我が家の控えめで、ささやかな木々も
実に遠慮がちながら、季節の訪れを静かに謳歌している。
一人暮らしを始めてもう十二年にもなるだろうか・・・。
秘かにEmpty Gardenなどと自嘲していた庭も、
いつしか木々が穏やかに覆いつくしてくれて、今やちょっとした森の様相なんである。
そこで2,3年前から「ノルウェイの森」と名付けている。
冬の間は「モチの木」が赤い実をつけて鳥を招き寄せ
早春、梅の花が咲き出すと、やがて・・・・
春の訪れを「さくらんぼの木」が花をつけて教えてくれ
やがて「花ミズキ」が薄いピンクのショールを纏うと
「さくらんぼ」の赤い宝石のような実がなり
そして「エゴの木」に花が咲き
なんとも愛くるしい花ではあるが、この開花を待ったようにミツバチが羽音を響かせてくれ
それはさながらオーストリアあたりのシンフォニーを彷彿させてくれる。
だとすれば私はヘルベルトフォン・カラヤンみたく指揮棒を振りたくなってこようというもの・・・・。
そして、今や「やまぼーし」が、文字通り白い帽子を被った。
不思議な自然の造形に、ただ「恐れ入りました。」とひれ伏すのみの、私達にんげんではあるが、
一体、だれがこのような「種」をもたらしたもうたのであろうか・・・・。
貴婦人でもあるまいに、どうして白い帽子を被るのか・・・・
我が家のささやかなノルウェイの森ですら、ミステリーに満ちている
それはいいとしても・・・・、
この花壇を一緒に手入れして、季節ごとに花を咲かせ
仲良く愛でる、心優しきBetter halfを見つけねばと思わされている。