風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

およばれの夜

2013年05月20日 23時15分55秒 | 風竿日記

昨夜はあるお宅に,ご挨拶に伺った。

初めてお会いするご夫婦なのに、とても温かく迎えて頂いた。

久しぶりに見る家庭料理に、年甲斐もなくすっかり感動してしまった。

中でも、干し大根のカンコロ煮は大好物な私

家庭料理に思わずホッとする。

徐々に緊張は緩んでいったのだが、それも老夫婦の温かさで凍りついた背中が雪解け水のように、びっしり汗をかいていたんである。

ご夫婦のこれまで歩んでこられた人生の一端に触れて、聞く事見ることに驚かされるばかりであった。

厳格そうなご主人もお酒が入ると、とても柔和な笑顔が、「そう固くならんでいいよ・・。」と気遣って下さっているのが、痛いほど伝わってきた。

  

「人の一生は重荷を背負いて坂道を歩むが如く」

私のばあちゃんが生前いつも云っていた徳川家康の言葉であるが

この夜、私は重たい荷物を一緒に担いでくれる人の家に、ご挨拶に訪れたのである。

ヤモメ暮らしも12年となり、周りの方々から色んな心配やお世話を頂いたし、これまで出会いがなかった訳ではないのだが、

正直、もう一歩踏み出せなかった。

自分に自信が持てなかったのが事実。

しかし、2月からお付き合いを始めてみて、何とかやっていけそうな気がして、この際、無謀にも思い切って一歩を踏み出すことにしたのだ。

けして平坦な道ではないだろう。

それでも・・・・音楽と言う鎹がある私達なのだ。

静かに、穏やかに曲がりくねった道を供に歩んでいこうと決めた。

いいお酒と肴を、緊張気味に頂戴して、話は弾み、少し馴染み、「ああ来て良かった」と名残惜しさを振り切って、夜も更ける前に辞したのだが、

ご夫婦の温かさと、新たな家族となるであろうその人の見送りの中、代行運転の車上の人となった。

帰ってからいつものように空を見上げたら、いつしか月がほっかりと出ていた。

涙目のような月、不思議な月に、これで4カ月連続で遭遇してきた。

Tear drops moonなんである。

もちろん嬉し涙

およばれの夜は心地よい緊張と旨い酒と涙月の夜であった。