奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その975)

2019-04-26 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「特攻知られざる内幕~海軍反省会当事者たちの証言(戸高一成著・PHP新書2018刊)」を読んだ。戸高一成(とだかかずしげ1948生れ)氏は、多摩美大卒で、(財)史料調査会、厚生省所管「昭和館」を経て、2005年より「大和ミュージアム」館長である。海軍戦史関係の著述が多い。-----

「特攻知られざる内幕」は、“証言録/海軍反省会(1980~1991)”の逐次出版が2009~2018の足掛け10年間で刊行されたものから、“特攻”に係わる箇所をピックアップして1書としたものだそうである。証言者は出版時点では多くが故人である。その様な約束で関係者の存命中の証言記録を、十分な時日(20年間寝かせてあった)を置いてからテープ起こしして戸高一成氏が出版しあるいは新書としてきたものである。-----

日本海軍の上層部の生き残りの証言であるから、とても迫力があり、正直な人が殆どであると思った。卑怯な人は恐らくこのような反省会に参加していない筈だからである。証言を読んでいくと、“特攻作戦”を進めた人は、“キ印”に近いと思ったとも書いてあるので、精神的に追い詰められれば、組織というのはそのような非人間的な行動を強いるものであるのだなと、思わせられた。海軍の身内の方たちの反省会なので、自分たちの過ちは素直には認めていないが、それでも後世この証言録を読めば、何らかの実際の海軍の現場の雰囲気が分かるのではと思った。何れにしても特攻を命じた人達は戦後自分だけが生き残る中で、良心が痛んだことであろう。その様に思わせられた本である。人生どのような時代でも生き残ることが先決なのだろうとも思った。生き残り組は自己弁護に暇なく、反省の色は余りない人もいる位である。そのような人間の浅ましさを読む程に教えられるのだ。

 

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