風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

空が高くなる

2013年09月09日 19時05分37秒 | 風竿日記

毎月恒例の会議の休憩時間に、所定のベランダで、

同僚と煙草を吸いながら、いい風に吹かれていた。

「いい季節になりましたねぇ。」

「日本酒が旨くなってきましたね。」

「秋刀魚もいいですねぇ・・・・。」

などと他愛も無い話で秋の訪れを喜んでいた。

ふと何気なく空を見上げると、たしかに空が澄んでいて

その分高くなったように感じた。

かってビートルズのジョン・レノンは・・・・Becauseという曲で

♪ 空が蒼く、高いので心が哀しくなる 

と唄った。

欧米人にもこんな感性があるのだと驚いたものだが、

彼は妻のオノヨーコさんの影響で、俳句に親しんでいたそうだから、

それもむべなるかな、なんである。

侘び寂びの世界は、人の世の哀しみ、もののあはれ、それをおかしみとして深く味あうのである。

暑かった日照りの夏が去り、やっと涼しげな風が吹き始め

空は透明度を増し高くなる。

その空の青さが、高さが哀しいというニュアンスは

まあ、一流の風流人たる証ではなかろうかと思うのである。

「天高く馬肥ゆる秋」として食欲の増す私なんぞは、その足元にも及ばないのだが、

秋はどこかもの哀しいのは理解できる。

<!-- The Beatles- Because . -->

そう云えば・・・・、

幼い頃継母の気を引こうと、弟を連れてよく家出をしたものだった。

秋の夕暮れ時、近所の夕餉の温もりが羨ましかったものだ。

刈り取りの済んだ藁こづみの中に隠れて、そのまま眠ったものだった。

ひょっとすると、だから秋の空は哀しいのかも知れない。