奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その960)

2019-04-11 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「ナショナリズム(姜尚中著・講談社学術文庫2018刊/2001版の文庫化)」を読んだ。姜尚中(かんさんじゅん1950生れ)氏は、早稲田大学大学院(政治学研究科)博士課程修了し、専攻は政治学・政治思想史。東大教授、聖学院大学学長を務めた。現在は東大名誉教授である。-----

「ナショナリズム」は、日本のナショナリズムの特徴とも云える“国体ナショナリズム”について、手とり足とり、素人に優しく解き明かしてくれている。-----

米ソ冷戦が終了した後、アメリカの一国支配としてのパクスアメリカーナに世界秩序が移行するかと考えられた時もあったのだが、残念というか、寧ろグローバル化するどころか、ナショナリズムの勢いが盛んになってきてしまっているのである。ミレニアムに入る頃には未だ顕著に見えなかったが、2018年の今では誰の目にも定かに見えるだろうと、姜尚中氏は考えて、文庫化に同意したのだそうである。-----

“国体ナショナリズム”自体は、明治政府が徳川幕府の解体の後の国家形成に国権の揺るぎなき根拠を授かろうとして政体に取り込んだものであり、伊藤博文らの画策であったと書いている。戦後もアメリカのトルーマンドクトリンにより、日本の象徴天皇制を担ぐことを許された支配層により“国体ナショナリズム”を生き残らせているのだとも云う。どうやら、フランス革命由来のネイションとナショナリズムの微妙な各国における違いがあり、日本でも和製のナショナリズムとしての“国体ナショナリズム”が底流にあるのだと解説してくれているのだ。-----

公務員なら一度は読んでおいた方が良いと思った。但し姜尚中氏の議論は小難しいので偏差値の高いことを覚悟して読むことが求められる。勿論理解は相当に難しい。

 

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