奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その950)

2019-04-01 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「古代オリエントの神々~文明の興亡と宗教の起源(小林登志子著・中公新書2019刊)」を読んだ。小林登志子(こばやしとしこ1949生れ)女史は、中央大学(史学科)卒で、同大学院修士課程修了し、現在は中近東文化センター評議員である。専攻はシュメル学としている。-----

日本では戦後、古代オリエント学を三笠宮崇仁(1915~2016)氏が始められたこともあり、小林登志子女史もその学派を構成してきた一人であるようだ。とても特異な分野のように思うが、人類が“出アフリカ”を果たした後、オリエントで最初の文明を築く訳であるから、その始発点を対象として研究しなければ各国の歴史文化は何も分からないのであり、小林登志子女史は、人類最初の神々を洗い出してくれている。-----

神々には統一性とか、系統があると読む前は思ったが、結局は混沌とした姿で、あらゆる神々が登場し、種々雑多な中から現在の一神教が生まれるのであると、小林登志子女史は当たり前のように仰るのだ。-----

それぞれのオリエントの神々について詳しい著述は無くて、まるで辞書のような形で紹介が続いている。-----

日本の神々の故郷のような奈良県の地方公共団体の職員は、読んでおいた方が良いと思われる書物である。

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