まいまいずの井戸 ~羽村を旅する

2008-05-13 13:37:00 | 日常&時間の旅


 
 最近は「遠出」ができないのですが、家から1時間以内で行かれる「近場」にも、足を運びたい場所がたくさんあって、ちょっとした時間の合間に「小さな旅」を楽しんでいます。最近は青梅線沿線にハマッているのですが、中でも「羽村」は穴場的なお勧めスポットです。
 「羽村」の特徴をひと言でいえば、豊かな自然と歴史が育んだ町。先日、「羽村の堰」周辺を歩いたのですが、聴いたことのない野鳥の声をたくさん耳にしました。何でも140種の野鳥が生息しているそうです。羽村を歩くときには双眼鏡を持っていくと、より楽しめるかもしれません。
 4月15日に訪れたとき、市内のあちこちでチューリップが色鮮やかに咲いていました。これから少しずつ歩きながら、羽村の魅力に触れていきたいと思います。

 羽村市は、東京都心から西へ約45キロメートルに位置し、多摩川周辺の自然や武蔵野の面影を残す雑木林などの緑につつまれ、住宅地と工業地域がバランス良く配置された都市です。面積は、9.91平方キロメートル。市の西から南へ多摩川が流れ、江戸時代に開削された玉川上水の取入口のあるまちとして知られています。(羽村市のHPより)


                   



(右)わ~い、柿色の中央線がやって来た! たまに目撃すると、ほっとする。一日でも長く走り続けてほしいな~。
(左)斬新なデザインのJR羽村駅東口駅舎。メインストリートが一直線に延びてゆく。2007年11月3日に西口新駅舎も完成した。青梅線沿線もすごい勢いで変わっているけれど、緑をたっぷり残しているのが「羽村」の特徴。




 いの一番に訪ねたかった場所がここ、「まいまいずの井戸」です。確か、小学2年の遠足で見学した覚えがあり、そのときの写真も残っています。
 「まいまいず」とは、「かたつむり」のことです。井戸に向かって降りてゆく道が「かたつむり」に似ているため名づけられました。水の乏しい武蔵野台地では水脈が深かったのですが、井戸掘り技術が発達していない時代でも、このようにすり鉢状に穴を掘ってから縦掘りすれば、深い井戸も掘ることができました。
 「まいまいずの井戸」は、鎌倉時代から昭和35年まで大切に使われてきました。井戸は、地表面の直径が16mで、底面の直径が5m。深さは4.3mもあります。すり鉢上のくぼ地の中央に、直径1.2m深さ5.9mの堀り井戸があって、渦巻状の道を約2周して、ようやく井戸に達します。「行きはよいよい、帰りは怖い(重い)」だったと思いますが、面白がって何度も往復していたら、目が回ってしまいました・・・。


      


 「まいまいずの井戸」はJR羽村駅東口から徒歩1分、五ノ神神社内にありました。その昔、遠足で来たときは山道を歩いた印象があるのですが、高尾山登山の遠足と記憶がごちゃまぜになっているのかもしれません。写真の私はニコニコはしゃぎながら斜面を下っているのですが、当時と比べて何が一番変わったかというと、井戸の大きさ! 3分の1くらいのの大きさに縮んでしまったような気がしました。子供の頃は、まわりのものが全て、今の3倍の大きさに見えていたんですよね。すっかり忘れてしまったけれど、久しぶりに思い出すと、ほんの少しでもいいからあの頃に戻りたくなりました。


      


 羽村市では、毎年3~4月末にかけて「はむら花と水のまつり」が開催されています。前期の「さくらまつり」は、羽村の堰と玉川上水の桜が主人公。八雲神社の神輿の川入り(来年は見たいな~)が終わると、後半の「チューリップまつり」にバトンタッチされます。会場は、羽村の堰にほど近い「根がらみ前水田」。農閑期の水田に、毎年36万株のチューリップを植栽しています。私が行ったときは、残念ながら殆どの花が終わってしまっていましたが、4月15日にはこのとおり赤白黄色のチューリップが、羽村動物公園に至るメインストリートの両脇を縁取りしていました。羽村の春はチューリップの春でもあったんですね!


                   

(右)パンジーの花壇に一輪だけ咲いているチューリップ。目立ちたがり屋さん?
(左)朝日に輝くチューリップの向こうに見えてきた「羽村市動物公園」の正門。行き方は簡単、東口を降りて正面の道を20分歩くだけ。つき当たりが「動物公園」です。キリンや「おかか」に会いたいな~♪