21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

年金積立金の 巨額損失

2016年01月09日 12時34分08秒 | Weblog
 年金積立金は、全く足りていない。 何もしなくても、2030年頃には底をつく。年金支給額は、大幅に減額されるはずだ。 ムリに年金財政を維持しようと、現役世代への増税や負担金増加が拡大すれば、労働者の国外流出などを招き、財政危機はより深刻化するだろう。

 何をしなくても、年金積立金は全く足りない。 一方で、年金積立金を株式に投資することで、8兆円近い損失を出している。

 当時の説明では、この8兆円の損失は、「短期的なもので、長期的には取り戻せる」ことになっていた。 この8兆円の損失は、今はどうなっているのだろう?


 ドラマに「負けているのは今だけ、すぐに取り戻せる」ってキャラクターが出てきても、彼が負けを取り戻すことはない。



 年金積立金の運用方法を決めるのは政治家で、政治家を選ぶのは有権者だ。 つまり、年金積立金の損失は、有権者の責任であり、「年金制度の廃止」みたいな形で有権者は結果責任を取ることになる。 「自己責任」ってヤツだ。 コツコツの積み立てた資金をどうするのか? 老後の生活をどうするのか? 選挙での投票行動も含め、全ては自己責任である。

好きな大河ドラマは? 「花燃ゆ」

2016年01月09日 11時50分47秒 | Weblog
 「花燃ゆ」に原作はない。
安倍総理大臣の出身地である山口県を舞台にするためだけに、NHKがゼロから作成した大河ドラマである。 首相の機嫌を取るためだけの大河ドラマである。 「上司へのゴマすり」を体現している究極の作品だろう。 (しかし、視聴率が悪すぎたため、「ゴマすり」として失敗したように思える) 山口県では、大河ドラマの放送に合わせて、数々の観光誘致策がとられた。 多額の税金が投入されただろうが、その費用効果はどの程度だったのか?

 NHKは「公共」放送ではなく「国営」放送であることを、海外の日本研究者に説明するのに、便利な作品である。 日本では、政治権力者が変わるたびに出身地を舞台にしたドラマを作成して、1年間を通して放送される。


 「社会全体の利益」よりも、「組織の利益」・「組織内での個人の出世」が優先されるのが、日本の伝統である。 戦前の日本陸軍から、最近の東京電力、東芝まで、長く続く伝統である。
 組織よりも社会を重視する個人を、日本人上司は評価しない。


 年末の紅白歌合戦に、「花燃ゆ」の出演者が出ていなかったのは、なぜだろう?
過去には、どれだけ該当の大河ドラマの視聴率が悪くとも、「今年の大河ドラマ」と「来年の大河ドラマ」の役者が出てきて、「引継ぎ」をしたように思う。 視聴率が悪すぎたために、何らかの圧力があったのだろうか?

NHKは国営放送である以上、番組作成に様々な政治的配慮が必要なのだろう。



 7000億円前後あるNHK予算は、自由民主党の広報予算みたいなものだ。
2016年は年明けから株安・円高が止まらない。 戦後初の異例な状態だ。 株安・円高の主因は、経済政策よりも憲法改正を重視する政治状態である。 しかし、国内政治状況を問題視する声はマスコミから出て来ない。
 中国経済不安や中東情勢、北朝鮮核実験が、株安・円高であるかのような報道を繰り返している。 国内の失政を海外に責任転嫁している。 日本の国営放送を見ていると、北朝鮮の国営放送を見ているかのような錯覚に陥る。

 年明けから、中国で株価が上がっても日本株は上がらなかった。日本の国内消費が落ち込む一方、中国の国内消費は堅調だ。 中国経済不安は、株安・円高の主因ではない。
 サウジアラビア問題・中東情勢が先行き不安を抱えているのであれば、原油価格が上昇するはずである。しかし、原油価格は低位安定している。中東情勢は、株安・円高の主因ではない。
 北朝鮮の核実験が原因であれば、韓国の株価が大きく下がるはずである。しかし、韓国の株価は安定している。 さらに、東アジア不安定化の心配があるのであれば、資金は日本から流出し、円安になるはずである。 北朝鮮の核実験報道は、円高の要因にはならないし、株安の原因とも考えられない。


 「失われた25年」の中で何度も繰り返し求められてきたことであるが、今の日本経済に必要なことは、資金流動性の拡大、労働流動性の拡大、産業流動性の拡大、規制緩和である。 景気減速の責任を海外に転嫁することではない。 ゾンビ企業の延命のために、ベンチャー企業の成長を阻害するべきではない。
 

アベ売り加速 「化」

2016年01月09日 11時24分18秒 | Weblog
 安倍総理大臣がメディアの前でデフレを否定(=日銀追加緩和を否定)するたびに円高が進み、株価が下落している。 いわゆる「アベ売り」の加速だ。 彼の言葉を借りると「加速化」のほうが正しいのだろうか?

 国会討論の中でアベノミクスの成果を強調しているが、日経平均株価は連日下落している。年明け(大発会)以来5営業日連日で株価が下落したのは、「戦後初」のことだ。
 一時は125円近かった米ドルも117円台に下落している。 米国の利上げ後は円安が進むとの予想を覆す「アベ売り」で円高が進んでいる。


 日本の政治家が責任転嫁を図るのはいつものことだ。 「人生いろいろ」と言い切った小泉首相が懐かしい。

 円高・株安を「中国経済不安」の責任にしたいようだが、中国株は8日(金)の取引をプラス圏で閉じた。日本株の様には、中国株は一方的な下落をしていない。 また、日本国内消費の増加額に比べようがないほどに、中国国内消費の増加額は大きい。

 また、サウジアラビア国王の後継者問題を円高・株安の責任に仕立てる声もある。 (サウジアラビアの国内問題に巻き込まれたイランはいい迷惑だ) しかし、中東が不安定化すればまず反応するのは「原油価格」だ。原油価格は安定的に下落しており、中東不安は金融市場に影響を与えていないことが分かる。 逆に、原油生産が安定的に増加していることを考えると、マスコミ上で批判合戦を繰り返している中東不安は存在しないと考えてよい。

 日本経済はデフレ状態にある。いわゆる「白川デフレ」から脱却できていない。 「エネルギー価格を除けば、デフレではない」ってのは、便利な言い回しだ。 デフレは今後も続くだろう。 デフレが続く限り、彼は現実から目をそむけながら、下記のような言い訳を繰り返すのだろうか?
i. エネルギー価格を除けば、デフレではない
i. 商品価格下落を除けば、デフレではない
i. 携帯電話料金下落を除けば、デフレではない
i. 家電製品価格の下落を除けば、デフレではない
i. 輸入物価下落を除けば、デフレではない
i. 値下げ販売・価格競争を除けば、デフレではない
i. 物価下落を除けば、デフレではない



 2016年も最初の一週間が終った。 もうそろそろ初夢から覚めて、現実を見つめた政策を進めて欲しい。