洗面、

  着替えも一人ではできなくなり、10年も立てば、完全な

  介護が必要になるだろうと思いました。ところが、今

  ローズさんは介護サービスを利用せず、身の回りのことを自分

  で、こなしています。”



  ローズさんの趣味はクロスワードパズルです。

  Q。難しいと思いますか?

  ローズさん 

  ”最初はそう思いますが、でも、あきらめませんよ。

   見ての通り、私はこれを全部やりましたからね。”


  これはローズさんを含め321人が参加した臨床試験の結果です。

  横軸は時間、縦軸は上に行くほど、認知機能の高さを表してい

  ます。薬を飲んだグループは飲まなかったグループに比べると、

  認知機能の低下が抑えられています。アルツハイマー病の進行

  にともなって、神経細胞の中に集まるタウ。薬はタウを分解

  する働きを持っています。こうして神経細胞が死滅するのを防ぎ

  アルツハイマー病の進行止められると考えられています。

  LMTXの臨床試験は最終段階に入っています。321人だった

  被験者の数は1300人にまで増加。

  
  軽度から中程度のアルツハイマー病の患者を対象とした、より

  多くの人で、効果と安全性を調べています。この試験で成果が

  上がれば、より多くの人の治療に使うことができるようになり

  ます。これで一挙解決とお思いになるかもしれませんが、そう

  簡単にはいきません。薬の開発は、そう一筋縄ではいかないの

  です。これはアメリカの製薬業界のまとめたものです。アメリカ

  では、これまでの過去20年間に101もの薬が失敗したことを

  明らかにしました。最終段階に進んで大勢の人たちで試験をし

  効果が出なかったり、副作用が出たりすると開発は中止されます。

  果たして、LMTXが、アルツハイマー病を食い止める最初

  のくすりになるのか、その結果は早ければ、2年後に出ます。

  ドイツ人医師アルツハイマー博士がこの病気を最初に報告した

  のが、100年前。いまや、人類最大の敵と言われています。

  昨年12月イギリスにG8各国が集い,史上はじめてG8認知症

  サミットが開かれました。

イギリス キャメロン首相

  ”課題は非常に大きく、道のりは長い。しかし希望はある。この

   背景には世界的認知症患者の急増があります。”

  現在4400万人、2050年には3倍近くに増加すると考えら

  れています。

  これは病気の社会的な費用を示したグラフです。£billion

  癌 3 心臓病  5  脳卒中 6  認知症  17

イギリスでは、医療費だけでなく、家族の介護する時間の負担もお金

に換算したものです。アルツハイマー病などの認知症の社会的費用は

他の病気に比べて格段に高額です。今後、患者が増加すれば、経済も

破綻しかねないという危機感からG8各国が協力研究費を増額し、

薬の開発をともに進めていくことが決まりました。

先進国の中で最も早くアルツハイマー病の患者が急増するのは日本

です。現在、認知症の患者は推定462万人。そのおよそ7割が

アルツハイマー病だといわれています。団塊の世代がアルツハイマー

病を発症する年齢に突入する30年後には,認知症患者が1000万

人を突破すると推定されています。だからこそ、今アルツハイマー病

の対策が緊急の課題となっているのです。


(続く)



人気ブログランキングへ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿