奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その971)

2019-04-22 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「昭和からの遺言(鈴木健二著・幻冬舎2019刊)」を読んだ。鈴木健二(すずきけんじ1929生れ)氏は、旧制弘前高校、東北大学(美学美術史学科)卒で、NHK入局し、人気アナウンサーとして活躍した。1988年、退職後も熊本や青森で地域文化の振興に務めた。----

「昭和からの遺言」は、鈴木健二氏の東京空襲の体験から書き始められており、戦争は絶対にしてはならないと、口を酸っぱくして教えてくれている。中程から巻末に掛けてはそれ程に大切な内容ではなくて、タイトルの“昭和からの遺言”は、前半に書き尽されている。-----

親子3人で東京空襲の夜、両国駅の高架のホームに辿り着くまでの、鬼気迫る情景が、言葉を尽くして書かれている。鈴木健二氏曰く“恐怖”は言葉に表せないのだが、それでも少しでも分かって貰いたいと、書いたそうである。今の国会の戦争を知らない議員の子供の喧嘩のような議論はバカらしくて話にならないと嘆いておられる。------

軍は殺人装置であり、国民の生命や財産を守ることは絶対に無いことを、戦争体験世代は知っているのだが、残念なことに本でしか学んでいない人はそれが分かっていないと云う。従って、平和のための戦いも有り得ないし、戦争を絶対にしないことが日本の平和を守ることなのだと強調している。“教育勅語”が立派な臣民となって陛下をお守りすることを命じていると考えて教師に尋ねると非国民と叩かれたと書いている。戦争体験者の高齢化が極まって、その記憶も風化が甚だしい時、鈴木健二氏は未だ語れるうちに吐露しておきたいと思われたようだ。

 

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