奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その956)

2019-04-07 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「本をどう読むか~幸せになる読書術(岸見一郎著・ポプラ新書2019刊)」を読んだ。岸見一郎(きしみいちろう1956生れ)氏は、京大大学院(西洋哲学史専攻)博士課程満期退学で、哲学者である。1989年よりアドラー心理学を紹介するべく著述や講演活動を続けている。-----

「本をどう読むか」では、岸見一郎氏自身の今に至る読書体験を詳しく書き出してくれている。お育ちになった家庭環境もそれなりであり、多くの人の参考にはなり難いが、恵まれた環境が岸見一郎氏を育てたのだと思わざるを得ない。徒手空拳の生れだと、岸見一郎氏のような知識人というか哲学者になることは不可能だろう。------

「本をどう読むか」を読んでいると、岸見一郎氏の素直で正義を信じているかのような、性善説しか知らず、悪人の存在さえ知らないかのように感じる。きっと幸せなことに、これまで岸見一郎氏は虐められたことも、騙されたことも、物を盗られたことも、詐欺に合ったことも、他所者扱いされたことも、生活苦に悩んだことも無かったのだろう。書かれている事が、一つ一つそうであれば苦労はしないよという、反論をしたくなる程に、岸見一郎氏は善人に囲まれて、或る意味過保護にお育ちになり、そのくせ挫折も知らない恵まれた人生を歩んで来られているように思った。だから、「本をどう読むか」は苦労知らずの岸見一郎氏のファンにしか支持されないのではと穿(うが)った感想を持ってしまった。

 

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