Zooey's Diary

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あたしを見くびらないで!「挑発する少女小説」

2023年01月29日 | 


19世紀後半から20世紀前半に書かれた人気少女小説9編を、21世紀の大人の視点から読み解こうとするもの。

著者に言わせると
シンデレラ物語を脱構築する『小公女』
異性愛至上主義に抵抗する『若草物語』
出稼ぎ少女に希望を与える『ハイジ』
生存をかけた就活小説だった『赤毛のアン』
社会変革への意思を秘めた『あしながおじさん』
肉体労働を通じて少女が少年を救う『秘密の花園』
父母の抑圧をラストで破る『大草原の小さな家』シリーズ
正攻法の冒険小説だった『ふたりのロッテ』
世界一強い女の子の孤独を描いた『長くつ下のピッピ』
ということになるらしい。

上の9編は、どれも子供の頃、夢中になって読みました。
例えば「赤毛のアン」のアンは、決して天然のお転婆少女なのではなく、小さい頃からみなしごとしての苦労によって、生きるためには何が必要で誰を味方にすべきかを敏感に察知し、その上での就活によって健康的で文化的な生活を営むための環境を自ら勝ち取った、したたかな策略家なのだと。
そこまで分析しなくても、どんな逆境にあってもへこたれず、明るく逞しく想像力によって人生を切り開いていったアンの能力を、子供なりに自然に納得していた気がします。
”少女小説は読者を挑発しているのです。子どもだからって、女だからって、あたしを見くびらないで!"
という著者の言葉が面白い。
そしてモンゴメリーの略歴紹介で、”36歳で長老派教会の牧師と結婚、二人の息子の出産後も旺盛な作家活動を続けるが、私生活では鬱病に悩み、2008年、死因は服毒死であったことが発表された”というくだりに驚きました。

コメント (2)
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